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  1. 世田谷区議会 2020-11-26
    令和 2年 12月 定例会−11月26日-02号


    取得元: 世田谷区議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-03
    令和 2年 12月 定例会−11月26日-02号令和 2年 12月 定例会 令和二年第四回定例会 世田谷区議会会議録第十八号 十一月二十六日(木曜日)  出席議員(五十名) 一番   つるみけんご 二番   神尾りさ 三番   そのべせいや 四番   青空こうじ 五番   ひうち優子 六番   上川あや 七番   くりはら博之 八番   佐藤美樹 九番   小泉たま子 十番   あべ力也 十一番  高岡じゅん子 十二番  金井えり子 十三番  田中みち子 十四番  和田ひでとし 十五番  加藤たいき
    十六番  阿久津 皇 十七番  宍戸三郎 十八番  津上仁志 十九番  福田たえ美 二十番  河村みどり 二十一番 いそだ久美子 二十二番 中山みずほ 二十三番 中里光夫 二十四番 江口じゅん子 二十五番 たかじょう訓子 二十六番 畠山晋一 二十七番 山口ひろひさ 二十八番 菅沼つとむ 二十九番 高橋昭彦 三十番  高久則男 三十一番 平塚敬二 三十二番 桜井純子 三十三番 中村公太朗 三十四番 藤井まな 三十五番 大庭正明 三十六番 ひえしま進 三十七番 石川ナオミ 三十八番 おぎのけんじ 三十九番 真鍋よしゆき 四十番  板井 斎 四十一番 佐藤弘人 四十二番 岡本のぶ子 四十三番 羽田圭二 四十四番 風間ゆたか 四十五番 中塚さちよ 四十六番 桃野芳文 四十七番 田中優子 四十八番 下山芳男 四十九番 河野俊弘 五十番  上島よしもり  出席事務局職員 局長     平澤道男 次長     井上徳広 庶務係長   星野 功 議事担当係長 水谷 敦 議事担当係長 長谷川桂一 議事担当係長 下村義和 議事担当係長 岡本俊彦 議事担当係長 菊島 進 議事担当係長 末吉謙介 調査係長   佐々木崇  出席説明員 区長     保坂展人 副区長    宮崎健二 副区長    岡田 篤 副区長    中村哲也 世田谷総合支所長        志賀毅一 烏山総合支所長        皆川健一 政策経営部長        加賀谷実 財政担当部長        松永 仁 交流推進担当部長        小澤弘美 総務部長   田中文子 庁舎整備担当部長        松村浩之 危機管理部長 菅井英樹 生活文化政策部長        松本公平 地域行政部長 清水昭夫 スポーツ推進部長        内田政夫 経済産業部長 田中耕太 保健福祉政策部長        澁田景子 保健福祉政策部次長        有馬秀人 高齢福祉部長 長岡光春 障害福祉部長 片桐 誠 子ども・若者部長(保育部長兼務)        知久孝之 児童相談所長 土橋俊彦 保育部長   知久孝之 世田谷保健所長        辻 佳織 都市整備政策部長        畝目晴彦 みどり33推進担当部長        笠原 聡 道路・交通計画部長        田中太樹 豪雨対策推進担当参事        桐山孝義 教育長    渡部理枝 教育総務部長 淺野 康 教育政策部長 池田 豊 総務課長   後藤英一     ──────────────────── 議事日程(令和二年十一月二十六日(木)午前十時開議)  第 一 代表質問  第 二 一般質問     ────────────────────
    追加議事日程  第 一 議案第 百十 号 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例  第 二 議案第百十一号 幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例  第 三 議案第百十二号 会計年度任用職員の給与及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例     ──────────────────── 本日の会議に付した事件  一、代表質問  二、一般質問  三、追加日程第一から第三 企画総務委員会付託     ────────────────────     午前十時開議 ○和田ひでとし 議長 ただいまから本日の会議を開きます。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 直ちに日程に入ります。 △日程第一を上程いたします。  〔井上次長朗読〕  日程第一 代表質問 ○和田ひでとし 議長 昨日に引き続き、代表質問を行います。  質問通告に基づき、発言を許します。  公明党を代表して、四十二番岡本のぶ子議員。    〔四十二番岡本のぶ子議員登壇〕(拍手) ◆四十二番(岡本のぶ子 議員) 冒頭に、第一波、第二波、第三波と続くコロナ禍の中で、命を守るために働いてくださっている全ての医療従事者の皆様に心から感謝を申し上げます。  生命は環境からの圧迫と闘う中で変化し進歩する、こうした考えを科学の世界で最初に明確に主張したのは、言うまでもなくイギリスのダーウィンであります。これは僅か百年少し前のことでありますが、現在、ダーウィンの説に対して、その基本の考え方を否定する科学者はほとんどありません。今、世界は環境に配慮した視点で、コロナ禍で落ち込んだ経済の復興と脱炭素社会の移行を両立させる政策、グリーン・リカバリーに大きくかじを切ろうとしています。気候変動とコロナ禍をいかに克服できるか。子どもたちに明るい未来をつなげるための英知の結集の取組は待ったなしであります。  今こそ、環境からのあらゆる圧迫と闘い、アフターコロナを見据えて成長戦略を練り上げるとともに、どこまでも区民目線で区政の改善に死力を尽くして取り組むことを申し添え、以下、公明党世田谷区議団を代表して質問並びに提案をいたします。  初めに、財政再建について、五つの観点からお聞きします。  まず第一に、聖域なき行財政改革についてです。  令和三年度当初予算編成に係る見積状況は、歳出超過額が二百億円と、これまで耳にしたことのない極めて厳しい状況と伺っております。既に区においては、各部内、領域内における施策や事業の見直しの検討に着手していますが、これまでとは次元の異なった財源不足を目の当たりにした今こそ、行財政改革に打って出る絶好の機会と捉えるべきです。  その指標として我が党が提案し導入が実現した新公会計制度を積極的に活用し、各事業を人件費、関連経費を含めたフルコスト情報の分析を行い、区民ニーズの充足状況、費用対効果、さらに重複事業や指定管理、業務委託などの内容の総点検を含め、検証を徹底すべきです。その上で、取り組む期間を短期、中期、長期に分類し、具体的な進捗管理ができるよう、改革の道筋を盛り込んだ事業改革計画を早急に策定すべきと考えます。区の認識を伺います。  第二に、公共サービス及び施設運営の転換についてです。  今後、限られた行政資源だけではサービスの維持が困難になることを踏まえ、我々は民間との連携による新たな公共サービスの在り方を展開し、行政主導の民間委託から民間主導の提案による委託や民営化へと転換を図るべきと訴えてきました。今般、トヨタモビリティ東京株式会社との官民連携による包括協定が締結されたことを大きな一歩として、成果の検証をしながら、よりよい公共サービスの実現を図るため、コロナ禍により危機的状況に陥っている今こそ、保育園、図書館、新設する児童館についての民営化へ踏み切るべきです。区の見解を伺います。  第三に、公有財産の整理、統合についてです。  区は、平成二十九年、公共施設等総合管理計画を策定し、将来的な財政見通しに基づいて、公共施設を適切に保全、更新し、長寿命化や統廃合を推進するための考え方や取組を示し、さらに、同時期に建物に関する個別計画を建物整備・保全計画として策定しました。今後、コロナ禍の影響が及ぼす財政の逼迫は、施設の老朽化や人口構成などの変容に伴う住民ニーズの変化に対応できなくなることは不可避であり、もう一段ギアを上げた公共施設の再編、統廃合を推し進めなくてはならないと考えます。特に利用率とニーズに乖離がある施設、借り上げている施設、土地については、早急に整理統合へと方向性を打ち出すべきではないでしょうか。区の今後の方針を伺います。  第四に、雇用シェアリングについてです。  シェアリングサービスを地域に導入し、共助による課題解決を目指すシェアリングシティーに関心が高まっており、日本でも複数の自治体が取組を始めています。その理由は、自治体の財源が厳しくなっている現状を踏まえれば、自治体だけで行う公助ではなく、住民や企業が連携した共助によって解決したい課題をシェアリングサービスによって対応する仕組みであることに起因しています。また、雇用シェア、在籍型出向制度といった企業が従業員の雇用を守る制度が、今般のコロナ禍における経営危機に伴うJALやANAでも活用され、社員を自治体へ出向させたとの報道がありました。  令和三年度以降の財政難が予測される本区においても、例えば窓口業務の接遇対応や外国人用相談窓口の充実、今後の広報戦略などの課題解決のために、航空会社などの企業が持つ高い対人スキルなどを区政の改善に役立てる絶好のチャンスとして雇用シェアリングの導入を検討してはいかがでしょうか。区の見解を伺います。  第五に、稼ぐ公共についてです。  人口減少・少子・高齢化時代を象徴する二〇二五年、団塊の世代が後期高齢者へと移行する大介護時代はすぐそこに来ています。地域社会の変容が迫る一方で、社会保障やインフラを支える財源の捻出は最大の難題であり、これまでの税収だけに頼る体質では乗り切ることはできません。  そこで、我が党が以前より主張してきた公共施設できちんと稼いで地域還元できる仕組みをさらに幅広く展開すべきです。例えば、今、実証実験中のキッチンカーの導入も、区道上の広場や夜間の営業にも貸し出す、維持費ばかりがかかる道路代替地などの遊休資産をコインパーキングや駐輪場にする、利用率の低い公共施設の会議室等を企業にレンタルスペースとして貸し出すなど、民間事業者が有効活用できる仕組みがあってもいいのではないでしょうか。細かいコスト削減ばかりに集中するのではなく、公共施設で稼ぐ、収益を上げて財政の負担を減らす仕組みをつくるほうがより健全と考えます。区の見解を求めます。  次に、高齢者・障害者施策について三点伺います。  第一に、居住支援についてです。  全国宅地建物取引業協会連合会の二〇一八年の調査によると、高齢者への賃貸住宅のあっせんについて、積極的に行っていると回答した事業者は僅か七・六%でした。  本区でも、高齢化の進展に伴い、ひとり暮らしの高齢者の増加傾向が顕著であり、会派として高齢者に対する居住支援の取組の強化を再三訴えてきました。区は、二〇一七年度からお部屋探しサポート事業に取り組み、住宅に困窮する高齢者等の住宅確保要配慮者の支援を行っていますが、この事業の相談者の半数以上が七十歳代を超えており、二〇一九年度の実績では、高齢者の相談件数が合計二百四件に対し、情報提供件数は九十七件、入居が決まった件数は僅か二十八件、一四%と少なく、過去三年間の実績も同様な状況が続いております。その要因が様々あることは理解できますが、そもそも高齢者のニーズに寄り添った物件探しがお部屋探しサポートで行われているのか疑問です。高齢者の相談の大半がアパート等の老朽化に伴い転居を余儀なくされている状況であることからも、入居を拒まない住宅確保策が急務であります。  国は、高齢者、障害者、子育て世帯等の住宅の確保に配慮が必要な方の増加傾向を踏まえ、二〇一七年十月より、公的住宅の整備に代わる民間の空き家、空き室を活用した新たな住宅セーフティーネット制度をスタートし、各自治体と居住支援法人が連携して、住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅の確保を進めております。本区でもこの制度に取り組んでいるとのことですが、残念ながら、その対象をひとり親世帯のみに絞り込み、高齢者や障害者を対象から外しております。  今後、本区としてお部屋探しサポートの実効性のある取組の改善と、居住支援法人と連携した国の住宅セーフティーネット制度の活用の拡充を求めます。区の見解を伺います。  第二に、地域包括ケアの着実な地区展開についてです。  本区では、二十八地区にまちづくりセンターを配置し、福祉の相談窓口として地域住民に寄り添う相談体制の構築を進めてきました。しかし、各地区のまちづくりセンターが担当する居住者人口を比べると、約六万四千人の烏山地区と約一万七千五百人の九品仏地区では、その差は歴然であります。そのような中、八〇五〇問題、ダブルケアや孤独死など、複合的な課題を抱えた区民への支援体制の強化が求められてきております。  国は、これらの課題を解決するため、本年六月に改正社会福祉法を成立し、公明党が長年推進してきた断らない相談支援を含む重層的支援体制整備事業を令和三年四月から本格的にスタートするとしています。今後、区として課題を抱えている本人や家族を着実に支援する体制を整備するためにも、二十八地区に生じている人口偏在を解消すべきと考えます。今後、策定予定の(仮称)地域行政推進条例を見据えた体制の強化を求めます。区の見解を伺います。  第三に、災害時避難行動要支援者対策についてです。  いつ来るか分からない大規模災害に備え、令和二年七月時点で区内に八千二百三十四名いる避難行動要支援者への地区における支援体制の構築も喫緊の課題です。これまでも会派として再三求めている福祉人材を活用した災害時避難行動要支援者対策の個別支援計画の作成を含め、迅速かつ着実な取組の実行を求めます。区の見解を伺います。  次に、ひとり親支援について二点伺います。  厚生労働省が行った平成二十八年度全国ひとり親世帯調査結果報告によると、ひとり親世帯の就労状況でパート、アルバイトに従事している割合は、父子家庭六%に対し母子家庭四四%であり、年収の平均は、父子家庭三百九十八万円に対し母子家庭は二百万円と、ひとり親の中でも母子家庭が生活に困窮している状況がうかがえます。  先日、会派でシングルマザーに対して多面的な支援活動をされているNPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむを訪問し、意見交換させていただきました。そこで一番に言われたのは、ひとり親の多くが行政の窓口の敷居が高いと感じ、支援サービスにつながっていない状況にある方が意外に多いということでした。具体的には、児童扶養手当の手続を行う際など、事務的に交際している男性がいるか、妊娠はしていないかなど、事実婚の有無を確認され、プライバシーへの配慮のなさに傷つき、同じ思いをするのは二度と嫌だと窓口に行くことを拒み、申請手続に至らないケースがあるとも伺いました。また、離婚調停中など別居状態にある方は各種支援サービスの対象外となっており、生活に困窮している家庭も多いため、何らかの支援が必要とのことでした。  そこで伺います。第一に、相談しやすい窓口の実現についてです。  センシティブな相談を受ける窓口においては、たった一言で傷つくことがあります。各総合支所での窓口対応等において、相談者の心の機微に寄り添いながら、ひとり親支援をサポートできる職員の相談対応スキルの向上と、平日の開庁時間に来所が難しい方々への休日、夜間の相談窓口の開設が求められます。区の見解を伺います。  第二に、ファミリー・サポート・センター事業の軽減策についてです。  先日訪問したNPO法人が実施する食料支援を利用する二千世帯の中に世田谷区の方が七十世帯入っていることを知り、区内にも潜在的に支援を必要としているニーズがあることを実感いたしました。別居中のひとり親などは支援のはざまにいる方も多いため、所得の少ないひとり親に対して、例えば緩やかな見守りとなるファミリー・サポート・センター事業の利用料の軽減や、また、子育て利用券のひとり親版を作成し、ファミリー・サポート・センター事業や子ども配食事業などを利用できるメニューをつくり、ひとり親世帯を孤立させない支援が必要と考えます。区の見解を伺います。  次に、コロナ禍における在宅介護について二点伺います。  区が、我が会派がかねてより強く要望していた重症化リスクの高い要介護高齢者が利用する介護事業所等を優先的にPCR検査を受けられる体制を組み、十月より実施したことを高く評価いたします。  第三波とも言える感染拡大が全国で急速に広がり、第一波、第二波のときとは異なり、高齢者の感染者の割合が多くなっていることは、重症化リスクを高め、医療現場の逼迫につながることから、病床の確保など、大きな懸念材料となっております。  本区においても、高齢者施設でのクラスターが発生し、新型コロナウイルス感染者が十一月以降急激に増加し、予断を許さない状況が続いております。先日、訪問看護ステーションの関係者の方から、通所介護施設等で陽性者が発生し、濃厚接触者の判定を受けた要介護の高齢者が、その後二週間、在宅で過ごさなくてはならなくなったが、利用している訪問介護サービス事業所から濃厚接触者への訪問ケアを拒否されるケースが出ているとの御相談をいただきました。  高齢者の入所・通所介護施設でのクラスター対策と併せて、濃厚接触者への在宅介護における訪問事業所の拒まないケア対策は、介護崩壊を招かないための区として取り組むべき大きな課題と考えます。ここで伺います。  第一に、濃厚接触者となった要介護高齢者の在宅介護現場で起きている実態を区として早急に把握し、訪問介護・看護事業所への感染防止対策の徹底と、濃厚接触者宅を訪問する訪問介護・看護事業所の人員不足を補う支援の仕組みの構築を図るべきと考えます。区の見解を伺います。  第二に、今後、さらなる感染拡大を考慮して、在宅訪問サービス提供事業者への濃厚接触者対応のインセンティブとして、区独自の補助及びひとり暮らしの要介護高齢者など、在宅介護が困難なケースの場合、短期入所施設等を活用した対応も検討すべきと考えます。区の見解を伺います。  次に、経済対策について二点伺います。  本年三月より第一波の感染拡大の兆候が始まって以降、四月からコロナ禍の影響によって区内経済は大きな打撃を受けております。特に飲食業や小売業等は出口の見えない不安や倒産の危機と隣り合わせの日々を乗り越えるべく悪戦苦闘されている様々な声をこの間伺ってまいりました。  区が今般示した新型コロナウイルス感染症に係る区内の経済状況及び支援策についての中で、飲食店をはじめ、ほとんどの業種が大幅な売上減少等の甚大な影響を受ける中、企業は各種補助金や融資を活用し、また、従業員の解雇や休業などで雇用量を調整することで、経営を何とか持続していると分析しております。しかし、このままでは、今年度後半から来年度にかけて事業存続が困難になる事業者も大幅に増加する可能性があります。区として、これら事業者に対して、金融機関や士業の協力を得ながら、業態の転換や再創業による再起など、ニーズに沿った先手先手の支援が求められます。そこで伺います。  第一に、区の業態転換及び新ビジネス創出支援補助事業は、補助の上限が一事業所当たり十万円と少額であるものの、十一月二十四日時点で百四十四件の申請があったと聞いております。区内事業者の業種も多岐にわたることから、今後も的確にニーズを捉え、新年度に向け内容を一段と拡充し、経営の下支えとなる支援の継続が必要と考えます。区の見解を伺います。  第二に、令和三年二月から実施予定の電子商品券せたがやPayについては、来年開催予定の東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック大会の開催に合わせ、景気浮揚につながるよう取り組むことを求めるとともに、電子商品券の活用については、今後の行政デジタル化の推進を踏まえ、世田谷版マイナポイントと連動した活用策、消費活性化策も併せて検討すべきと考えますが、区の認識を伺います。  次に、脱炭素社会に向けた取組について二点伺います。  国は、二〇五〇年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする目標を打ち出し、年内に行動計画を策定する予定です。本区においても、十月十六日に世田谷区気候非常事態宣言を発表して実質ゼロの目標を定めたことを踏まえ、温室効果ガスの排出量の削減に向けては、新たな行動計画を策定すべきです。  そこで伺います。  第一に、自治体間連携により、地方でつくられた再生可能エネルギーを区内で利用する取組も大事ですが、区内で地産地消することももっと力を注ぐべきです。今後、区の環境配慮型住宅リノベーション推進事業においては、創エネなどのメニューを拡充し、多くの区民の方々に御参加いただける取組が必要と考えます。区の見解を伺います。  第二に、ペーパーレス化の推進と情報発信の在り方についてです。区は、様々な行政情報をパンフレットやチラシなどの大量の紙媒体で作成し、図書館や区民利用施設などに配架しておりますが、その費用対効果の分析が行われていない実態があります。また、企業の試算によると、一年間に三千枚のA4用紙を削減した場合の二酸化炭素の削減効果は年間約十五・三六キログラムになると示されており、脱炭素社会を目指す本区としても、庁内のペーパーレス化はコストと二酸化炭素の削減効果も視野に入れて検討することが求められます。今後、ペーパーレス化とともに情報のデジタル化の推進を図る上で、必要な情報を誰もが受け取りやすくできるよう、ホームページやSNSの活用、デジタルサイネージ、動画の配信などデジタル情報の効果的な発信の在り方が求められます。区の見解を伺います。  次に、文化・芸術アーティスト支援について二点伺います。  文化芸術は、私たちの心に希望をもたらし、暮らしに豊かさを与えてくれると同時に、芸術家のみならず、スタッフや関係企業まで含めた裾野の広い産業として日本経済を支えています。しかし、今、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で苦境に直面しています。文化の世田谷として、文化芸術の灯を絶やさぬ支援が求められます。  そこで伺います。  第一に、本区はせたがや元気出せArtsプログラムとして文化芸術施設支援などを実施してきましたが、いまだ先の見えぬコロナ禍において、文化芸術に携わる方々は危機的な思いをしています。本区の財産でもある文化芸術の存続のために、さらなる支援について区のお考えをお聞きします。  第二に、世田谷版ヘブンアーティスト制度の創設について伺います。  これまでも我が会派は、アーティストにとって、見て、聞いて、知ってもらえる機会が何よりの希望となることから、世田谷版ヘブンアーティスト制度の創設を訴え、約十四年間議論し続けてきましたが、残念ながら、区の答弁は課題ばかりを並べ、一向に前へ進める努力は見えませんでした。  コロナ禍に見舞われたこのような社会だからこそ、ヘブンアーティスト制度の必要性が高まっております。三密を避けながら、区内の公園や広場、公共施設の玄関やロビーなどで発表する機会を得ることは、アーティスト一人一人の希望になります。都の事業とは別に、場所と時間を決め、登録制のもっと身近な場所でアーティストの自由な表現に触れられる機会の創出は、区民の心の癒やしと活力にもつながっていきます。今こそ、世田谷版ヘブンアーティスト制度を創設すべきです。区の今後の具体的な取組を伺います。  次に、世田谷版健康ポイントの創設について伺います。  本区では、平均寿命は延びているものの、健康寿命は横ばいの状況にあり、高齢化が進展している中で健康寿命を延伸させるためには、生活習慣病等の予防を積極的に行う必要があります。健康づくりは、一人一人が意識を高めて取り組むことが基本ですが、行政、企業等が連携し、区民の主体的な健康づくりを支える新たな取組を図ることも効果的であり、各種健診受診や生活習慣の改善への実践に対してインセンティブを活用した健康づくりの取組が多くの自治体で進んでおります。例えば川口市では、市民にマイナンバーカードのマイキーIDに登録していただき、その後、元気づくり推進リーダー養成講座介護支援ボランティア、健康運動教室、筋力アップ教室、口腔教室などの事業参加で健康ポイントを付与、ためたポイントを市内の約三百店舗で利用可能な川口ポイント券と交換できる取組を行っております。  今後、本区において、マイナンバーカードを活用した世田谷版健康ポイントを創設し、要介護度の軽減が図られた場合や、がん検診や特定健診の受診、医療保険の年間未使用の達成、運動機能向上のプログラム参加等へのポイント付与など、一人一人が健康を維持するための行動をやりがいとして形にすることが求められます。区の見解を伺います。  最後に、性教育の充実について伺います。  今般、新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛等により、各地のLINE相談を含む妊婦向けの相談窓口に十代、二十代の若年層の相談が急増しており、望まない妊娠や性被害が増えている可能性があるとして、厚生労働省は今年度中に人工妊娠中絶の実態調査を行うとしています。また、東京都は、様々な若年層を取り巻く課題を踏まえ、二〇一九年に性教育の手引を改訂し、保護者や学校全体の一定の理解等の要件の下、学習指導要領の範囲を超えた授業を行うことができるとしました。  あわせて、生徒自身の身を守るための知識を教師が担当することは大変困難であり、専門家による性教育が必要であることから、中学生を対象に、産婦人科の医師や助産師などの専門家が避妊や人工妊娠中絶等についても取り扱う性教育のモデル授業をスタートさせました。世田谷区教育委員会が二〇一九年度よりこのモデル事業に手を挙げたことをまず評価いたします。  性教育の充実は、異性の差異を超えて生命の貴さを理解するきっかけとなり、障害やLGBTなどの多様性を認め合える社会につながる大切な機会と考えます。今後、特別活動や総合的学習等の機会を通じて、全ての区立中学校において、専門家派遣による性教育の充実の取組が進むよう、区としてさらなる啓発機会の拡充を図るべきと考えます。区の見解を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 岡本議員にお答えをいたします。  現状の行財政改革、コロナ危機、コロナ禍の中でピンチをチャンスにという気概についてお尋ねがございました。  令和三年度予算編成におきましては、コロナ感染防止対策と経済対策を車の両輪にいたしまして、区民生活の安全を守るための経費、これが予想以上に膨らんでくるなど、厳しい財政状況を見通す中、全庁を挙げて事業の見直しを進めてまいります。施策事業の見直しにつきましては、フルコスト事業効果を新公会計制度によって検証していくとともに、区民の利便性、文化的で健康な生活を送る左様の観点からも、トータルに見直しまして、内容や手法、そして事業の統合や一時休止など、これからの在り方を見直し、見定めようと、このように考えているものであります。  一方、感染防止対策と、区民や事業者の社会経済活動の維持と活性化の両立に要する財源を確保していくこと、区民生活の安全及び区民の健康と命を守る区政を継続するために、計画的な行政経営改革、分けても大変困難なこれからの減収をにらみながらの改革が必要だと考えております。  御指摘の見直しに係る各期間ごとに重点的に実現する目標を定めるとともに、さきに私の招集挨拶で触れましたDXの推進を単なるデジタル化にとどまらず、役所の仕事の仕方、区民との向き合い方、この改革にまで持っていく。このことと地域行政制度改革を併せまして、この双方の組合せで、この行政資源が区民の課題に最大効果を発揮していけるような体制に改革を進めてまいりたい。新実施計画後期を含めまして、このたびの見直し視点を反映するなど、事業改革計画による改革を進めてまいります。    〔宮崎副区長登壇〕 ◎宮崎 副区長 私からは、二点について御答弁申し上げます。  まず最初に、保育園、図書館、新設する児童館の民営化についてでございます。  あらゆる施策事業の本質的な見直しの中で、公共サービスや施設運営につきましては、区の直営や委託、あるいは民営化など様々な手法の効果、評価を検証し、行政の本質的な役割の検討は重要と考えております。この間のコロナ禍におけます事業実施におきましても、区の人的資源や予算などが限られている中、民間の力、知見を活用していく必要性は高まる一方で、行政として公共サービスを持続可能なものとして提供する責任の下、経営の在り方を改めて見直すことが求められております。  区立保育園につきましては、公的セーフティーネットの役割を担いつつ、移転、統合、閉園等による再整備を進め、図書館は、民間活用も含めた運営体制の検討に着手しております。また、児童館は、区が運営を担うことを基本とし、未整備地区への対応や民間等との関わりについて引き続き検討してまいります。これらの施設機能を含め、公共サービスの在り方の検討とともに、コストやサービスの質、人材確保などの視点を含めまして、持続可能性の検証を進めてまいります。  続きまして、雇用シェアリングを活用せよということのお尋ねに対してお答えします。
     コロナ禍で休業状態にある企業などが従業員の雇用の維持を図るため、人手不足となっている企業等へ従業員を出向させる在籍型出向制度、いわゆる雇用シェアリングの仕組みによりまして、佐賀県や鳥取県などが航空会社職員の受入れを行うなど、自治体によります活用が報道されております。活用に踏み切った理由の一つとして、県と企業の間に従前より強い結びつきがあったということが挙げられておりますけれども、民間企業従業員の人件費は、受入先である自治体も負担するため、その財源確保の課題、必要とする人材と企業選定とのマッチング、特別区職員としての任用制度上の課題など、導入に当たりまして検討すべき事項が多くございますが、一方で、区民サービスのレベルアップに民間企業従業員が持つスキルを活用できる機会とともに、コロナ禍におけます公共としての役割、今、議員のほうからは共助の観点の御指摘がございましたけれども、その観点も含めまして、戦略的な活用について検討してまいります。  以上でございます。    〔岡田副区長登壇〕 ◎岡田 副区長 私からは、二点について御答弁申し上げます。  まず、業態転換及び新ビジネス創出支援補助事業についてでございます。  業態転換及び新ビジネス創出支援補助金は、コロナ禍における新しい生活様式の中で、経済活動を維持、持続するため、業態転換や経営の多角化を図ろうとする中小企業を支援する目的で実施しております。例を挙げますと、通信販売やデリバリー、オンラインセミナーの開始など、非対面型の事業手法に切り替える事例が多数を占めましたが、外注に頼っていた製品を自社開発とするなどの例もあり、コロナ禍を機に経営基盤を強化する一助となったと捉えております。今回は補助の上限を十万円とし、コロナ禍における応急処置的な支援事業としましたが、新型コロナウイルス感染症への対応も長期にわたり、今後はさらに事業者の経営基盤の強化につながる業態転換や新ビジネスの創出への支援が必要であると認識しております。課題を整理し、より的確な支援につながるよう、急ぎ検討してまいります。  次に、文化芸術アーティスト支援についてです。  区では、コロナ禍において、民間文化芸術施設の活動継続を支援するとともに、区民が文化芸術に親しむ機会の提供を目指し、区の文化振興基金を活用し、せたがや元気出せArtsプログラムを実施しております。アーティスト支援事業では、百人の動画募集に対し、音楽、演劇、伝統芸能など幅広い分野から六百人を超える応募があり、選定されたアーティストの動画が十二月より順次公開されます。また、ライブハウスや小劇場等の支援では、動画配信機材の購入やアーティストの出演経費に充てるなどの目的で、五十余りの施設の約七割から申請がございました。  先の見通せないコロナ禍にあって、文化芸術による心の安らぎや潤いは、区民生活の大きな力となるものであり、世田谷区の魅力の一つである文化の灯を絶やさないという観点からも、文化芸術の振興は重要な施策です。今回の取組の効果や文化芸術活動の状況を踏まえつつ、文化芸術活動の活性化と区民が文化芸術に親しむ機会の創出の両面から、ふるさと納税による寄附もお願いし、文化芸術活動の支援を工夫してまいります。  以上でございます。    〔中村副区長登壇〕 ◎中村 副区長 私からは、二点御答弁いたします。  まず、地域包括ケアについてです。  平成二十六年から開始しました地域包括ケアの地区展開では、同じ地区単位で活動するまちづくりセンター、あんしんすこやかセンター、社会福祉協議会を同一の施設に設置し、区民に最も身近な相談窓口として、三者の連携による福祉の相談窓口を整備いたしました。それぞれの相談窓口においては、三者連携によるイベントやサロン等での出張相談など、地区の状況に応じた取組を行っているところです。地域行政推進条例の検討に当たっては、まちづくりセンターの管轄の在り方を課題の一つとしておりますが、地区割については、人口動態のほか、地域の成り立ちやコミュニティーのありよう、地区防災など様々な面を考慮する必要があります。  現在、あんしんすこやかセンターは、それぞれの地区の高齢者人口に応じて職員を加配し、体制を強化しているところですが、地区の適正規模については今後、地域包括ケアの地区展開を着実に進める観点から、それぞれの地区の実態を踏まえ、地域行政の在り方とともに慎重に検討をしてまいります。  次に、コロナ禍における在宅介護支援についてです。  介護事業者が濃厚接触者となった要介護者宅を訪問してサービスを提供する際のインセンティブの付与については、全国の課題であることから、国が介護サービス事業所等に対するサービス継続支援事業の中で補助メニューを設けております。区では、今後も広く事業者に周知し、有効に活用していただけるよう呼びかけてまいります。国においては、来年度予算概算要求が取りまとめられ、次期介護報酬改定に向けた議論も行われておりますので、その動向も注視してまいります。  また、今回御提案します第四次補正予算案において、在宅で介護している家族が新型コロナウイルスに感染した際の要介護者の施設での受入れに係る予算を計上し、現在、具体的な施設について調整をしているところです。お話のありましたひとり暮らしの要介護高齢者などが濃厚接触者となり、在宅での生活が困難となるケースに対しても、必要な介護サービス等を提供する体制の整備について検討をしてまいります。今後も、在宅で暮らす要介護高齢者を支える介護の現場が決して崩壊することがないよう取り組んでまいります。  以上です。 ◎加賀谷 政策経営部長 私からは、二点御答弁いたします。  初めに、公共施設の再編、統廃合についてでございます。  既存の公共施設のうち、用途や立地、短期的な活用などで優位性が確保できる場合には、借り上げも行いながら柔軟な施設運営を行っておりますが、長期的な借り上げは事業効果とコストのバランス面からも検証する必要がございます。この間、区では、公共施設等総合管理計画の考え方に基づき、既存施設の課題解消、複合化、多機能化など施設を有効活用するための検討と併せて、借り上げ施設の計画的な返還を行うこととしてございます。また、区民利用施設のうち、例えば利用率が四〇%以下と有効に活用し切れていない施設につきましては、老朽度や地域偏在、施設ニーズ、用途地域等を総合的に分析をし、統廃合や転用を含む多様な手法による解決策の検討を進めているところでございます。  引き続き、賃借料や維持管理経費負担の抑制、既存施設のさらなる有効活用に向けました取組を進め、区民ニーズに即した適正な公共施設等の管理に努めてまいります。  次に、ペーパーレス化の推進と行政情報の発信についてでございます。  ペーパーレス化は、環境面ではCO2の削減につながるとともに、事務効率化、円滑な情報共有などのメリットも大きいと認識してございます。御指摘のように区民が気軽に手に取っていただけるよう、事業周知や参加につなげるため、区が作成しました各種パンフレットやチラシが公共施設などに配架されている現状がございます。こうした広報物は区公式ホームページにも掲載され、幅広い周知が行われているところでございます。区の公式ツイッターフォロワー数も年々増加をし、最新の行政情報をSNSで得る傾向も顕著であり、発信数も昨年度に比べ倍に増やしてございます。また、新しい生活様式の広がりにより、シンポジウムオンライン開催など、ユーチューブ世田谷区公式チャンネルによる動画の配信数も増加してございます。  一方、区民の行政情報の入手方法は様々であり、区政モニターなどからの意見もいただきながら、紙媒体での情報を受け取られる方への配慮をしつつ、各種アプリや現在試行運用中のLINEなど、世代に即したツールを組み合わせ、効率的かつ確実な情報の発信を念頭に、改善に努めてまいります。  以上でございます。 ◎松永 財政担当部長 私からは、公共施設の有効活用で財政負担を減らす仕組みについて御答弁をいたします。  税外収入を含め、各自治体が創意工夫により自ら財源を確保する必要性はより一層高まっているものと認識をしております。この間、公共施設への自動販売機の設置や道路代替地の有料駐車場への貸付けに加え、区有地へのキッチンカーの出店などの取組を進めており、今年度につきましては区有地を無償提供した実証実験のうち、馬事公苑前けやき広場では土日に十九時まで出店し、一日を通じた売上げは当初の見込みを上回っていると聞いております。  こうした税外収入策は、区の歳入増だけではなく、区民の利便性向上や事業者支援にも寄与する部分もあり、コロナ禍で働き方や業態等の転換が求められる中、新たなニーズを踏まえた検討も必要と考えております。  一方で、お話にありました稼働状況に応じた会議室等の企業等への貸出しなどにつきましては、コロナ禍における新たな需要に対応でき、財源確保につながる可能性もあるものと考えますが、各施設の行政目的との整合や区民利用を妨げない運用など、課題もあることから、公有財産の管理を統括する財務部や各担当所管とも協議しながら、税外収入の可能性について検討してまいります。  以上です。 ◎畝目 都市整備政策部長 私からは、二点の御答弁です。  初めに、お部屋探しサポートと住宅セーフティーネット制度についてです。  お部屋探しサポート事業は、来年一月の玉川総合支所での開設により、全ての総合支所で実施となる予定でございます。さらに、コロナ禍を踏まえ、相談者の不安や来庁する手間を考慮し、リモートによる相談を研究検討しており、あわせて、本年開始した見守り・補償サービス補助制度のさらなる普及啓発により利用率を高め、物件情報提供件数や入居の向上に努めてまいります。  国の住宅セーフティーネット制度につきましては、まずは経済的にも困窮するひとり親世帯へ家賃低廉化補助制度を実施しておりますが、オーナーが入居者から礼金等を受領することができない一方で、事務的負担が増えるほか、制度的な課題もあり、登録住宅数の増加が難しく、住宅確保要配慮者の対象者拡大の取組には至らない状況で、これまでも直接国に改善要望を行うとともに、特別区区長会を通じ内閣府へ制度の見直し等を求めているところでございます。  議員お話しの住宅セーフティーネット制度の拡充策として、区といたしましては、負担が増すオーナーに対し、登録住宅協力謝礼等の創設により登録住宅数の戸数を増やしていく取組や、居住支援法人による空き家等を活用した高齢者、障害者、子育て世帯等の居住支援策を検討しており、引き続き、居住支援協議会をはじめ、不動産等関係団体等の御協力をいただきながら、実効性のある事業となるよう鋭意取り組んでまいります。  次に、環境配慮住宅リノベーション事業についてです。  環境配慮型住宅リノベーション推進事業は、区民の環境への意識の高まりから、実績件数は増加し、事業を開始した平成二十五年当時は二十二件でございましたが、平成三十年には百七十四件、昨年は百六十八件、今年度はコロナ禍における区内事業者支援の観点から議会の御議決をいただき、三千万円の増額補正をいたしましたところ、反響も大きく、既に当初予算と合わせまして約二百六十件の申請をいただいてございます。CO2排出量の多い家庭部門におきまして、住宅の壁や窓の断熱、省エネ機器の設置など、環境に配慮した良好な住宅を普及促進し、併せて区内事業者の技術向上、振興を図ることは大変重要であり、有効な事業であると認識してございます。  住宅リノベーション事業における助成メニューの拡充といたしましては、この間、外壁改修や高効率給湯器の種類を増やすなど、省エネルギー性能の向上を図る新たな技術の取り入れを適宜行っておりますが、あわせて、環境配慮として再生可能エネルギーの推進は大変重要であり、本年、環境政策部におきまして蓄電池の導入補助事業を開始したところで、多くの申請をいただいてございます。  区といたしましては、今後も引き続き、環境政策部と連携いたしまして、省エネ、創エネの取組に鋭意努めてまいります。  以上でございます。 ◎有馬 保健福祉政策部次長 私からは、災害時避難行動要支援者対策について答弁いたします。  区の避難行動要支援者支援につきましては、自助、共助を基本に、各町会・自治会との協定締結を各総合支所で進めており、令和二年九月現在、百九十五町会のうち百一の町会と締結しております。あらかじめ御本人からの同意を得た情報について、町会・自治会に提供することで、避難行動要支援者の方を確認していただき、平時からのつながりをつくりながら、災害時の支援につなげていくことを目指しております。  今年度の検討状況ですが、庁内関係所管による検討部会をこれまで二回実施し、加えて、九月には各総合支所より、町会・自治会に対し、現在の活動内容や協力体制などについてアンケートを行ったところでございます。さらに、十月から民生委員等に対しても同様にアンケートを行っており、今後、取りまとめの上、分析を行っていくことになります。  区としましては、今年度中にアンケートの取りまとめ及び分析を進めてまいります。今後の検討においては、各地域の特徴を踏まえながら、御指摘の福祉人材を活用した支援策について、個別支援計画も含め、庁内関係所管による検討部会において議論を深めてまいります。  私からは以上です。 ◎知久 子ども・若者部長 私からは、ひとり親支援について二点お答えいたします。  まず、相談しやすい窓口についてです。  離婚前後の家庭相談や生活の安定に向けたことなど、多岐にわたる相談を各子ども家庭支援センターが窓口となり、対応しております。様々な不安を抱える中で、自分の困り事を言語化し、具体的に伝えることが難しい方もいらっしゃいます。また、子どもの成長などに伴い、抱える悩みも変わっていきます。こうした相談者ごとに異なるニーズに応えた対応や情報提供を行うには、対応する職員のスキルや専門性が求められます。  そこで、対応力向上のために、総合支所ごとのOJTをはじめ、子ども家庭課による研修や外部の研修も活用しながら、一人一人に寄り添った対応ができるよう、職員の相談スキルの向上を図っているところです。区では、養育費の相談会などを土日に開催し、相談しやすい環境づくりを行っているところですが、今後も引き続き、ひとり親家庭が相談しやすく、必要な支援につながることができる仕組みの充実に努めてまいります。  次に、ファミリー・サポート・センター事業の軽減策についてです。  核家族化が進み、育児に不安やストレスを感じている方や援助を必要とする子育て世帯が増えている中、ファミリー・サポート・センター事業は、手助けを求める利用会員と手助けのできる援助会員が身近な地域の相互援助の仕組みで、困ったときはお互いさまという考えに基づいた事業です。援助活動は有償ですが、援助会員はボランティアの気持ちを持って活動してくださっております。利用に当たっては、利用会員が援助会員に謝礼金を渡し、援助会員はお預かりしたお子様の様子を伝えるなど、お互い相手を尊重し、会員同士の信頼関係を大切にしていく中での活動となっております。  事業の趣旨である相互援助の取組の中、ひとり親家庭など一部の方を対象とし、給付の仕組みを取り入れることは、対象者の認定方法や利用実績の把握、支払い方法など、整理すべきことや新たな財源の確保といった課題もございます。今後も、いただいた提案の趣旨も踏まえ、ひとり親支援に係る他の事業も含め、どのような支援が有効か、他自治体の取組や国や都の動向も踏まえつつ検討してまいります。  私からは以上です。 ◎長岡 高齢福祉部長 私からは、コロナ禍における在宅介護支援について御答弁いたします。  まず、濃厚接触者となった要介護高齢者の在宅介護現場の実態の把握についてです。  身近な相談窓口であるあんしんすこやかセンターは、地域包括支援センターの業務に位置づけられている包括的・継続的ケアマネジメント支援業務として、主任ケアマネジャーを中心に、ケアマネジャーへの日常的個別指導・相談や支援困難事例等の指導助言を行うこととなっております。御指摘のとおり、新型コロナウイルス感染症の濃厚接触者へのサービス提供に関しましては、支援を必要としている方の身体状況、家族状況、既存のサービスの利用状況等により、ケアマネジャーが調整に苦慮している事例が報告されておりますので、あんしんすこやかセンターへの実態調査を実施し、状況の把握に努めてまいります。  次に、訪問介護・看護事業所への感染防止対策の徹底と、人材不足を補う支援の仕組みについてです。  濃厚接触者宅を訪問する訪問介護・看護事業所の人員の不足は、感染防止対策の徹底と、個別のケア等、実施に当たっての留意点などが現場に十分に浸透していないことが要因ではないかと捉えております。こうしたことから、区では、介護職員向けの新型コロナウイルス感染症の感染防止対策として、福祉人材育成・研修センターでの専門家による感染防止対策の動画研修を実施するとともに、国や東京都による研修の動画配信や介護現場における感染対策の手引などについて、介護施設、事業所に対する周知に努めてまいりました。また、個別のケア等実施に当たっては、感染を防止するためのマスクやガウン等が必要なことから、感染防護物品等の支援も行っております。  今後も、感染防止対策の最新情報の周知や動画研修の案内にホームページやファクス等を活用し、事業者団体等とも意見交換をしながら周知の徹底や支援に努めるとともに、人員不足を補う支援の仕組みにつきましては検討してまいります。引き続き、濃厚接触者となった方が安定的に介護や看護を受けることができる環境づくりを進めてまいります。  以上です。 ◎田中 経済産業部長 私からは、せたがやPay関連に御答弁いたします。  このたび、せたがやPayで実施する個店支援プロジェクトは、コロナ禍により大幅に落ち込んだ区内経済復興策として、来年二月から八月まで実施する予定です。東京二〇二〇大会は、その機運醸成の取組に加え、商業振興を図るよい機会であり、せたがやPayはそのための有効なツールとして活用できると考えており、せたがやPayの機能を活用した様々な振興策があるのではないかと考えております。例えば、せたがやPayを活用し、ホストタウンであるアメリカや馬術競技にちなんだ商品、限定メニューなどを扱う店舗を利用した場合にポイントを発行するなど、東京二〇二〇大会と区内商業を盛り上げる取組の可能性について、関係者と協議をしてまいります。自治体版マイナポイントとの連携は、総務省は現時点ではポイント原資を補助しない意向ですが、行政のDX推進にはマイナンバーカード普及は重要であり、国のマイナポイントの延長などの話もあることから、今後、国の施策の動向を常に注視し、消費喚起策とマイナポイントの連携策の可能性を追求してまいります。  私からは以上です。 ◎松本 生活文化政策部長 私からは、世田谷版ヘブンアーティスト制度の創設についてお答えをいたします。  ヘブンアーティスト事業は、東京都が登録アーティストに活動場所を提供し、都民が気軽に文化芸術に触れることを目的としており、区内でも駒沢オリンピック公園や砧公園、三軒茶屋ふれあい広場が活動場所に指定されております。区におきましても、都のヘブンアーティスト事業を活用する形で、商店街や地域のイベントにアーティストを派遣し、身近な場所で区民が文化芸術に親しむ機会を創出してまいりました。しかしながら、コロナ禍において、ヘブンアーティストの多くが活動を自粛しており、区内の商店街等のイベントも中止が相次ぐなど、区民が文化芸術に親しむ機会が少なくなっております。  文化芸術は生活の潤いであり、町のにぎわいにもつながる取組でございます。今後、公園や公共施設の広場など、ウィズコロナを踏まえた対応を図るとともに、区のアーティスト支援事業の応募者の活用機会の点も考慮し、世田谷版ヘブンアーティスト制度の御提案を踏まえた取組を進めてまいります。  以上でございます。 ◎澁田 保健福祉政策部長 私からは、世田谷版健康ポイントの創設についてお答えいたします。  健康ポイント制度は、ポイントの付与がインセンティブとなり、区民の主体的な健康づくりを支える有効な手法であると認識しております。お話がございました川口市に確認をしましたところ、昨年度、介護予防教室に参加した延べ四十二名に健康ポイントが付与されたとのことです。こうしたポイント制度は様々な事業をポイント対象として、区民の健康づくりを支援する広がりのある取組であると考えております。  こうした認識の下、区では、例えば特定健診の受診やウオーキングイベント等への参加によりポイントがたまり、たまったポイントを商品券などの物品と交換できる新たな仕組みを考えてございます。今後、議員御提案の健康ポイント付与の手段としてのマイナンバーカードの活用も視野に入れまして、誰もが取り組みやすい世田谷版健康ポイントの創設に向け検討を進めてまいります。  以上でございます。 ◎池田 教育政策部長 私からは、性教育の充実について御答弁いたします。  子どもたちの性に関する正しい理解を深めるためには、学校において医師や保健師、助産師等の専門的な知識を有する外部講師を招いた授業を行うことが有用であると認識しております。教育委員会では、毎年八校程度、区内中学校において、命の貴さをテーマに助産師を招いた事業を実施しており、望まない妊娠や性感染症予防などについて生徒自身が考え、正しく判断し、行動することの大切さを考える貴重な学習の機会となっております。また、昨年度は中学校一校において、産婦人科の医師を招いた性教育のモデル事業を実施し、今年度も同様に中学校一校において実施する予定でおります。  引き続き、オンラインの活用などにより、全ての区立中学校において外部講師による性教育の授業が受けられるよう、取組の充実に努めてまいります。  以上でございます。 ◆四十二番(岡本のぶ子 議員) 今、るる御答弁いただきました。その中で、まず、冒頭に財政再建について五点にわたって質問させていただき、それぞれ区長、副区長、御答弁、部長、いただいたんですけれども、特にこの財政再建に向けての歩みというのは、あまり区民の目に触れることがなかなか難しいものだったと思います。ただ、今回のこのコロナという大きな国難といいますか、地球規模の課題、また気候変動の課題、様々ある中で、行政のデジタル化を含め、大きな変革が求められているときですから、ぜひ区長には、区民に対して、このコロナ後にこうやって世田谷区は大きく転換する、こういうビジョンがあるんですよということを示していただくことが、大きな課題解決に向けた区民の御協力も得られるきっかけになるのかなと思います。  ですので、ちょっともう一度区長のほうから、このビジョンを区民に対して示していただくという点を伺いたいというのが一点。  あと、二点目が、ひとり親の相談しやすい窓口の実現ということで、先ほど御答弁を部長からいただいたんですけれども、やはり先日もひとり親のお母様からの御相談を夜遅くにいただきました。やはり敷居が高いんです、区の窓口はというお声もあります。お仕事をしながら、なかなか伺うことができない、ただ、区から来た書類を見てもよく分からない、そういったことが何度も繰り返されると気持ちが萎えてしまうので、ぜひその訪れやすい窓口の開庁、今は平日のみですけれども、先ほど養育相談を土日にやっていらっしゃると伺ったんですが、養育相談外で、まずその最初のファーストタッチというか、様々な区の相談を受ける、こういった情報があるんだよということも含めて御支援いただく、そういう窓口を何とか人材を確保して、平日のみならず土日も含めて御検討いただきたいので、再度お願いいたします。  三点目が、健康ポイントの件と、また、せたがやPayを使ったマイナポイントの点なんですけれども、私は常々、行政デジタル化の推進には、区が業務改善したその恩恵を受けるのは区民ですので、区民がマイナンバーカードを持たなければその恩恵を受けられないので、やはり行政デジタル化の推進はセットで、マイナンバーカードの普及促進が重要であることを求めております。そういう意味では、今回の健康ポイントもせたがやPayとの連動も、全てマイナンバーカード、マイナポイントの連動したものをつくりながら区民にメリットを伝えていくということが重要と考えますので、その視点から御答弁をお願いできればと思います。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 岡本議員の再質問にお答えします。  生活変容、その変容という言葉は、有無も言わさずこのコロナの中で我々は迫られてきている、もう既に変容して過ごさざるを得ない、こういう状況であります。そのピンチをチャンスに変えられないかということだと思います。  私たちはこの数年、グリーンインフラを基軸とした防災、とりわけ都市水害、これの防止と緑の拡充を同時に進めてきました。先日は気候非常事態宣言を出しましたが、世界を見渡してみると、世界各国で環境危機に対してグリーン・リカバリー、御質問にもありましたが、あるいはグリーン・ニューディールなど、大規模なプロジェクトが準備されようとしています。アメリカのバイデン次期大統領も再生可能エネルギーへの大きなシフトということもうたわれています。  この分野で三月十一日、間もなく東日本大震災から十年が訪れようとしていますけれども、この原発事故から学んだことは、電力の供給側、サプライサイドから一方的に構築された供給網、需要家、ユーザー、消費者が選ぶということは全くできなかった。こういう制度に対して、再生可能エネルギーを選択的に購入できないかということをここ五年ほど前から区では所管課を中心に営々と努力を重ねてまいりました。  そういう意味では、こうした再生可能エネルギーの選択的購入というのは、まさに一人一人の区民、消費者、需要家が選択できる社会ということだと思います。今御指摘があったように、環境配慮型リノベーション事業は、コロナ禍から立ち直る産業政策として大変可能性が大きいものというふうに考えています。例えば外断熱、あるいはサッシの二重化、こういったことを通してエネルギー効率をよくするという環境負荷の軽減と、冬の室内温を五度高くするとそれだけ健康面の疾患等が軽減されるというデータもございます。大変ニーズが高いもの、ある意味でその環境リカバリー、グリーン・ニューディール、こういったものを、大規模な事業だけではなくて、一人一人の住まいから転換をしていくと、こういうチャンスなんだろうと思います。  そして、この間、教育の場ではICT化が一挙に進行しました。ある意味、区役所全体よりも先に突破をしたと。これは取りも直さず、学校休業という中で保護者それぞれから、ネット配信一つどうしてできないんだろう、こういった声がほうはいと沸き起こってきたということから、ネット配信だけではなくてインタラクティブなツールの使用などもできるようになったと。  振り返ってみれば、ICTの分野では、日本は先進的な社会を構築していたはずなんですが、残念なことに、現在見てみると後発国にだんだんとなりかけているというのが実態です。地域行政制度の改革とDXの関係ですけれども、例えば地域住民のリアルタイムのニーズに対して、窓口で聞くと、あるいは対面して聞くことも大事ですけれども、そのICTの技術を使ってリアルタイムにこれを把握していく、地域のいわばコミュニティーを振興していく、そういう仕組みを構築するなどもこれから大いに可能になってくると思います。また、高齢者、スマホやタブレットがなかなか難しい方も含めて、ここを、その地域行政制度改革とDXを併せて、やはり過ごしやすい安心できる地域というのをさらにきめ細かくつくる、こういうチャンスでもあるというふうに考えておりますので、どんな困難なときにも、しっかりと可能性を区民に向けて全力で開いていきたいと思います。    〔岡田副区長登壇〕 ◎岡田 副区長 私からは、マイナンバーカードの普及に関して再質問にお答えいたします。  国は、国、地方を通じたデジタルガバメントの構築に向けた取組を早急に進め、特にマイナンバー制度の活用とマイナンバーカードの機能発揮を通じたさらなる普及を図るというふうにしておりまして、来年三月にはマイナンバーカードを健康保険証として機能させる計画が進み、また、運転免許証への利用など様々な利活用の検討が進められておりまして、マイナンバーカードの普及促進が加速するというふうに考えております。  議員御指摘のとおり、マイナンバーカードの区民保有率を上げるためには、カードを保有するメリットを区民の皆様に伝えることが重要であり、様々な機会を利用して周知する必要があると認識しております。せたがやPayをはじめ、二つの御提案をいただきましたが、所管部長から御答弁申し上げたとおり、お話しの世田谷版マイナポータルに関しまして、国の動向を注視しながら、区民サービスの利便性向上の観点を踏まえて検討を進めてまいります。  以上です。 ◎知久 子ども・若者部長 再質問にお答えいたします。  議員御指摘のとおり、土日、夜間、休日に相談窓口を設置することで、これまで相談につながっていなかった方が相談できるという効果が期待されると認識しております。一方、ひとり親に関わる相談は、経済的なことや子どもの育ち、御自身の就労に関することなど多岐にわたり、離婚の前後においても相談が異なってくるなどの高い専門性が求められ、加えて、機関とも連携して取り組んでいくことも必要であり、職員配置も含めまして、土日、夜間、休日の相談窓口を設置することには課題も多くあるものと認識しております。  養育相談会のほか、土曜日に行っているひとり親向けの就労支援講座においても支援に関する情報提供を行うなど、ひとり親にとって負担にならず、安心して相談できる環境づくりに向けて、できるところから取り組んでまいりたいと考えております。  以上です。 ◆四十二番(岡本のぶ子 議員) 再答弁いただきました。  区長におかれましては、先ほど熱く語っていただいたそのビジョンが実現するためには、財政再建がまず第一でございますので、財政再建にしっかりと取り組む道筋を今度は議会側に示していただきながら、共に乗り越えてまいりたいと思います。
     以上で公明党の代表質問を終わります。 ○和田ひでとし 議長 以上で岡本のぶ子議員の質問は終わりました。  これで、各会派の代表質問は終了いたしました。  ここでしばらく休憩いたします。     午前十一時十二分休憩    ──────────────────     午前十一時二十五分開議 ○和田ひでとし 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長  △日程第二を上程いたします。  〔井上次長朗読〕  日程第二 一般質問 ○和田ひでとし 議長 一般質問についての発言時間は一人十分以内といたします。  質問通告に基づき、順次発言を許します。  三十九番真鍋よしゆき議員。    〔三十九番真鍋よしゆき議員登壇〕(拍手) ◆三十九番(真鍋よしゆき 議員) 区政に心配している何点かについてお尋ねをいたします。  まず、区財政についてです。  区長の招集挨拶が昨日ありましたけれども、複数年にわたる厳しい歳入見通しに対応する必要から、令和三年度予算編成を進めています。中略。各部における見積りを一次集計した結果、今年度の当初予算から歳出削減等により四十四億円の一般財源を確保し、さらに追加見直しによって二十七億円、合わせて七十一億円を捻出しているところです。特別区税や特別区交付金など歳入の大幅な落ち込みと感染症対策など新たな経費負担に対応するには、まだまだ道半ばと言わざるを得ません。こういう招集挨拶でございました。  昨日の我が会派の代表質問におきましては、両副区長名で各部長に宛てられた依命通達では、前年度比一〇%の事務費削減が打ち出されました。しかしながら、先月上旬に締め切られた来年度予算の見積状況は、聞くところによれば予算フレームに対し二百億円以上も超過し、事務方トップのガバナンスがまるで利いていない実情が明らかになりましたという指摘がありました。  この質問に対して宮崎副区長からは、令和三年度予算編成に取り組むに当たり、全庁を挙げて事業の本質的な見直しを進め、七十億円を超える見直しの効果額を積み上げているところです。一方で、感染防止対策などの経費は大きく膨らみ、財政見通しも明らかでない中、予算編成はなお道半ばの状況でございます。  ということは、依命通達を出しても、結局はまだ七十億円を見直しただけであって、二百億の超過分を引きますと百三十億円まだ見直しが必要だということで、区長も副区長も道半ばと言われておりますが、これはまだ三合目あたりじゃないかというふうな気がしております。このような状況で予算編成は本当に大丈夫なのか、心配をしております。  また、区長も招集挨拶で述べられておりますけれども、令和四年以降の歳出減と、なおそれ以降の年の予算も厳しい状況になると思いますが、このことも含めまして来年度の予算編成、それ以降の予算編成、どのようなお考えで区は対応していくのか、まずお尋ねをいたします。  いずれにしても、より一層の事業見直しが求められる中、少なからず区民に影響を及ぼすことになります。区民の理解、協力を求めるためにも、例えば私はボキャブラリーがありませんのでなかなか、区財政非常事態を宣言するなど、区が発信して区民の理解と協力を得ることが必要だと思いますけれども、区のお考えはいかがなのかお尋ねをいたします。  次に心配しているのが本庁舎整備についてでございます。  一旦見送られたものの、今年九月上旬に入札公告が行われ、来年二月上旬には落札者が決定するスケジュールと伺っております。ですから、定例会において公で質問できるのは今回しかありませんので、質問をさせていただきます。  本庁舎整備は当初、プロポーザル方式で決定した時点では工期が約五年、六十か月とされていたものがその後六十四か月、そして七十五か月、六年と三か月に延びてきました。また、当初、ローリング方式により仮庁舎の必要はないとされていましたが、その後、旧玉川高校の跡地に仮庁舎を造ることになるなど、変更が次々なされてきました。二度あることは三度あるとも言われておりますけれども、総額四百八十五億円、工期七十五か月がコロナ禍の状況の中で人材の確保等々、事業費は増えないか、工期は延びないのか、大変心配をしております。区の見解を伺います。  この本工事を進めることが、先ほども言いましたとおり、区の財政状況は大変厳しいものでありますけれども、区民に理解と協力をしてもらうことの妨げにならないのか、私は心配をしております。併せて区の見解を伺います。  次に、世田谷区政に心配するまちづくりについてお尋ねをいたします。  通学路の拡幅を行うべく地権者の合意をもらい、整備する予定がありましたけれども、地権者が残念ながらお亡くなりになり、御家族の同意を得られず、暗礁に乗り上げている事業があります。この間、この説明等に当たった総合支所長は二人替わっており、街づくり課長も二人替わりました。いずれにしても、このような形で担当理事者の交代というものが、それだけとも一概には言えませんけれども、事業を遅らせているんじゃないかという事例がこれ以外にも見当たります。  昨日、我が会派の代表質問の中でも、あまりにもそれぞれ、地域分権と言いながら、地方自治と言いながら、ローテーションが早過ぎて本当に仕事は大丈夫かという話もありましたけれども、一言で言えば、担当理事者が短期間で異動し、逆に事業が長期化している、こういうケースが見受けられます。できればワンプロジェクト、ワンチームで、またそれに近いやり方で臨まなければ、結局時間もかかりますし、経費も無駄になっていきます。この点につきまして、区のお考えをお尋ねしたいと思います。  次に、まちづくりについて同じく心配していることは、まちづくりのために先行取得した土地が暫定利用されたまま目的の事業に活用されていない、こういう例が世田谷区の中で見受けられます。これはもう本末転倒じゃないかと私は思っております。  そこで、具体的な質問をさせていただきますけれども、京王線千歳烏山駅南の元国有地、これは平成十八年に連続立体事業のために国から買収されたものでありますけれども、今は暫定利用をされております。このことにつきましては、前のこの本会議におきまして、そのような目的で買われているという経過は答弁でいただきました。今日求めたいのは、やはり平成二十六年に事業認可がなされ、いよいよまちづくりの佳境に入っているわけでありまして、もうあと数年しか残っていない開かずの踏切の解消に向けて、世田谷区も一地権者としてこのために取得した土地を活用すべきであると思います。  これまで、先ほども言いましたとおり、こういう過去の話を皆さんがしっかり把握されていたかどうか疑問に思う点もありましたが、公の場所でそれを認められているわけですから、今ここで、今日この場所でこれは、この土地は連続交差事業のために活用するものであるということをこの公の場で明言をしてもらいたいと思います。そのことをお尋ねをいたしまして、壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔宮崎副区長登壇〕 ◎宮崎 副区長 私からは、財政の関係につきまして二点御答弁申し上げます。  最初に、事業の一部見直し、縮小などで本当に予算が組めるのかというお尋ねでございます。  本年八月にお示ししました令和三年度の予算フレームでは、特別区税で百六十億円、特別区交付金で百二十六億円、合わせて二百八十六億円の減収としておりますけれども、特別区税は令和四年度、さらに減収となる見込みでして、今後数年にわたりまして、コロナ前の水準には回復しない見通しでございます。このため、当面、非常に厳しい財政状況となることを前提とした予算編成に取り組む必要がございます。  世田谷区政策方針でお示したとおり、感染拡大防止対策と区民生活支援、区内経済の維持の両立を図らなければならない大変難しく厳しい状況の中におきまして、各部におきまして、施策事業の本質的な見直しや事業手法の転換によりまして、必要な財源の確保に努めているところでございます。一方、事業見直し等によります削減とともに、学校の耐震改修などの安全安心に資する工事経費や扶助費をはじめとする社会保障関連経費などは、財源の見込みが厳しいながらも必要な予算を確保していかなければならない状況にあります。  そういう中でのコロナ対策をはじめとした様々な事業執行におきましては、国や東京都の財源を最大限に活用していく必要がございます。今後、国や都の施策の動向に合わせまして、臨機応変に対応できるよう、そもそも本来、当初予算というのは本格予算という形のもので議会、区民に御提示する必要がございますが、今般の部分におきましては、まだその状況を含めてがなかなか見えていない中での予算組みになりますので、そういう意味での臨機応変に対応できる、また、今年度予算と連動しました複数年を見据えた予算編成、これを進めてまいりたいと考えております。  続きまして、この厳しい財政状況に対して、区民にどのように説明していくのかということでございますが、コロナ禍の厳しい区財政を前提といたしまして、全庁で事業の見直しを進めております。コロナ禍におけます区民生活や事業活動の維持活性化を基本に置きつつ、各事業の継続の可否、必要性、優先性、コストと効果のバランスなどの観点から、一つ一つ検討を重ねております。さきの各常任委員会におきまして、途中経過として七十一億円の見直し効果を報告いたしましたが、さらに財政規模の縮減に向けた事業見直しを重ねていく必要がございます。  区民生活への影響を見極めながら、事業の一時休止や内容手法の転換なども含めまして、来年度予算に向けた取組を強化するとともに、経済の回復には時間がかかることを念頭に、継続して見直しを続けることが重要であると認識しております。今後、事業見直しの内容と併せまして、見直し判断に至りますコロナ禍の厳しい区財政を丁寧にお示ししながら、区民の御理解が得られるよう努めてまいります。  以上でございます。 ◎松村 庁舎整備担当部長 私からは、本庁舎等整備の問題について二点お答えをいたします。  まず、事業費が増え、工期も延びるとの指摘についてです。  本庁舎等整備につきましては、最新の単価で積算した予定価格によりまして、本年九月七日に施工者選定のための入札公告を行い、来年二月の開札に向けて現在手続を進めております。  工期につきましては、政府の建設業における働き方改革を見据え、昨年度、全工期を六十四か月から七十五か月へ変更したところでございます。また、本工事は非常に難易度の高い工事であるため、入札に当たりましては、価格面での競争はもとより、本工事の特性に応じた技術提案を求める技術提案型総合評価方式としており、評価項目の一つに、社会情勢の変化や施工におけるリスクを考慮した工期遵守のための方策を設定しているところです。引き続き来年七月頃の着工に向けまして、最適の施工者の選定をしっかり進めてまいります。  なお、建設工事単価でございますが、輸入材の値上がりや原料高騰などを背景に鋼材類の値上がりが報じられる一方、社会的には新型コロナウイルス感染症拡大の影響で受注競争が激しくなっているという見方もございます。この半年間の建設工事単価を見ますと、横ばいの傾向にありますけれども、本工事の工期中において、労務単価の見直しなどを含め、大きく変動が生じた場合には、国等の動向を注視しながら必要な対応をしてまいります。  次に、本工事が厳しい財政状況を区民に理解してもらうことの妨げにならないかという点についてです。  本庁舎等整備につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う区の緊急対策に基づき、一旦、令和二年五月以降の施工者選定に関する手続は保留をいたしました。しかしながら、今後の厳しい財政見通しにおきましても、感染症対策を含め、本庁舎等の災害対策機能の強化は喫緊の課題であることから、本庁舎等整備にかかる事業費の縮減と財源の見直しを行い、本体工事費約四百二十二億円につきましては、この間、計画的に積み立ててきた庁舎等建設等基金と特別区債で全額賄うことにより各年度の税収で負担する経費を最小限といたしました。  こうした見直しなどによりまして、今後の財政見通しを慎重に見極めた上で、庁舎建設が区民サービスに影響を与えることなく、区政運営を行っていける見通しを立て、また、事業規模の大きさから、コロナ禍における区内経済の波及効果も期待できることから、区が取り組むべき重要な課題として本庁舎等整備を進めることにいたしました。  こうした経緯につきましては、区民への周知を行ってきておりますけれども、引き続き、本庁舎等整備の必要性と意義について御理解いただけるように努めるとともに、関連事業費についても、さらなる縮減を目指して、各年度の事業費を精査しながら、区民の安全安心を支える拠点としての本庁舎等整備を進めてまいります。  以上です。 ◎田中 総務部長 私からは、ワンプロジェクト、ワンチームの体制について御答弁いたします。  幹部職員の人事異動につきましては、複雑多様化する区政課題に適切に対応できるよう、中長期的な視点を持ちながら、それぞれが培った知識や経験を生かすことができる適材適所の配置を行っております。その際は、事業執行や組織運営の面から、その能力を十分発揮できるよう、在職年数も考慮しているところですが、近年は多くの幹部職員が定年退職を迎えている状況もあることから、全庁的な組織体制の維持といった観点から、在職年数が短期間となる場合もございます。  事業の実施に当たっては、事業の継続性を担保した上で、スピード感を持って組織として取り組むことが重要です。人事異動に伴って事業の進捗が滞ることのないよう、職員間の引継ぎを徹底しながら、組織として一体的に対応できるよう、人員の配置に当たりましては、今後とも万全を期してまいります。  以上でございます。 ◎皆川 烏山総合支所長 私からは、千歳烏山駅南側の元国有地を連立事業のために活用せよとの御質問にお答えいたします。  千歳烏山駅周辺につきましては、連続立体交差事業を契機とした駅前交通広場、都市計画道路の事業化とともに町が大きく変わろうとしており、こうした機会を捉えて、将来を見据えたまちづくりを進めることは重要でございます。現在、千歳烏山駅前広場の南側街区では、共同化などの幅広い検討が進められており、駅前交通広場などの事業区域内で商業を営む方々の移転先の確保は、まちづくりにとっても大変重要な課題であると認識しております。  委員御指摘の千歳烏山駅南側の区有地は、千歳烏山駅周辺のまちづくりを目的として取得した土地であり、現在、子育て支援施設及び自転車等駐車場となっております。これらの施設は、駅直近で利便性が高く、特に自転車等駐車場は多くの方に利用されているため、現状の機能を継続する必要もございます。  区といたしましては、庁内の関係所管がより一層連携し、自転車等駐車場の在り方などの検討を進め、先行取得した土地の活用を視野に、様々な可能性を探りながら駅周辺まちづくりを推進してまいります。  以上でございます。 ◆三十九番(真鍋よしゆき 議員) まず、ワンプロジェクト、ワンチームの話ですけれども、どうしても答弁では、適材適所の配置を行っております、今後とも万全を期してまいりますという、こういう締めになるわけですけれども、そうじゃないから問題が起きているわけですよね。唯一言えることは、退職する方が多くなったんだというくだりがありましたけれども、そういうことも見据えてやっていくのが人事だと思うんです。ですから、そういう、今私が指摘したことで、非常に本当に地元も苦労している部分もあるんですよ。だから、どうぞ本当に地域行政制度とか条例をつくるなら、本当に地域のことを本当に掌握されて、きちんとした人事をやってもらいたいと要望しておきます。  それから、千歳烏山駅南側の区有地の活用のことについて、先行取得した土地の活用を視野にと言ってもらいましたので、ある意味、一歩進めて明言してもらったと私は捉えております。  平成二十六年に事業認可を受けてもう数年たって、もうあと三年とかとなっているんですね。工期が十年ですから。この間に、例えば駐輪場の問題にしても、小田急電鉄が、これは四線ですから、複々線の高架ですけれども、その高架下に駐輪場をつくっているという前例をみんな持っているわけですね。公共としては、この連続立体交差事業というのはもう本当に多くの補助金が使われている、いわゆる税金で成り立っているようなものですので、どうか施工事業者には遠慮はしないで、東京都とタッグを組んで、どこを活用できてどれぐらいのことができるんだ、こういうことを同時並行でシミュレーションしていくぐらいじゃなきゃならないと思うんですよ。それを指摘されて、やっと認めて、これからって、一体どうなるんだろうかって心配です。  今日、またスタートにぜひとも早く今後の町の、例えば駐輪場をどこにどうするか、しっかり何台確保するのかというのも、各縦割りじゃなくて、みんなで連携して進めていってもらいたいと思います。そうじゃなければ、なかなかこの駅周辺のまちづくりは進まないと危惧をしておりますので、どうぞ全力を挙げて取り組んでもらいたいと思います。  以上で質問を終わります。 ○和田ひでとし 議長 以上で真鍋よしゆき議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 次に、二番神尾りさ議員。    〔二番神尾りさ議員登壇〕(拍手) ◆二番(神尾りさ 議員) 通告に基づき、質問いたします。  新型コロナ禍で、我々の暮らしは一変しました。日本が感染症対策と社会経済活動との両立の道を模索し続ける一方で、世界を見渡すと、いまだ外出の自粛を余儀なくされている国も多く、国家間の行き来も困難な状況にあります。このような状況下においても、当区の国際理解や多文化・多様性推進のため、まずはアメリカ合衆国のホストタウン事業について伺います。  一点目に、日米友好の象徴である桜とハナミズキを活用した事業について伺います。  百年ほど前、エライザ・シドモアというアメリカ人がいました。一八八〇年代から度々日本を訪れた紀行作家で、後にナショナルジオグラフィック協会初の女性理事となる人です。彼女は日本で桜の美しさに心を打たれ、アメリカの首都、ワシントンDCのポトマック河畔に日本の桜を植えるために奔走しました。消極的な関係者を二十数年間にわたり説得し続け、東京の尾崎行雄市長からアメリカに日米友好の桜が贈られたのは、一九一二年のことです。  当時、日本で桜を輸出する責務を担ったのは、後に区内の深沢にある都立園芸高校の初代校長に就く熊谷八十三氏でした。そして、日本が桜を贈った三年後の一九一五年に、アメリカは返礼のハナミズキを日本に贈りました。その原木が今も園芸高校にあり、美しい花を咲かせています。  区内の街路樹では、ハナミズキが最も多く、二千九百七十四本あるそうです。ワシントンDCでは、桜の開花に合わせて全米桜祭りが開催されています。一方、二子玉川では、毎年、花みず木フェスティバルが開催され、ステージ上には日米の国旗が舞います。この桜とハナミズキを通した友好関係を日米の絆の象徴として大切にすべきであると考えます。桜とハナミズキを活用したホストタウン事業の実績と、より多くの区民に親しんでもらうための今後の取組について伺います。  二点目に、人的交流について伺います。  区では、これまで、国際交流やホストタウン事業を通して、様々な人的交流による学びの機会を創出してきました。新型コロナ禍で、今年度予定されていたオレゴン州ポートランド市との教育交流事業は中止となりましたが、私たちは今、テクノロジー等を活用し、多額の予算をかけなくても海外の人と交流できるすべを見いだしつつあります。オンラインを活用すれば、一か所のみならず、アメリカの様々な地域にいる人とつながることもできます。新型コロナ禍でも、区民や子どもたちが、アメリカの様々な魅力を知り、理解し、学び合える機会を提供するため、オンライン等を活用した事業の検討が必要であると考えますが、見解を伺います。  今般のアメリカ大統領選挙は、アメリカ国内を政治的にも社会的にも大きく分断させました。時代の転換期を迎える世界情勢において、日米が育んできた同盟の絆はますます重要視されることが予測されます。政治、経済がいかなる状況にあっても、日米間には、これまで七十年以上にわたって培われてきた交流の歴史があります。教育、文化、人的交流の枠にとどまらず、日本はアメリカから大きな影響を受けています。一方、アメリカでも、ハローキティから寿司、フランク・ロイド・ライトの建築からスティーブ・ジョブスの禅の思想に至るまで、様々な場面で日本が受け入れられてきました。日米間でこれほどまでに影響を与え合えるのは、お互いが全く異なる歴史や文化、価値観を持った国であり、学ぶことが数多くあるからではないでしょうか。  日本の各自治体と他国との間には、将棋とチェスをきっかけとした姉妹都市や環境交通を通じた友好関係などが築かれています。アメリカのホストタウンとしての友好関係の締結も見据え、まずは区民がアメリカ各地の地域性や文化の違いについて深く知り、学べる機会の創出が必要であると感じます。  英語には次のような表現があります。スタンド・イン・サムワン・エルスズ・シューズ。直訳は、他人の靴を履いてみるとなりますが、他人の立場に立って考えたり理解したりするという意味です。英語が必修化される中、世田谷の子どもたちには、言語習得のみならず、他国を理解し、尊重することを通して、よりよい社会を築くための力を育んでもらうことが大切です。  三点目に、ホストタウン事業の推進を通して区が描くビジョンと、それを実現するための取組について伺います。  次に、本年の第二回定例会でも提案したせたがや産業創造プラットフォームについて伺います。  新型コロナ禍で、区民の働き方が変わり、従来型の勤務体系から時差通勤やテレワーク等を取り入れた生活への変容が見られます。代表質問でも述べたとおり、それまでは都心に出勤していた方が、昼間の時間帯にも区内にいるということを区として認識し、区民が地元を身近に感じる機会が増えることを事業に生かすべきです。  多様な働き方、暮らし方をする人材を新たなリソースとして活用できるような仕組みの構築が必要であると考えます。そのためにも、人々の行動やライフスタイルの変化を的確に捉え、これまでの一堂に会する場を提供する手法に加え、オンラインツールなどの新たな手法の活用を検討すべきと考えますが、見解を伺います。  区内には、学生、会社員、フリーランスで働く方や主婦など、様々な場面で生活を営み、活躍する人材が数多くいます。個人が隙間時間を利用してつながり、情報交換し、知恵を出し合えるような仕組みがあれば、体の移動を伴わなくても課題を共有し、解決することが可能な時代です。SNSを巧みに活用し、人、物、事をつなげることができるプラットフォームを早急に構築すべきであると考えますが、見解を伺います。  最後に、都市再生整備計画に基づく官民連携のまちづくりの推進について伺います。  二〇〇二年に都市再生特別措置法が施行されてから、これまで区では、成城学園前駅や東北沢・下北沢・世田谷代田駅の周辺地区において都市再生整備計画が策定されてきました。これらはいずれも、まちづくり交付金を活用した施設整備が中心でした。二〇一一年に道路占用許可の特例等制度が創設され、本計画に交付事業のみならず、官民連携まちづくりの取組も記載できるようになりました。そして、このたび、都市再生推進法人に指定された二子玉川エリアマネジメンツが都市再生整備計画の素案を区に提案し、民間主導による本計画が区内で初めて策定されました。  今般の流れを受け、まずは区として、交付金活用が主であった本計画に官民連携まちづくりが記載できるようになったことをどのように捉えているのか伺います。  今回の都市再生整備計画策定により、二子玉川地区は、回遊性、にぎわいと自然環境の調和、魅力向上などの大きな理念、町、都市公園、河川敷が一体となった取組や、防災、環境保全意識の向上などを具体的な目標に掲げ、今後のまちづくりに取り組むことになります。キッチンカーやアウトドアオフィス等、地域や訪れる人のニーズを捉え、こういう町に住みたいという思いを形にすることも進めやすくなるのではないかと予測されます。  二子玉川エリアマネジメンツの取組は、街づくり課が支援していると聞いています。今後も区内の様々な地域で、このような自発的なまちづくりが推進されるよう、庁内におけるサポート体制づくりと、今後、法人になり得る団体への周知が必要であると考えますが、見解を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎小澤 交流推進担当部長 私からは、アメリカホストタウンとしての事業展開について、三点順次お答えいたします。  まず、桜とハナミズキを活用したホストタウン事業の実績と今後の取組についてです。  ワシントンDCで開催される全米桜祭りに象徴されるように、桜とハナミズキは、日本とアメリカ合衆国の友好関係を育み、日米双方の文化を知る象徴としてきました。ホストタウンロゴには桜の花をデザインし、昨年のたまがわ花火大会では、ホストタウンロゴの花火が打ち上げられました。また、今年の三月にはポトマック河畔の桜をデザインしたホストタウンデザイン切手を作成し、区内の郵便局で販売するなど、様々な機会を捉えてホストタウンの周知に努めています。  一方、ハナミズキにつきましては、都立園芸高校から原木由来の苗木の寄贈を受け、関係所管部と連携し、大蔵運動場公園や二子玉川小をはじめとして、区立小五校に植樹をしており、日々、区民や子どもたちの目に触れております。また、お話にありました花みず木フェスティバルの開催など、桜とハナミズキは世田谷区に大変ゆかりのある存在です。コロナ禍でイベントは縮小傾向ですが、桜とハナミズキには古くからの背景があることを区民が自然と理解できるよう努めてまいります。  また、ホストタウンロゴが多くの区民の目に留まるよう、広報誌やSNSでの情報発信のほか、世田谷おもてなし・交流・参加実行委員会や区立事業者、スポーツ団体等と協力して、アメリカ合衆国のホストタウンの理解の促進に取り組んでまいります。  次に、オンラインを活用した事業についてです。
     新型コロナウイルス感染症の収束が見えない状況においてイベントを実施するには、感染予防の徹底的な対策が必要なため、オンラインの活用は有効的な事業手法であると考えております。また、オンラインによる事業への参加は、感染予防対策だけではなく、移動時間の節約や多くの区民参加、また、アメリカ合衆国のホストタウンである川場村など、他自治体の住民の参加、さらには他自治体主催のオンラインイベントに区民が参加するなど、メリットも想定されます。  オンラインの活用における利点を生かし、アメリカ本土にいるスポーツ選手や文化人とのリアルタイムでの交流イベントなど、時間や距離の壁を越えた企画も可能となるため、オンラインを活用したイベントの実施について創意工夫し、実施してまいります。  最後に、ホストタウン事業としてのビジョンと実現するための取組についてです。  区は、アメリカ合衆国のホストタウン、共生社会ホストタウンとして、国籍や性別、障害の有無などの違いにかかわらず、多様性を重視し、尊重し、お互いを支えあう共生の町世田谷の実現に向け、区民一人一人が理解することが重要であると考えております。  コロナ禍においても交流が続けられるよう、関係機関と連携し、本年五月に開催を予定していた世田谷スーパーパレード二〇二〇参加予定団体によるメッセージ動画を配信するとともに、オンラインコンサートや共生社会ホストタウンサミット等の準備を進めているところです。  東京二〇二〇大会以降もスポーツや文化等を通じた交流が継続するよう、ホストタウン自治体との交流を視野に入れながら、内閣官房やアメリカ大使館と連携して、区内の学校訪問やスポーツ文化イベントを実施し、自らの体験や学びを通して、子どもたちをはじめとした区民の多文化共生、国際理解につなげてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎田中 経済産業部長 私からは、プラットフォーム関連に二点答弁いたします。  まず、オンラインツールについてです。  御指摘のとおり、コロナの影響により様々な方が日中区内で過ごすことが増えています。加えて、近年の副業解禁の流れから、自身のスキルを地域で生かしたいという声が出てきております。オンライン会議、オンラインセミナーなどのICTを活用した様々な情報交換や学びの手法が一般化してきました。  都心で集まるなどリアルの場での活動が制限され、地域で活動している人材が数多くいる現在の状況を好機と捉え、せたがや産業創造プラットフォームでのオンラインやSNSを活用した新たな交流活性化の取組を行うことは重要であると認識しております。  次に、新たな仕組みについてです。  現在、様々な人々が気軽に参加できるよう、LINEなどのSNSによる登録などを活用してプロジェクト参加ができる仕組みを構築しています。具体的には、スラックというアプリを活用して、プラットフォーム上での事業者間の連携による新たな商品開発に向けたアイデアの共有や交換、創業経験者とのコミュニケーションによる創業、起業の増加、地域の困難な課題を解決する新たなビジネスの創出など、オンライン上でコミュニケーションやプロジェクト参加ができるような取組を展開してまいります。  顔と顔を合わせ、リアルのつながりを深くする取組も織り交ぜながら、SNSやオンラインツールを活用したプラットフォームの取組を加速させてまいります。  私からは以上です。 ◎畝目 都市整備政策部長 私からは、都市再生整備計画に関して二点の御答弁です。  初めに、官民連携のまちづくりに関してです。  都市再生整備計画につきましては、公共公益施設の重点的な整備に限らず、民間等におけるまちづくり活動、いわゆる官民連携まちづくりについて、取組等を記載することにより、本計画に基づき各種特例制度が活用可能となり、継続的かつ一体的に町の魅力を高める取組を推進することができます。  区では、昭和五十七年に街づくり条例を制定し、参加と協働のまちづくりを推進してきておりまして、都市整備方針に掲げるまちづくりを実現するための方策として、広域生活・文化拠点などにおいては、区民、事業者等が道路や公園などの公共施設も含めた町の維持管理、運営等についても担う総合的なまちづくりに取り組むとしてございます。  近年、持続可能な都市経営が求められる中で、こうした官民連携のまちづくりは国の方針において重要視されてきており、区としても、このことを踏まえながら、地域住民の理解の下、積極的に官民連携のまちづくりに関する制度を活用し、公共施設の利活用、新たな地域の魅力創出を図りたいと考えてございます。  次に、庁内サポート体制と周知についてです。  官民連携まちづくりは、公共施設整備や民間開発のみならず、商業や産業、地域振興等、様々な分野から派生し、つながり、相乗効果により展開されるものと捉えてございます。都市再生推進法人等による活動は、地域の持続的なまちづくりにつながることから、まちづくり活動団体の活動内容に応じまして、関連する所管課と総合支所が柔軟に連携し、支援していくこととしてございます。  また、都市再生整備計画作成に当たりましては、都市整備方針等で掲げる将来都市像の実現に向け、まちづくり活動団体が取組可能となる道路や公園など、公共施設の占用特例等を位置づけることから、国道や都道、区道、公園や河川の管理者との協議も必要となり、総合支所街づくり課をはじめ、都市整備領域各課が連携し、協力する必要があることを共有しているところでございます。  議員お話しの団体への周知につきましては、本制度の活用により、さらなる官民連携まちづくりの展開が期待できる活動団体や、これを目指している団体等に対しまして、適切なタイミングで都市再生整備計画など、まちづくり制度の情報やノウハウを提供し、助言するなど、伴走サポートして共に進めてまいります。  以上でございます。 ◆二番(神尾りさ 議員) 御答弁を受けて再質問いたします。  まず、ホストタウン事業につきまして、担当所管部より、アメリカからのハナミズキの原木由来の苗木を区立小学校に植樹した例を挙げられました。それを受けて、実際の教育現場のほうでハナミズキの活用について現在の取組状況があれば伺います。  また、今後、桜とハナミズキの交流の歴史について、より多くの子どもたちに伝えるためにどのような手法が考えられるか伺います。  次に、都市再生整備計画につきまして、関連する所管と総合支所とが連携し支援していくと御答弁いただきました。こうした取組というのは一朝一夕にできるものではありません。地域の活動団体と接する機会の多い地域振興課や街づくり課など、現場はアンテナを張って、見込みのある団体への啓発や助言などに努める必要があると思います。そのためには、総合支所の意識の在り方というのも大変重要であると感じています。総合支所の見解を伺います。 ◎池田 教育政策部長 私からは、桜とハナミズキに関する再質問にお答えいたします。  ハナミズキにまつわる日米交流の歴史を子どもたちが知ることは、そのハナミズキを大切に守る地域に暮らすことへの愛着や誇りにもつながるものと考えております。ハナミズキの花が咲く春先に合わせ、ハナミズキと日米交流の歴史を校長が朝礼で子どもたちに伝えるということが計画されておりましたが、今年は感染症による長期休業により見送りになってしまったと聞いております。  桜とハナミズキにまつわる物語を紹介している絵本の読み聞かせなどを通じまして、その歴史や取組が子どもたちに広く引き継がれるよう取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎志賀 世田谷総合支所長 私からは、都市再生整備計画における総合支所の意識の在り方について再質問にお答えいたします。  お話にありました二子玉川地区のまちづくりにおきましては、町の魅力を継続的、一体的に高める取組として、二子玉川エリアマネジメンツが都市再生整備計画を提案し、先般、区として策定したものでございます。総合支所といたしましても、地域の団体等が行うまちづくり活動の状況に応じて、都市再生整備計画等、様々なまちづくり制度の情報提供や助言などを行い、地域の魅力を高めるため、引き続き共にまちづくりを検討してまいる所存でございます。  以上です。 ◆二番(神尾りさ 議員) 以上で終わります。 ○和田ひでとし 議長 以上で神尾りさ議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 次に、十三番田中みち子議員。    〔十三番田中みち子議員登壇〕(拍手) ◆十三番(田中みち子 議員) 質問通告に従って順次質問してまいります。  まず初めに、外環道トンネル工事現場の真上で発生した陥没についてです。  調布市東つつじケ丘二丁目の住宅街で十月十八日に発生した道路の陥没は、周辺住民だけでなく、多くの沿線住民が衝撃を受けました。約二週間後の十一月三日には大きな空洞が確認され、さらに二十二日には、二か所目となる新たな空洞が確認されたとの報道が飛び込んできました。それぞれの空洞は、原因究明に向け現在進められているボーリング調査から確認されており、陥没地点の北側に長さ三十メートルほどのものと、陥没地点の南側に長さ二十七メートルほどのものとが陥没箇所を囲んで外環道の真上に二か所確認された格好です。これまで地下四十メートルの大深度を掘り続けるシールド工法は安全な工法だとされてきましたが、その根本を揺るがす事態が起こっています。  この間、区と議会はそれぞれ、国土交通省とNEXCO中日本・東日本の外環道事業者に対して、本線シールドトンネル工事における安全性の確認等についての要望書を提出していますが、いまだ区内の調査が始まる日程さえ公表されていません。区民からは、調布と同様のことが起こらないか不安だとの声が寄せられており、私も同様に強く懸念しています。  他会派の代表質問でもありましたが、事業者に対して原因究明調査の早期実施を求めることはもちろんですが、区としてできる調査の実施や、掘進工事が完了した区間の見回りの実施を定期的に確実に行うことも併せて求めておきます。  一方、今回の事故については、国土交通省や東日本高速道路などの外環事業者のホームページで情報を掲載していますが、なかなか必要な情報までたどり着けない、専門用語で分かりにくいといった声や、有識者会議で使用される資料も一部公開されないものもあるなどと聞いており、問題だらけです。事業者の情報提供の在り方について改善を求めていくべきと考えます。区の見解を伺います。  また、区民の不安を払拭するために住民説明会を設け、現状報告とともに、区民の意見を聞く場をできるだけ早期に開催することが必要です。少なくとも、外環道トンネル上部にお住まいの方を対象にした説明会は、一日も早く開催できるよう対応することが必要です。見解を伺います。  事業者は、万が一の際に備え、緊急時の対応としてトンネル工事の安全・安心確保の取組みという冊子を平成三十年七月に公表し、オープンハウスや説明会、掘進前には地域に配布しています。この冊子では、緊急時をトンネル内に掘削土以外の土砂等が大量に流入するときとしています。事故の原因が外環事業によるものかはまだ調査中ということは存じておりますが、トンネル工事現場付近で何かあった際には、直ちに対応するように、緊急時の考え方を見直しすることが地域の方々の安全安心確保の観点からも重要です。ぜひこのタイミングで、緊急時の考え方を含め、トンネル工事の安全・安心確保の取組みを抜本的に見直し、配布することを事業者に求めるべきと考えます。区の見解を伺います。  困難を抱えた子どもへの支援について聞きます。  世田谷区では、生活に困窮する家庭や生活保護世帯の小学一年生から高校三年生を対象に、学習と食事会などの生活支援を行う事業、せたがやゼミナールを社会福祉協議会に委託し、実施しています。学生ボランティアや地域の住民が担い手となり、困難を抱えた子どもたちを支えるもので、通称せたゼミです。  平成二十七年度、四か所で、生活支援課や子ども家庭課、スクールカウンセラーなどから紹介された子どもたち三十名でスタートしました。居場所は五地域六か所に増えましたが、残念なことに、実利用者数はあまり増えず、登録はしていても利用していない子どもがいることが気になります。今年度下半期から、利用していない子どもの保護者に連絡をして状況を確認し、必要があれば子ども家庭支援課に情報提供するということですが、改めて子どもに寄り添った丁寧な対応を求めておきます。また、今年度は、新型コロナ感染症の影響でストップしていた学習支援は七月以降、再開されましたが、食支援についてはいまだ実施されないままです。  その一方で、コロナ感染症拡大防止のため、四月から、小中学校では、突然の臨時休校で学校給食がストップした間、フードパントリーや子ども食堂などがひとり親家庭や多子世帯へお弁当などを配布したり、直接家庭へ届けるなど、子どもの食を支えていたことは第二回定例会の質問でも取り上げました。  こうした子ども食堂とせたゼミを連携させ、地域で困難を抱える子どもの食を支える体制ができないでしょうか。子ども食堂に対する区の評価も併せて答弁を求めます。  子ども食堂は、虐待のおそれや困難を抱える子どもたちのセーフティーネットとして大変重要な役割を担っており、地域の子ども・子育て支援の中でその認識が共有されるべきと考えます。社会福祉協議会による子ども食堂のネットワークづくりや、利用者支援事業における地域支援コーディネーターとの連携などに取り組んでいるものの、支援の輪がつながっていません。  地域における子ども食堂の役割を明確に位置づけ、地域支援の一つであることを明らかにする必要があります。そのためには、要保護児童支援協議会への参画を求めるべきではないでしょうか。要保護児童支援協議会の設置趣旨にはこう明記されています。虐待を受けている子どもをはじめとする支援対象児童等においては、早期発見、早期対応が必要です。適切な問題解決に向けては、関係機関等がそれぞれの機関の機能や特性を理解し、役割分担を行い、共通の視点で連携してネットワークを組み、支援、対応していくことが重要です。  この設置趣旨からしても、地域の子どもたちの第三の居場所である子ども食堂の要保護児童支援協議会や代表者会議等への参画は当然のことと考えます。区の見解を伺います。  最後に、生活保護のしおりについてです。  生活困窮対策の一つに住居確保給付金があります。昨年度の申請実績は百七件でしたが、今年の四月から十月までの申請者数だけで約六千件にも上りました。住居確保給付金は三か月ごとの延長が可能で、申請者の六から七割は延長申請をしており、十月末の再延長件数は約千五百件です。この給付金は最長九か月までです。五月に申請をした方は、来年一月には給付が切れてしまいます。長期化するコロナの影響で、どう頑張っても生活が成り立たなくなってしまう方が増えることは容易に想定をされ、経済的な理由で自死の道を選んでしまうといったことが起こらないよう、丁寧な相談体制が求められます。  様々な理由で生活が成り立たなくなってしまったときには生活保護の制度を利用することは、憲法で保障された基本的人権の一つです。しかし、生活状況や資産状況、御親族との交流状況などプライベートな確認部分が多く、相談のハードルが高いと聞いています。こうした事項を確認した上で初めて申請が受理されるのであれば、行政はまず、気軽に相談してほしいという姿勢を示す必要があるのではないでしょうか。  世田谷区には、生活保護の制度の説明が書かれた生活保護のしおりがあります。しかし、このしおりは、申請時に説明するための冊子としており、非公開です。ホームページ上で公開する自治体もある中で、世田谷区の姿勢には問題があります。現状の申請ありきからまず相談へと導けるよう、しおりの内容も見直して、ホームページ上で公開するだけでなく、相談窓口にも設置すべきと考えます。見解を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎澁田 保健福祉政策部長 私からは、三点についてお答えいたします。  せたがやゼミナールと子ども食堂との連携についてでございます。  せたがやゼミナールは新型コロナウイルス感染症予防のため一定期間休止をしておりましたが、七月二十一日以降、時間を短縮し、頻繁な換気や消毒、マスク着用等の対策を行った上で順次再開をしてきております。再開以降、参加者は徐々に増えてきておりますが、感染防止のため参加を控えている御家庭もございまして、十月の実利用者は五か所で計三十一名と、例年に比べると少ない状況でございます。また、感染予防の観点から、食事を通じた学びの機会である月一回程度の食育も中止をしております。  ゼミに登録しているものの参加していない子どもの保護者には、ぷらっとホーム世田谷から定期的に連絡をして状況を確認しておりまして、より支援が必要と思われる場合には、総合支所子ども家庭支援課や生活支援課に情報提供することとしております。こうした中、子どもが十分に食事を取ることが難しい状況であることが判明した場合には、地域の子ども食堂の情報提供を行ったり、フードバンクの利用を勧めております。  今後、せたがやゼミナールと同じ地域で活動している子ども食堂に協力を働きかけて、食を通じた地域のつながりを促進し、子どもが孤立しないよう努めてまいります。  二点目でございます。子ども食堂の評価についてでございます。  世田谷区内の子ども食堂の数は、平成二十九年度に世田谷区社会福祉協議会による運営助成金交付団体数が十八団体であったところ、令和二年度の交付団体数は三十六団体と、増加をしております。活動頻度の内訳といたしまして、月一回程度が十三団体、月二回程度が十八団体、その他五団体となっております。  子ども食堂は、区民の方々の自発的な取組であることから、それぞれ個性的で多様な場づくりがされており、子どもたちにとって食を通じて地域の同世代や多世代等の様々な方々と交流ができる貴重な居場所になっていると評価をしております。また、今般のコロナの影響で学校が休業した際、感染防止対策を徹底した上で活動を継続した子ども食堂もございました。今後、この活動が地域に定着し、必要なときに行ける居場所となるよう支援をしてまいります。  三点目、生活保護のしおりについてお答えいたします。  生活保護のしおりは、保護の申請から決定に至るまでの簡単な流れや、生活保護制度の具体的な内容についてまとめた冊子でございまして、これまで各保健福祉センター生活支援課の窓口におきまして、生活保護の相談に来られた方や、これから生活保護を受ける方に対しまして、職員から補足説明をした上で直接御本人に配付をしておりました。  新型コロナの影響から生活にお困りの方が増えている状況を踏まえまして、今後、生活保護のしおりの取扱いにつきましては、区のホームページへ公開するとともに、生活支援課窓口での配架について対応をしてまいります。  また、しおりの内容につきましては、生活保護制度が変更されることに伴って、毎年内容の更新をしております。今後、更新をする際には、区民にとってより分かりやすい内容となるよう工夫をしてまいります。  以上でございます。 ◎知久 子ども・若者部長 私からは、子ども食堂の要保護児童支援協議会等への参加についてお答えいたします。  子ども食堂は、子どもの孤食や欠食を減らすための支援にとどまらず、地域に開かれたコミュニティーの場として、子どもの見守りや支援を必要とする家庭を把握しやすい立場にあると認識しております。区では、こうした子ども食堂にも、必要に応じて協議会へ参画していただき、その御協力の下、他の地域の関係機関とも連携しながら、よりきめ細やかな子どもや家庭の支援に取り組んでいきたいと考えております。  また、議員お話にございました要保護児童支援協議会の地域協議会代表者会議ですが、地域の主な参画団体の代表者に御出席いただき、地域における要保護児童等の支援の課題の検討を行い、課題解決に向けた関係機関の連携協力体制の確保を図っているところでございます。この代表者会議に、協議会に参画する子ども食堂などの地域で活動されている皆様にも広く御出席いただくことで、地域の情報共有と関係機関同士の交流の契機となることが期待されることから、まずは代表者会議への各協議会参画団体等のオブザーバー参加など、柔軟な運営に向けて見直しに取り組んでまいります。  私からは以上です。 ◎田中 道路・交通計画部長 私からは、外環道工事に関して三点御答弁申し上げます。  初めに、外環事業者の情報提供と説明会の二点についてお答えします。  調布市内で発生した陥没事象等の情報については、NEXCO東日本や外環事業を紹介している東京外環プロジェクトのホームページに掲載するとともに、メールアドレスを登録された方にお知らせを送信するなどして、広く情報提供を行った経緯がございます。しかしながら、パソコンや携帯電話等をふだんあまり利用していない方々にとって、情報を得ることは難しく、また、公表された資料については、有識者委員会で使用された資料であることから、専門用語も多く、一般の方にとっては分かりづらい部分があることを区も認識しております。  今後の情報提供の在り方や資料については、工夫を凝らし、可能な改善を図るとともに、区民からの問合せや資料の提供の要望についても、分かりやすい説明と丁寧な対応に努めるよう、外環事業者に要請してまいります。  また、説明会等につきましては、事象発生の原因や工事との因果関係が明らかになり次第、その結果を区民へ周知するよう、区長から事業者に要請書を手交したところですが、説明会の開催についても併せて要請しておりますので、今後の実施状況等を確認してまいります。  次に、緊急時の見直しについてお答えします。  このたびの地表面の陥没事象等は、外環道の本線トンネル工事現場付近で発生したことから、工事との因果関係を含め、原因究明の調査を事業者が行っております。区内では既に本線トンネルの掘進が完了しており、今回の陥没箇所以外で同じような事象はこれまで発生しておりませんが、今後、様々な事態を想定し工事を進めることが区民の安全安心のためにも必要であると区は考えております。  議員お話しの事業者が作成したトンネル工事の安全・安心確保の取組みにおける万が一に備えた緊急時の対応につきましては、今回発生した事象等も緊急時の定義として捉え、見直しを検討するよう事業者に要望したところですが、改めて働きかけてまいります。  以上です。 ◆十三番(田中みち子 議員) それぞれ区民の命に関わる喫緊の課題だと思っておりますので、ぜひしっかり取り組んでいただきたいと要望いたします。  以上で質問を終わります。 ○和田ひでとし 議長 以上で田中みち子議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後零時二十六分休憩    ──────────────────     午後一時十五分開議 ○和田ひでとし 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 一般質問を続けます。  十六番阿久津皇議員。    〔十六番阿久津皇議員登壇〕(拍手)
    ◆十六番(阿久津皇 議員) 内閣府が十六日に発表した七―九月期の実質GDP成長率は、前期比で五・〇%、年率換算で二一・四%の増でありました。定額給付金やGo Toトラベルの効果も、戦後最大の落ち込みであった前期の下落を補うには及ばず、コロナ前の水準は遠い状況にあります。また、警察庁の集計によると、十月の自殺者数は暫定値で二千百五十八人となり、前年同月比で四〇%、数にして六百十九人の増となりました。厚生労働省は、新型コロナウイルス感染拡大の影響などと分析しており、十月のコロナウイルスによる死者数百九十五名の実に三倍以上の数となっています。  感染対策には万全を期しながら、経済活動を支える施策を充実させ、区民が、そして国民が将来に明るい展望を描ける社会を構築しなくてはいけないという、そういった観点から順次質問してまいります。  国民に夢を与える最大のイベントとして、来年開催されるオリンピック・パラリンピックの東京大会が挙げられます。先日、国際オリンピック委員会のバッハ会長が来日され、菅総理大臣との会談では、来年の東京大会を必ず実現し、安全安心な大会に向けて緊密に協力していくことで一致しました。来年開催される東京大会は、人類がウイルスに打ちかった証として、また、東日本大震災から復興しつつある姿を世界に発信する場として、世界中に明るい未来を提示する場であり、その成功に向けて、区としても全力でバックアップする必要があります。  あらゆる機会を捉えて、区民の目に見える形で前向きな機運醸成が必要と考えますが、区の意気込みを伺います。  加えて、おもてなしイベントや開催期間中の行事について、感染対策に留意しながら、区民が一丸となって着実に準備を進める必要があると考えます。見解を伺います。  次に、創業支援について伺います。  コロナ禍において国の経済が大幅に落ち込む中、十月一日現在の大学生の就職内定率は、前年同期比で七・〇ポイント減の六九・八%となり、五年ぶりの低水準であるということです。文部科学省は、新型コロナウイルスの流行で採用を抑制、中止する動きが広がったことが要因と分析をしています。区内産業を活性化し、雇用を改善する上でも、区独自の創業支援策は大変重要であり、若い人たちが新しい事業にチャレンジする環境を構築することが必要です。  しかしながら、現在区の行っている創業支援事業は、ものづくり学校の創業支援ブースにおける入居者が滞留し、新陳代謝や相乗効果が見えず、新たな起業者や産業の育成、地域への波及効果といった観点から、物足りないと言わざるを得ません。来年度に行われる今後の事業者選定においては、感染症対策や新しい生活様式への対応、デジタルトランスフォーメーションに対応した新たな価値の創造と、さらに付加価値の増大といった観点から、今までとは違う全く新しい取組が必要と考えます。また、子育て支援、介護、障害者支援といった、地域に根差し、新しい公共を担う社会事業の推進に加え、経営者の高齢化や後継者不足による事業継承への対応も必要です。  これらの社会的課題を解決する上でも、ものづくりにこだわることなく、民間の様々な人的な交流、新しい事業の創出を後押しする取組を進め、また、池尻中学校の跡地についても、これらの取組の実践の場として、地域に開かれ、人々が交流する場とすることが必要です。見解を伺います。  次に、少子化対策について伺います。  全国の自治体が一月から七月に受理した妊娠届は五十一万四千件と、前年同期比五%の減でした。特に五月以降の落ち込みが大きく、緊急事態宣言が発令された五月は一七・一%の減と、最大のマイナス幅となりました。コロナ禍における感染の拡大や経済の低迷によって妊娠行動を避けたり、不妊治療を延期したりしたためと見られており、今年は八十六万ショックと言われ、過去最低だった昨年の出生数、八十六万四千人を大きく下回ることが確実視されています。  晩婚化、晩産化が進むにつれて、来年以降、コロナ感染が収束してからも、出生数が大きく回復することは見込めません。少子化対策は、将来の社会を担う人口と需要を増大し、社会不安を払拭する上で最重要の課題と考えます。  少子化の原因は様々ありますが、最も大きな要因の一つは、出産育児にかかる経済的な不安です。平成二十八年度の国民健康保険中央会の調査によりますと、出産費用の東京都の平均額は六十二万一千八百十四円と、全国平均よりも十一万円以上高く、平成二十四年の五十八万円余りから三万五千円以上上昇しており、年々増加をしています。一方で、出産一時金は、平成二十一年から四十二万円で変わっておりません。区においては、子育て利用券や区内共通商品券などを活用して、独自にさらなる増額を検討すべきと考えます。見解を伺います。  また、少子化は、将来社会の支え手不足に直結し、あらゆる手段を検討して解消する必要があります。その手段の一つが、予期せぬ妊娠や、出産を望みつつ仕方なく中絶する女性に対する特別養子縁組の活用です。日本家族計画協会の二〇一六年の調査によると、中絶した一番の理由が、経済的な余裕がない、二四・三%であり、出産を望みつつ経済的な理由から中絶を選択するケースが多いという実態があります。妊娠中からこのような女性の相談に乗り、自分で育てるのが困難な場合に、養子縁組などをあっせんする体制が重要です。区では、出産を望みつつ育てられないような場合、どのようにして特別養子縁組へつなげていくのか伺います。  また、特別養子縁組については、その成立要件を緩和する改正法が本年四月一日に施行されました。背景には、深刻化する児童虐待問題があり、虐待によって死亡する子どもの年齢で一番多いのはゼロ歳で、全体の約半数を占めます。予期せぬ妊娠を誰にも相談できず、中絶できる時期も過ぎ、追い詰められた結果、自宅等で出産をし、遺棄などする、そういった悲しい結果に至るそういった事例が数多く報道されています。児童相談所が対応したゼロ歳児置き去りは、年間六十件以上とされています。  コロナ禍によって、予期せぬ妊娠についての相談件数が増加しているとのことです。堕胎や出産後の遺棄などにより失われている子どもの命や、孤立した母親を救うため、熊本市の病院で運用されている赤ちゃんポストのような制度を後押しすることも必要と考えますが、見解を伺います。  最後に、議員による区職員に対するハラスメントの防止について伺います。  地方議会におけるパワハラ、セクハラの事案は全国で数多く報道されており、特に議員から区職員に対するハラスメントに関しては、その特殊な人間関係から表出しにくいといったことが指摘されています。  本年六月一日に改正労働施策総合推進法、いわゆるパワハラ防止法が施行され、企業や自治体の事業主に対し、パワハラ防止のための措置を講じることが義務づけられました。区においても、既にパワハラ防止の仕組みは構築されていると思いますが、実際に議員からのハラスメントによって区職員が被害を受けた場合、どのように対応されるのか伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎内田 スポーツ推進部長 私からは、オリンピック・パラリンピックの機運醸成につきまして御答弁申し上げます。  東京二〇二〇大会における世田谷区の特色は、アメリカ選手団のキャンプが大蔵運動場で実施されることと、馬術競技が馬事公苑で開催されることであります。これまで特に子どもたちを対象に、夢を与える取組として、アメリカ選手によるスポーツ教室やレター交流をはじめ、JRA協力の下、馬!ふれあい出張事業などを実施してまいりました。御指摘の目に見える取組といたしましては、横断幕やカウントダウンボードの設置に加え、先日、聖火リレートーチを区役所で展示し、二日間で約二千五百名の方々に御覧いただいたところであります。  大会が一年延期され、新型コロナウイルスの終息が見通せない状況下にありますが、コロナ禍においても、感染症対策に万全を期し、区民の理解と共感を得ながら、機運醸成を図り、レガシーにつながる事業を実施することが重要であると考えております。  今後の取組といたしまして、世田谷にゆかりのある選手からのメッセージの紹介や、大会百日前イベント、大会の感動と興奮を共有できるコミュニティーライブサイト等の実施を検討しております。あらゆる機会を通じて、東京二〇二〇大会の成功に向けて全力で取り組んでまいります。  以上です。 ◎小澤 交流推進担当部長 私からは、東京二〇二〇大会実施に当たり、区内のおもてなし事業の進め方についてお答えいたします。  新型コロナウイルス感染拡大の影響から、区が一体となって取り組むおもてなし・交流・参加実行委員会事業や、地域の夏祭りをはじめ、多くのイベントが中止となりました。このような状況下においても、実行委員会ではエフエム世田谷や通信を通じ、東京二〇二〇大会に関する情報や、おもてなしプロジェクトについての情報を発信するなど、区民の思いを途切れさせず、東京二〇二〇大会に向け、多くの方が関わっていただけるよう工夫をしているところです。  実行委員会は、区民が参加し集うことで、多様性を尊重する世田谷の特色を伸ばし、次世代を担う子どもたちの応援となるよう、東京二〇二〇大会を好機と捉えており、区も実行委員会と連携調整しながら、イベントにおいては感染予防対策を徹底し、新しい日常における交流参加の見本となるよう取組を進めてまいります。また、情報発信においても、外国人や障害者に配慮し、ユニバーサルデザイン、多言語対応を取り入れるなど、いつでも必要な情報が得られるよう、世田谷の魅力発信とおもてなしを柱に、区民事業者が一体となり大会を盛り上げられるよう準備を進め、次世代を担う子どもたちが東京二〇二〇大会を自身の記憶として残し、多様性を育む取組となるよう、区内事業者や実行委員会と協働し、取り組んでまいります。以上でございます。 ◎田中 経済産業部長 私からは、創業支援の今後の展開について答弁いたします。  区ではこれまで、創業向け融資や中小企業診断士による相談窓口の開設、セミナーなどを通じた創業機運の醸成など、様々な創業支援を行ってまいりました。コロナ禍の今年度は、せたがや産業創造プラットフォームにおいて、相互交流可能なコミュニケーションツールを活用するなど、区内企業やフリーランスなどの異業種間連携を促進するとともに、創業経験者との交流を創出し、有意義なアドバイスを得ることができるようになるなど、これまでにない新たな創業支援が提供できるよう準備を進めております。  世田谷ものづくり学校との次年度の新たな契約において、このプラットフォームとの連携協力を位置づけております。さらに、次の旧池尻中学校跡地活用においては、デジタルトランスフォーメーションやSDGsなど、新たな時代における価値に対応した新ビジネスの創出、社会課題の解決、起業創業支援の拠点として、新しい展開を行ってまいります。  私からは以上です。 ◎土橋 児童相談所長 私からは、出産を望みつつ育てられないような場合に特別養子縁組につなげる対応についてお答えいたします。  出産を望みつつも育てられないという相談は、総合支所の健康づくり課の妊娠期面接等で把握され、必要に応じて子ども家庭支援センターとの連携により支援をしていきます。出産後に親が育てられず子どもの保護が必要と判断される場合は、児童相談所に連絡が入り、一緒に支援していくことになります。児童相談所は、乳児院や里親への委託などにより子どもを保護し、親の意向を確認しながら、育てたい意思があるようであれば家庭引取りに向けて、支援を行いながら養育環境を調整していきます。その上で、どうしても養育することができず、特別養子縁組に同意する場合には、養子縁組候補児童として、児童相談所に登録された養子縁組里親候補と引き合わせ、里親との交流を重ね、子どもとの相性や里親の養育能力を確認し、里親へ委託します。その後、養育状況を見極め、家庭裁判所に申し立て、その審判により、特別養子縁組が成立することとなります。  いずれにせよ、親の意思を丁寧に確認しつつ、子どもは家庭的な環境の下で安定した生活が永続され、子どもの最善の利益が保障されることを第一に考えて対応してまいります。  以上でございます。 ◎知久 子ども・若者部長 私からは、二点お答えいたします。  一つ目、赤ちゃんポストについてです。  赤ちゃんポストは、様々な事情から子どもを育てることができない親が匿名で子どもを託すことのできる制度で、日本では平成十九年から熊本市の慈恵病院において唯一設置されているものです。  赤ちゃんポストは、遺棄されて命を落とす新生児や人工妊娠中絶によって失われる命を救い、代替養育へとつなげていくことが期待される一方、子どもの安易な受入先としてみなされることや、匿名による預け入れにより、子どもの出自を知る権利を損なうことも課題とされており、これらの課題に対し、熊本市では、国全体の問題として検討する必要があるとしており、国に積極的な関与を求めているところです。  区といたしましては、子どもの最善の利益の観点から、子どもにとって最適な環境での養育を最優先に考え、きめ細やかな支援に努める一方、子どもの命を確実に守るためのセーフティーネットの在り方について、多様な視点から幅広く議論する必要があると考えており、国や熊本市など他自治体等におけるこれらの課題への対応も含めた動向を注視していきたいと考えております。  次に、出産費用等への支援についてお答えいたします。出産費用などの給付制度につきましては、議員お話しの健康保険による出産育児一時金のほか、区では平成二十一年度より、第三子出産費助成を行っております。この制度は、第三子以降を出産した場合、出産費から四十二万円の出産育児一時金を差し引いた金額を六万円を上限として助成するもので、令和元年度の支給件数は三百二十二件、歳出額は約一千六百万円でございました。  区ではその他、出産のための入院費用を支払うことが困難な妊産婦に対して支援する入院助産や、入院中の母が妊娠高血圧症候群等の疾病で入院した場合の医療費助成などを行い、主に出産時に困難を抱える方への支援を行っているところでございます。年間約七千件となる出産費用に係る支援としては、所得税における所得控除や、産前産後期の国民年金保険料免除制度など、窓口等で丁寧に御案内するとともに、区単独での出産助成等の支援については困難も伴うことから、現在、国で行っている出産育児一時金の増額の検討についても動向を注視しまして、区として必要な制度改正などを行ってまいります。  私からは以上です。 ◎田中 総務部長 私からは、職員が議員からハラスメントを受けた際の対応について御答弁いたします。  区職員のパワハラ防止の取組といたしましては、昨年五月、職場でのパワハラ防止策を事業主に義務づける改正労働施策総合推進法等の成立、施行に伴い、今年度四月より新たに職場におけるハラスメントの防止に関する基本方針を定め、セクシュアルハラスメント、モラルハラスメントなど様々なハラスメントの防止に向けて運用しております。  この基本方針では、ハラスメントの具体例を挙げて職員に理解しやすいものとしているほか、より厳正な調査、対応が必要と認めた事案や、対応に対して当事者が納得しない場合は、ハラスメント対策委員会を必要に応じて開催し、女性管理職や弁護士資格を有する副参事等により審議し、事案によってはハラスメントを行った職員の処分について、職員分限懲戒審査委員会に諮る仕組みを設けております。  また、区職員以外の者から職員がハラスメントを受け、心身をむしばむおそれがある場合には、周りの職員がその兆候をいち早く察知し、組織での対応や担当の交代などにより、職員の健康被害を予防することが必要であるとしており、御質問の議員からのハラスメントが仮にあったとした場合においても、この対応を行うこととなります。以上でございます。 ◆十六番(阿久津皇 議員) ハラスメントについてですけれども、今御説明いただいた区におけるその方針では、やっぱり庁舎内でのハラスメントにしか対応できていないというふうに感じます。今おっしゃった組織での対応や担当者の交代というのも、あくまで一般来庁者になかなか難しい方がいたときの想定であって、例えば議員と理事者の間、理事者の交代というものもなかなかできないでしょうし、議員からのハラスメントというのには対応されないんだろうなというふうにうかがえます。  また、そのハラスメント対策委員会ですけれども、こちらも区職員で構成されていて、議員への事情聴取とかそういったことが積極的に行えるのかどうか、それが疑問だと思います。ハラスメントの行為者が議員等の場合は、第三者による委員会の設置が必要ではないかなと考えます。それからまた、懲戒審査委員会とありますけれども、議員等へのその懲戒処分というのもなかなか考えづらいでしょうから、そのハラスメント行為が確認された場合、どのようにその該当の議員にその行為があったということを伝えるのか、あるいはほかの自治体などでは氏名の公表とかも行っています。そういったこともしっかりできるような仕組みを構築していただきたいと要望しまして、質問を終わります。 ○和田ひでとし 議長 以上で阿久津皇議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 次に、四十四番風間ゆたか議員。    〔四十四番風間ゆたか議員登壇〕(拍手) ◆四十四番(風間ゆたか 議員) コロナの第三波が襲来しているという状況ですので、まずはそちらから討論を進めていきたいと思います。  今朝の報道でも、全国各地でのコロナ感染者数が日に日に増加しているということであり、ついには役所の中でのクラスターが発生したということで、窓口を停止しているというような自治体まで出てきたという報道もありました。  世田谷区の窓口体制ということについては、緊急事態宣言のときに我々会派から世田谷区役所内でのクラスター防止策ということについて提言をしてきたところでありますけれども、DXの体制が整うまで時間が欲しいという状況でもありません。できることから窓口での密回避策ということを取っていく必要がありますし、なるべく自宅でできる手続に関してはそのまま進めていけるような体制整備ということが必要だと思いますが、区の検討状況はいかがでしょうか。伺います。  このコロナ禍において、多くの区民の皆さんも外出が抑制されているという状況下、子どもの居場所ということについてもこれまで議論を進めてきましたが、高齢者の外出制限ということについてはかなり深刻だと感じております。一日中一回も外に出なかった高齢者、誰とも話をしない、こんな高齢者も多くなっているということは耳にしますけれども、区役所としてどのような策があるのかということはこれまでも議論が進んできているところかと思いますが、代表質問でも取り上げましたように、高齢者の支援策として民間のスポーツクラブに誘導するかのような取組というのはいかがなものでしょうか。これが民間が積極的に高齢者の健康促進に関わってくれるというのであればまだ理解ができますけれども、区が税金を使ってそちらに誘導するかのような取組などは、この状況下、到底区民の皆さんに理解されるとは思えません。これは見直すべきだと考えます。  それよりも、区のこれまで支援してきた高齢者のコミュニティーづくり、これをより強化していくこと、これまでまだ取り組めていなかった高齢者たちの集まり、特に外で行える活動を新たに企画していくことの支援、こういったことを重視していくべきであり、今の民間のスポーツクラブに誘導するかのような取組ということは私は理解ができません。見直しを求めます。  続いて、災害対策についてですけれども、これも私たちの会派は緊急事態宣言のときから区に提言をしてきておりますが、今日もしくは明日、首都直下地震が起こるかもしれないという状況の中、このコロナが感染拡大している中、どれだけの区民の皆さんが避難所に足を運ぶか、それも怖いという声も聞こえてきます。そうなってきたときに、自宅避難という方が圧倒的に多くなってくると思う中で、私たちの会派、私自身も、例えば蓄電池の購入補助、これは一部実現となりましたけれども、自宅避難に関する支援策というものを区は打ち出していく必要があると思います。  九十二万人の区民の皆さんの避難状況がどうであるのかということを把握できる仕組み、SNSやITを使って区民の皆さんの状況を把握するとともに区の情報発信をしていく、こういった新たな仕組みが例えばお隣の渋谷区で始まっていたり、全国各地の自治体が試みを始めていますから、好事例は世田谷区でも導入していくべきだと考えます。区の検討状況を伺います。  私たちはこの災害対策ということについても代表質問で触れましたけれども、コロナが少し落ち着いていた十一月の頭に会派で佐賀県の武雄市を視察してまいりました。佐賀県の武雄市といえば、教育のICT化というのにいち早く取り組んだ自治体でも注目をされましたので、この話も伺ってきましたが、このICT化ということについて、コロナ禍での対応が目覚ましい、全国各地で注目されたのが熊本市であり、代表質問でも少しこの事例を紹介させていただいたところであります。  私が特に関心を持ちましたのは、オンラインで登校できない子どもたちとつながっていくことに懸命に取り組んだこと、その結果として、これまで不登校で学校に来れなかった子たちの実に半数近くがオンラインだと参加していたということに大変驚きました。オンラインであれば参加できるという不登校の子たちがこれだけいるということは、世田谷区がこれから取り組んでいこうとしていく不登校特例校、これにオンライン化をスタンダードとするような取組であれば、私が懸念をしていた弦巻に区内の不登校の子たちが集まるということは困難かもしれないと、この課題が解決できるのではないかと思いました。不登校特例校でのオンライン化のスタンダード、または、それまでの間でもオンライン化を進めることによって不登校の子どもたちが学びの機会がより増えていく可能性があると感じましたので、区の教育委員会は取り入れるべきだと考えます。見解を問います。  このオンライン授業をするに当たっては、先生方の負担感、学んでいかなければならない、ただでさえ忙しい、こういう状況の中で、より一層の支援策を取っていく必要があると思います。熊本市では、教育センターでほとんど集合研修をやることがなくなったと言っていました。その分、その研修室を分割してスタジオにしたということです。オンライン研修を進めているということで、先生方も自宅に帰ってから研修を受ける仕組みをつくったということであります。区の教育センターも新たにつくっておりますけれども、こういったことに対応できるようにきちんと検討し直すべきだと考えますが、区教委の見解を問います。この教育のICT化ということは、取り組めば取り組むほど様々な可能性が見いだせます。ぜひ進めていくように求めます。  そして、私たちが九州で視察してきたもう一つの地が長崎市であります。決算特別委員会で求めました平和教育の推進、コロナ禍で姉妹都市への交流ということがほぼ来年も難しい状況となった今、平和教育の推進ということで長崎市に派遣をするということはいかがかということを問いましたけれども、何と厚生労働省の外郭団体がその受入れをやっている、八月九日の記念式典に出席するサポートをし、関連施設を巡るツアーも組んでいて、二十三区内でも幾つかの区が参加をしているということでありました。中学生派遣団です。姉妹都市交流を断念するのであれば、こういったことをぜひ導入していくべきだと考えますが、見解を求めます。  そして、ただ行った子たちが学んでいるのでは意味がありませんから、これまた決算特別委員会で触れましたように、世田谷区のすばらしい取組である中学生の生徒会サミット、ここで議論を進めていく、平和教育について考えていく、それも生徒会の子たちだけではなく、全区立中学生が考えていくようなオンラインを使った取組を進めていく、こんなことができるのではないかと考えました。この生徒会サミットによる全区立中学生での議論というのは、何も平和教育だけに限らず、姉妹都市の交流についても考えることができますし、最近でも話題になりました、この議会でもかなり議論が進んできている中学生の校則づくりということに関しても進めていけるのではないでしょうか。生徒の自主、自立、自治、これを進めていくというのがこれからの時代の教育として必要なことだと考えます。中学校教員による校則の押しつけという時代ではもはやなく、一人一人の生徒が考えて自分たちのルールをつくっていく、こういったことも生徒会サミットを中心に検討していけるのではないでしょうか。区教育委員会の現段階での見解を求めます。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔渡部教育長登壇〕 ◎渡部 教育長 生徒会サミットの取組について御答弁申し上げます。  生徒会サミットは、各校の生徒会の代表者が集まり、話合い活動や発表を通して考えを深めることを目的に開催しています。他校の生徒との交流を通すことで、自分の役割や自分らしい生き方について考える場となり、価値ある活動であると考えています。今後は、生徒に運営を任せ、うまくいかないところも含めて成長の過程とするなど、生徒主体のサミットの運営を目指してまいります。  様々な課題に対して課題意識を持つ生徒が集まり、協議をしたり、一人一台のタブレットを使用し、オンラインで開催をしたりするなどにより、より深い議論ができるようになり、その可能性はさらに広がります。中学生という思春期のときに多くの考え方に触れ、疑問を持ち、自分の考えを広げたり深めたりするために、生徒の自主的な取組をしっかりと支援してまいります。  以上でございます。 ◎池田 教育政策部長 私からは、三点御答弁申し上げます。  まず、ICT環境を活用した不登校対策についてでございます。  現在導入を進めている一人一台のタブレット端末は、不登校の子どもたちの学習支援やコミュニケーション確保に大変有用なツールであると考えております。不登校特例校での学習進度に合わせた学習支援や自宅からのオンラインでの授業参加など、オンラインでつながることができる環境を不登校の子どもたちへの支援に最大限活用してまいりたいと考えております。また、学校に登校しても教室には入れず、保健室や図書室などで過ごす子どもたちが別室から授業に参加することも可能であると考えております。  引き続き、先行自治体の取組事例を蓄積し、様々な困難さを抱える子どもたちへの支援にタブレット端末を最大限活用していくことができるよう取り組んでまいります。  次に、教育総合センターにおけるICT活用についてでございます。  現在整備を進めております教育総合センターでは、学校のICT化に対応した研修や学校支援を行うことができる機能整備を計画しております。既に教育研修の多くはオンラインで実施されておりますが、教育総合センターにおいても、電子会議ツールを活用したオンライン研修に対応した通信環境を整備することを予定しております。また、今後、学校でのICT活用が飛躍的に進むことを想定し、教室でのICT機器活用の検証機能や、動画の収録を想定したスタジオ機能を持つ研修室の設置、必要な機材の配置など、ICT環境を活用した教育活動に対応することができる機能の整備に努めてまいります。  次に、生徒会サミットの運営などについてでございます。  子どもたちにテーマを提示し、興味ある者同士がグループをつくって活動することは、話合いの内容を深めることにつながり、効果的であると考えております。一方、生徒会サミットの運営や年間のテーマの設定については、子どもたちの主体性を尊重することを基本としております。生徒会サミットの今後の運営や年間テーマの設定などについては、生徒会サミットのメンバーや生徒会サミットの運営を支える教員らと連携し、検討してまいります。また、御質問いただいた中学生による他都市との交流につきましても検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎松本 生活文化政策部長 私からは、高齢者の健康づくり施策についてお答えをいたします。  高齢者の社会的孤立の防止と健康寿命の延伸を図るため、高齢者の地域参加促進施策の一つとして、身近に出かけることができる場の提供に向け、民間スポーツクラブとの連携に取り組むことを申し上げてきております。  この間のスポーツクラブ事業者からのヒアリングでは、高齢者の利用も多く、健康づくりだけでなく仲間づくりにもつながっているとのお話や、感染症対策として屋外ウオーキング等の事業提案もございました。一方、地域では、高齢者クラブによる誰でも自由に参加できるラジオ体操や、生涯現役ネットワークによるウオーキングイベント等の健康づくり事業が現在試行されており、区はこれら事業のPRや費用助成などの支援を行っているところでございます。  いずれの事業も効果的な取組と考えておりますが、厳しい財政状況の中、新たな高齢者施策も精査が必要となっておりますので、感染症の状況や身近な場所での仲間づくり、コミュニティー支援の点も踏まえつつ、今後の高齢者の健康づくり施策を慎重に検討してまいります。  以上でございます。 ◎清水 地域行政部長 私からは、コロナ禍におけるさらなる取組、窓口のデジタル対応について御答弁いたします。  窓口のデジタル化については、例えば住民記録事務では、国が標準システムの開発を進めておりますが、その他税等も、国のシステム導入が前提となった場合の各システム間の連携や、新旧システムが併存する場合のスペースの確保等、様々な課題を検討する必要があります。  この間、新型コロナウイルス感染症の拡大を防止し、来庁者の安全安心を確保するため、ホームページで窓口の混雑状況や郵送等で可能な手続、証明書コンビニエンスストア交付サービスの利用について御案内し、各窓口において入場制限を行うなど、混雑時には密回避を図ってまいりました。  今後も、国の動向を注視しながら、窓口のデジタル化の検討を進めるとともに、コロナ禍の現時点においては、証明書コンビニエンスストア交付サービスや、来庁することなくできる手続などの積極的な周知、ホームページやSNSなどの手法も活用した入場制限などの窓口情報発信に適時取り組んでまいります。  以上です。 ◎菅井 危機管理部長 私からは、在宅避難者などへの情報発信等について御答弁申し上げます。  区といたしましても、特にコロナ禍におきましては、在宅避難、自主避難、縁故避難といった多様な避難方法を推奨していく必要があると考えており、お話しの在宅避難者を含め様々な避難者に対しまして適切に情報発信していくことは大変重要であると考えております。  現状では、避難所運営マニュアルにおいて、避難所だけではなく、在宅避難する方に対しても避難者カードへの記入を呼びかけ、要配慮者の見守りの際に活用するとともに、食料、物資の配給等の際にも、在宅避難者に対する配慮をしていくこととしております。  今後も、在宅避難者などへの情報発信につきましては、区ホームページのほか、テレビのdボタン、災害・防犯情報メール、ツイッター、ヤフー防災速報などを引き続き活用していくとともに、お話しの情報ツールにつきましても、他自治体の先進事例などを参考に、より効果的な情報発信、伝達方法などについて検討してまいります。  以上です。 ◆四十四番(風間ゆたか 議員) まず、教育に関しては、長崎への平和教育派遣ということについて言及がなかったので、検討を進めるのかどうかを明確に答弁をください。  あと、生徒会サミットで生徒が自主的に校則を考えていくということについても答弁がなかったので、これも検討するのかどうかちゃんと答弁をください。  あと、高齢者の支援ということについては、事業者ヒアリングをして、それは何でもやりますよね。自分たちがお金を出さなくて人を連れてきてくれるんだったらいいことを言うと思います。世田谷区にはスポーツ財団があるのであれば、スポーツ財団がやればいいことだと思います。見解を求めます。 ◎池田 教育政策部長 再質問に御答弁いたします。
     広島への(「長崎だよ」と呼ぶ者あり)ごめんなさい。長崎への平和派遣につきましては、検討を今後させて、いろいろ他都市の事例なども参考にさせていただきながら検討させていただきたいと思います。  また、生徒会サミットでのテーマにつきましては、先ほども申し上げましたけれども、生徒の自主性というものもございますので、こちらから例えばいろんなテーマがあるよということの中で提示をさせていただくことなどを通じて、生徒会サミットのテーマの一つとして取り上げていくことを検討してまいりたいと思います。  以上でございます。 ◎松本 生活文化政策部長 高齢者の健康づくり支援について再度お答えをいたします。  高齢者の健康寿命の延伸というような観点、あるいは孤立の防止というような観点から、新たな居場所づくりというようなことで民間スポーツクラブとの連携ということに検討をさせていただきたいということを本年二月の常任委員会等で御説明を申し上げてきたところでございます。  この間、スポーツクラブとのヒアリングでは、るる、高齢者の活動の状況などを伺っております。一方で、区の中でも、先ほど御指摘ありましたスポーツ振興財団、同時に保健センターなどの事業もございます。そういった事業との整合あるいは活用という点も踏まえつつ、慎重に検討したいと、このように考えております。  以上でございます。 ◆四十四番(風間ゆたか 議員) 民間施設連携は構いませんが、税金をそこに突っ込んでいくのは反対です。  以上です。 ○和田ひでとし 議長 以上で風間ゆたか議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 次に、七番くりはら博之議員。    〔七番くりはら博之議員登壇〕(拍手) ◆七番(くりはら博之 議員) 通告に従い一般質問を行います。  まず、九月定例会に引き続き、区のNHKとの契約に関して質問をいたします。  昨年三月十二日に、ワンセグ機能付携帯電話を所持しているだけでNHKとの契約義務があるという最高裁判決があったことは、前回の一般質問で触れましたが、この裁判では、自宅等にテレビがなくワンセグ機能付携帯電話を持っている場合に、NHKと受信契約を結ぶ義務があるかという点で争われたわけです。自宅等にテレビがあり、既に受信契約を結んでいれば、ワンセグ機能付携帯電話やスマートフォンを所持していても、新たに受信契約を行う必要はありません。また、そもそも番組のネット配信は放送ではありません。  放送法六十四条一項では、協会の放送を受信できる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならないと定めています。その設置とは、一般的に考えれば家に据え置くものということになるかと思いますが、それが携帯電話やカーナビにまで広げてしまったのが、先般の最高裁判決であります。しかし、ワンセグ機能がなければ、例えばスマートフォンや携帯電話を所持していても、NHKとの契約義務は生じないわけであります。  これまで、私は一般質問において、区のパソコンの設置状況、ワンセグ機能付カーナビの設置台数について質問をしましたが、今回は、区の所持するスマートフォンや携帯電話について伺います。  そもそも、区役所等にテレビがあり、それについてNHKとの受信契約が締結され、受信料が支払われているわけであることから、受信料の支払い義務は生じないものと思いますが、区のお考えをお聞かせください。  また、区の所持するワンセグ機能付スマートフォン及び携帯電話の台数についても伺います。  続いて、本年十二月三十日で発生から丸二十年が経過する上祖師谷三丁目一家四人強盗殺人事件、いわゆる世田谷一家四人殺害事件の事件解決に向けた区の取組について質問をいたします。  この事件は、上祖師谷にお住まいだった一家四人が、平成十二年十二月三十日、都立祖師谷公園の一角にあり、子どもたちの遊び場となっている広場にも面した自宅で何者かに刺殺された事件であり、その犯行の残忍さ、粗暴さなどから社会に衝撃を与えました。  犯人の血液型はA型で、性別は男性であり、右利きの可能性が高く、身長百七十センチ前後、胴体回りは七十から七十五センチの痩せ型と推定され、飲酒、喫煙はせず、一九六五年から一九八五年生まれで、父系がアジア系民族、母系が欧州系民族であることが確実視されています。一家四人を殺害後、現金には手をつけずにパソコンを長時間にわたって操作し、冷蔵庫の麦茶を飲み、アイスクリームを食べる、ヒップバックを残していくなどの異常な行動も確認されています。こうした多くの物証がありながら、いまだに犯人検挙に至っていない未解決事件であり、上限額二千万円の捜査特別報奨金制度の対象にもなっています。  昨年一月には、事件現場となった自宅の現在の様子がマスコミに公開されました。住宅内は経年による劣化が進み、犯人が立ち入った部屋は雨漏りなどもするようになり、侵入や逃走に使ったと見られる浴槽も水あかなどによる傷みが目立っております。食卓などの家族の暮らしをしのばせる家具のほか、犯人が衣服を脱ぎ捨てていったソファーなどが残っています。事件から十九年を経て、初めて一般公開された背景には、四人が生きていたあかしを伝えることが事件解決につながればという御家族の思いがあったとのことです。  社会に強い衝撃を与えた事件も、年月の経過とともに人々の記憶から風化しつつあり、一刻も早い実現が待たれる犯人検挙と事件解決が年々難しくなっており、遺族や被害者の無念も晴らされません。今、こうしている間にも、どこかで犯人は一般社会の中で生活をしております。  平成二十二年の改正刑事訴訟法成立により、殺人など最高刑が死刑の犯罰については、公訴時効が撤廃されました。ぜひとも、事件の風化を防ぎ、犯人検挙と事件解決に向けての取組を積極的に行い、区民の安心安全な暮らしを守るための努力が不可欠と思われますが、区の認識と取組について伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎田中 総務部長 私からは、NHKとの受信契約について御答弁いたします。  本年十一月一日現在、区が保有するスマートフォンを含む携帯電話は三百四十四台で、このうちテレビ放送の視聴ができるワンセグ機能つきの電話は百七十八台です。ワンセグ機能付携帯電話の受信契約について改めてNHKに確認しましたところ、携帯電話の保管場所に既にテレビ等受信機があり、受信契約を結んでいるのであれば新たな契約は不要であるという回答をいただいております。  区は、NHKからの回答と同様の考えの下、区が保有するワンセグ機能付携帯電話全てについて、新たに受信契約の必要がないことを確認しております。引き続き、ワンセグ機能付携帯電話を含めテレビ等受信機については適正な契約を行うとともに、設置の必要性についても検討を重ね、精査してまいります。  以上でございます。 ◎菅井 危機管理部長 私からは、世田谷一家四人強盗殺人事件に対する区の取組について御答弁申し上げます。  この事件は、平成十二年十二月三十日の深夜頃、区内上祖師谷三丁目で発生した強盗殺人事件で、一家四人全員が犠牲になった痛ましい事件です。事件発生から今年で二十年目と長期間経過しておりますが、事件解決のためにも決して風化させることなく、犯人の検挙に結びつく情報の提供を呼びかけていく必要があると考えております。  区では、成城警察署に拠点のある捜査本部と連携を図りながら、毎年十二月から一月にかけて、第二庁舎一階ロビーにおいて、事件捜査から判明した犯人像などのパネル展示、また、第一庁舎一階ロビーや出張所など区内十一か所において、事件情報の提供を求めるデジタルサイネージの活用、さらに多言語対応のチラシ配布を行うなど、来庁される方々に対しまして犯人検挙に向けた情報提供の呼びかけに努めております。  今後も、区民の皆様の安全で安心な暮らしを確保するため、警察と連携を図りながら、事件解決に向けた支援等に取り組んでまいります。  以上です。 ◆七番(くりはら博之 議員) 御答弁、ありがとうございます。  特に世田谷一家四人殺人事件は、罪もない幼い子ども二人が殺害されています。こんな残酷な事件が私たちの暮らす世田谷で起きており、いまだに犯人逮捕に至っておりません。引き続き、区役所と警察が連携し、犯人を追い詰めていただきたいことをお願いしまして、私からの一般質問を終了します。 ○和田ひでとし 議長 以上でくりはら博之議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後二時七分休憩    ──────────────────     午後二時二十分開議 ○和田ひでとし 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  一般質問を続けます。  十番あべ力也議員。    〔十番あべ力也議員登壇〕(拍手) ◆十番(あべ力也 議員) 十一月十七日、平井デジタル改革担当大臣が、省庁でのパスワード付ジップファイルをウイルスチェックできない、セキュリティー上意味がないとの理由で廃止すると発表いたしました。世田谷区でも廃止する要望をいたしまして、質問に入ります。  子宮頸がんの予防を目的としたHPVワクチンを知ってもらおうと、国が新たに作成したリーフレットの接種対象者となる人たちへの送付が、世田谷区でも明日から始まります。日本では、一年間におよそ一万人の女性がヒトパピローマウイルスに感染し、子宮頸がんを発症、およそ二千八百人が命を落としています。治療のために子宮を失って妊娠できなくなることもあります。  HPVワクチンはこのウイルスの感染を減らすもので、二〇一三年の四月から法律で定められた定期接種になり、費用は公費で無料です。対象は小学校六年から高校一年までの女子で、このウイルスは主に性行為により感染するため、そうした経験をする前に接種するのが望ましいとされているからです。  ところが、定期接種が始まって僅か二か月で勧奨を控えるという異例の措置が取られてから、今もその状況が続いています。接種を促す通知が来ないので、自分が定期接種の対象であることやワクチンの存在すら知らない人も増えているのが現状です。この七年あまりの進展として、国際的なワクチンの予防効果の実証や、国内ではより効果の高い新ワクチンが今年の七月に承認され、定期接種で使えるよう検討が始まったとのことです。  ただ一方で、安全性への不安はいまだ払拭されていません。日本で積極的な接種をやめるきっかけは、接種後の副反応が疑われる全身の痛みや歩行困難、睡眠障害、記憶障害など様々な症状があり、今もこうした症状が続き学校を辞めたり、就職できずにいたりして将来に不安を抱える人たちの深刻な状況です。およそ百三十人が国と製薬会社を相手に裁判で争っていて、国の積極的な勧奨再開に強く反対をしています。これに対して国は、ワクチン接種との因果関係が証明されていないとする一方、こうした症状はワクチンを接種した後に出ていることを重視し、接種後の局所の痛みや不安などが症状を起こすきっかけになったことを否定はできないとしています。  特にこのワクチンは、他の注射と比べて痛みが大きく、訴えている症状が十分理解されずに心の問題などとされてきたことが不安を広げて、症状を深刻化させたという見解もあります。何より必要なのは、原因を明らかにして早く健康を取り戻せるように、治療や生活の支援を強化することだと思います。  いずれにしても、接種するかどうかを判断しなければならないわけですが、個人にとっての効果とリスクを総合的に判断することが肝要と考えます。  まず効果として、女性が一生のうちに子宮頸がんになる確率は一・三%で、ワクチンによってこれを半分以下にできる可能性があるとされています。一方、リスクは、接種後に入院が必要になるような重い症状が起きる日本での確率は〇・〇五%です。この二つの数字をどう考えるか、ワクチンを接種して将来がんになるリスクを減らしたいと考えるかもしれませんし、または将来かかるか分からない病気のために、今の健康を損なうリスクを避けたいと考えるかもしれません。とにかく幅広くワクチンの情報を集めて、家族で話し合って納得して選択することが何よりも大事です。  そして、ワクチン接種を受けるにせよ、受けないにせよ、大事なのは二十歳になったら子宮頸がん検診を受けることです。定期的に受けることで、がんやその前段階での状況を早期に見つけて治療することができます。  そこで伺いますが、区の子宮頸がん検診の受診率はどれくらいでしょうか。また、受診率の向上のため、区はどのような方策を検討、実施していくのか、加えて具体の目標値があればお教えください。  定期接種を受けた児童生徒に対するアンケートの実施も不可欠と考えますが、現状行われていないと聞きます。実施を求めますが、区の見解を伺います。  HPVは、中咽頭がん、陰茎がん、肛門がんなど男性のかかるがんにも関わることが分かっており、国立がん研究センターによると、中咽頭がんは日本で年間千八百人が発症し、男性が女性の五倍近くに上ります。HPVワクチンを製造、販売しているMSD株式会社が男性への適応拡大を承認申請しているのを受けて、厚生労働省は十二月四日、男性接種への適応拡大について審査することを決定しています。  こうした動きに鑑み、女性ばかりでなく男性にもHPVに関する情報を同時期から提供すべきと考え提案いたしますが、区の現状と今後の取組について伺います。  いずれにしても、ワクチンのメリット、デメリットともに十分な情報提供された上で、国民一人一人の自己決定により接種するか、接種しないか、選択がなされるべきで、国や自治体などによる事実上の強制があってはならないことは当然と考えます。この点については、区長に見解を確認しておきたいと思います。  次に、実現したせたがやPayですが、国も地方も電子化を加速しようというこの時期に、電子分二億円、紙分六億円という発行比率は適切なのか。今回は既に決定済みと聞きますが、今後、紙を電子に置き換えていくことがコスト面からも必要と考えます。  今後、想定される予定を伺います。  また、各商店街のポイント、スタンプ事業などもせたがやPayに統合していくべきと考えますが、この予定についてもお答えください。  次に、公衆浴場、銭湯についてです。  利用者を増やし経営を安定させる一つの手法として、サブスクリプション、月額定額制の導入が有効と考えますが、政府の物価統制令の下では導入できないとのことであります。  経営維持に悩む公衆浴場の現状に合わない古い法律であり、国に対して改正を求めるべきと考えますが、区の見解を伺います。  次に、区立保育園の保護者の負担行為についてです。  区立保育園にお子さんをお預けのママから、通勤の忙しい朝の時間に布団敷きや布団干し、シーツ替えといった負担を強いられて、前時代的でどうにかならないかという御意見をいただきました。共働き世帯が増加する中、少子化の改善に向け様々な子育て環境の改善と充実に区は取り組んできておりますが、世田谷区の保育園の伝統とやらで、保護者の負担を軽減できずにいることは見直しに値すると考え、廃止を求めますが、区の考えを伺います。  最後に、成年後見制度についてです。  高齢や障害のため行為無能力となった場合、本人に代わって法律行為をするのが家庭裁判所に選任された後見人です。ところが、自然人の場合、被後見人より先に選任された後見人が亡くなってしまうといった不都合や、信用して頼める人が見つからないといった区民の悩みを解決するために、世田谷区は世田谷区社会福祉協議会による法人後見制度を実施しております。  この制度に関し、区民の関係団体に説明するために分かりやすい資料を求めましたが、頂いた成年後見制度に関するリーフレットには、社協の法人後見制度については記載がありませんでした。私は、社協が実施している法人後見は、後見制度を利用しようと考えている区民の様々な不安や悩みに応えるものと期待しているところです。社協が実施する法人後見制度の普及啓発のため、区ホームページで成年後見制度を検索した場合、社協の法人後見制度が結果で表示されるように掲載改善はもちろん、新たなリーフレット等を作成し、区民に配布すべきと考えますが、区の見解を求め、壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 あべ議員の質問に答えます。  子宮頸がん、HPVワクチンについてであります。  予防接種には、個人の感染症の発症、重症化の予防の利益がある反面、発熱等、軽微な症状をはじめとして、まれに重篤な副反応が生じるなどの不利益が生じる場合がございます。厚生労働省のリーフレットによると、重篤な副反応は一万人当たり五人につきまして、例えば、呼吸困難等の重いアレルギー反応や手足の動きをコントロールすることができなくなる不随意運動などの症状が発症すると報告されています。そのため、議員お話しの予防接種を受けるか否かを、区民お一人お一人が自己決定し、また、選択をしていただくことは大変重要であると認識しております。  区は現在、国の勧告に基づきまして子宮頸がんワクチン接種の積極的な勧奨は控えておりますが、このたび国から、各自治体が当該ワクチンの接種の有効性とリスクの両面の情報提供に取り組むように通知を受けて、対象者及びその保護者の判断の一助として、厚生労働省のパンフレットに、区として作成したお知らせを添付して送ることにいたしました。  また、担当所管の保健所には、今後も接種すべきか否かの判断をできずにお困りの方、接種を不安に思っている方に対して、医師会や教育委員会と連携しながら、本人の自己選択をあくまで基本に、丁寧に相談対応することや、引き続き区民への子宮頸がんワクチンへの正しい情報提供、理解の普及に努めるように指示いたしました。 ◎田中 経済産業部長 私からは、二点答弁いたします。  まず、せたがやPayについてです。  今年六月に実施した紙によるプレミアム付区内共通商品券の申込者は、五割以上が高齢者となっております。せたがやPayはあらゆる年齢層にぜひ御利用いただきたいと考えているところですが、高齢者で電子決済に不慣れな方も多く、今回の比率はこのような現在の購入者層に配慮したものです。紙券から電子券への置き換えについては、当初はおおむね五年間での移行を想定していました。今回の販売結果や効果を検証した上で再検討してまいります。  各商店街のポイント、スタンプ事業をせたがやPayを活用して行うことは、商店街事業の効率化や商店街の加入促進の観点からも有効な手段の一つであると認識しております。活用策について関係者と協議をしてまいります。  次に、公衆浴場についてです。  公衆浴場は物価統制令の規定に基づき、入浴料金の上限額について統制の適用を受けており、現行の規定の下では、月額定額制は難しいという厚生労働省の見解を得ております。一方、統制の対象ではないスーパー銭湯やゴルフ場やスポーツジムに併設された浴場などは、各自利用料金を決定しております。九州では複数の温泉施設での利用が可能なサービス、都内では一部スーパー銭湯などで、既に月額定額制を実施しております。  法令改正の要望も含め、まずは公衆浴場組合にヒアリングを行って検討するとともに、新たな利用者獲得に向けた先進事例の研究なども共に行ってまいります。  私から以上です。 ◎辻 世田谷保健所長 私からは子宮頸がんワクチンについて、まず、子宮頸がん検診についてお答えいたします。  区は、国の指針に基づき、二十歳以上の女性区民を対象に地域の指定医療機関において子宮がん検診を実施しております。過去三年間の受診率ですが、平成二十九年度は二一・七%、三十年度は二一・六%、令和元年度は二一・六%と、ほぼ横ばいで推移しております。なお、総合的に区のがん対策に取り組むために策定した世田谷区がん対策推進計画では、受診率の当面の目標を三四・九%と定め、その達成を目指しております。  受診率の向上に向けましては、二十歳から六十四歳の偶数年齢の女性全員に対し、子宮頸部がん検診の個別勧奨の送付や、区のホームページ、区内広報掲示板を活用した周知に加え、世田谷区国民健康保険の特定健診、後期高齢者医療制度の長寿健診受診票の一斉送付にがん検診の案内を同封するなどし、検診受診の勧奨に努めております。  さらに四十歳以上につきましては、偶数年齢を対象としておりますが、前年度、受診歴がない場合、翌年度にも受けられるように、国の指針を適用した年齢要件の変更等を検討しております。  次に、子宮頸がんワクチンの今後の対応等についてお答えいたします。  子宮がんの原因となるヒトパピローマウイルス感染症は、主に性行為により感染します。また、女性だけでなく男性も感染し、パートナーとの間で感染することにより、子宮頸がん等のリスクを高める可能性がございます。そのため、ワクチン接種の効果等に加え、ほかの性感染症同様、予防についての普及啓発を行うことは有効であると認識しており、ヒトパピローマウイルス感染症に関する普及啓発は、性別にかかわらず教育を行う必要があると考えております。  今後、例えば、性教育の場を活用し、子宮頸がんを例にした感染防止等の啓発を行うなど、教育委員会とともに検討するほか、御指摘の当該ワクチンに関する児童生徒の意識の調査についても併せて議論をしてまいります  以上です。 ◎知久 保育部長 私からは、区立保育園における保護者の負担軽減についてお答えいたします。  各保育園では、午睡時に布団やマット、簡易ベッドなどのような寝具で対応しており、特に布団の使用が多い区立保育園では、一週間に一回の布団カバーやシーツ替えに加え、月一回程度の割合で布団干しをお願いしている園など、各園で保護者の御協力をいただきながら、園運営を行っております。  保育園が家庭と一体となって子どもの育ちを支えていけるよう、各園では保護者に御協力をいただく内容を入園時に説明し、保護者が園児の送り迎えに要する時間などの見通しを持てるように努めているところです。また、区立保育園では、新型コロナウイルス感染予防のため、現在、敷布団から衛生面で優れたマットへの買換えを進めており、これまで保護者にお願いしている布団干しを行う必要がなくなってまいります。  御指摘の保護者の負担軽減につきましては、園側の保育業務の負担増とならないように工夫しながら、子どもの育ちに配慮した区立保育園における園と保護者との適切な役割分担について改めて検討してまいります。  私からは以上です。 ◎澁田 保健福祉政策部長 私からは、成年後見制度についてお答えいたします。
     成年後見制度は、認知症や知的障害、精神障害等によって判断能力が不十分となり、自分一人では契約や財産の管理等をすることが困難となった方に対して、本人の権利を守る援助者として成年後見人を選び、法律的に支援する制度でございます。  区はこれまで、成年後見制度ハンドブックの配布、老い支度講座や成年後見セミナーの開催、あんしん法律相談等を実施しまして、制度の周知と利用促進を図ってまいりました。成年後見人は、家庭裁判所の選任が必要であり、親族のほか弁護士や司法書士、社会福祉士等が受任する場合や、世田谷区社会福祉協議会等が法人として成年後見人を受任する場合もございまして、区ホームページ及びハンドブックには、この法人後見についても掲載をしてまいります。  世田谷区認知症とともに生きる希望条例におきましても、権利擁護として成年後見制度の利用促進を規定しておりまして、今後、認知症等による成年後見を必要とする方がますます増えてくることを踏まえまして、成年後見利用促進計画に基づく取組とともに、障害者団体等にも積極的に制度の周知を働きかけるなど、さらに多くの区民の方に御利用していただけるようPRに努めてまいります。  以上でございます。 ◆十番(あべ力也 議員) それぞれ御回答ありがとうございました。  区長がおっしゃられたように、子宮頸がんワクチンに関しては、本人の自己選択を基本に、丁寧に相談対応等をすることや、引き続き区民への子宮頸がんワクチンの正しい理解の普及にぜひとも努めていただきたいと申しておきたいと思います。  そして、何よりがん検診、これが大事だということでございますので、お聞きするところによると、二一・数%ということで、横ばいということでありますが、この受診率の向上に向けて、しっかり情報提供をする、そして、受診率を上げていくということで、今、三四・九%の目標ということですが、せめて半分ぐらいの方が受診できるような目標設定をしていただきたいと、これは要望しておきたいと思います。  あとは、公衆浴場に関してですけれども、スーパー銭湯とか同じような業態であるにも関わらず、公衆浴場は価格統制でサブスクリプションが導入できない、月額制が導入できないというのは、どうも不公平に感じて仕方がないわけでありまして、世田谷区内にも多くの公衆浴場事業者さんがいて、経営の継承に関して大変苦慮されているという状況でありますから、ぜひ世田谷の行政から国に対して、こうした法律の改正に向けてしっかり要望していただきたいと申し上げておきたいと思います。  あとは、成年後見でありますけれども、成年後見制度は、世田谷区の大変いい事業だと思います。法人後見というのは、人じゃなくて法人が後見人になるということですから、しっかりこれも宣伝していただきたいと思います。  以上で私の質問を終わります。 ○和田ひでとし 議長 以上であべ力也議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 次に、六番上川あや議員。    〔六番上川あや議員登壇〕(拍手) ◆六番(上川あや 議員) 初めに、外国籍の子どもが義務教育の対象者でないのをいいことに、区教委の就学状況の調査はなおざりで、不就学の児童が見過ごされているリスクについて伺います。  区は、二〇一五年三月、子ども・子育て応援都市を宣言しています。また、二〇一八年四月には、全国初となる国籍・民族差別を禁止する区条例を施行しています。加えて、本年四月より、区は二十三区で初となる区立の児童相談所を開設し、あらゆる場面で子どもの権利が保障され、最善の利益が優先されるまちづくりを目指すとしています。あわせて、区教委も渡部教育長自身、一人の子どもも置き去りにしない教育の実現こそモットーだとうたっています。  ところが、こうした美辞麗句とは裏腹の事態が、長年、区教委と区により放置をされています。外国籍の子どもが義務教育対象者でないのをいいことに、区教委の就学状況の把握はなおざりそのもので、私からを含め、議会で繰り返し出されていた改善要求に対しても、基本、就学案内に返信のない世帯にアンケートを送るだけ。その返信がなくても放置したままで、都内各区市で実施をされてきた電話調査も、訪問調査もないとしています。  このため、依然、今年度も三桁に上る外国籍の子どもは、就学の有無すら分からないままに放置をされ続けています。これで子どもの最善の利益を保障すると区役所が、一人の子どもも置き去りにしないと区教委が言い続けられる神経が不思議です。  国は、七月一日、都教委と都を介し、外国人の子供の就学促進及び就学状況の把握等に関する指針を本区、区教委にも通知をしています。これは、昨年成立した日本語教育推進法に基づき、各教育委員会、地方自治体が講ずべき事項を国が列挙したもので、まず基本として、外国籍の子も日本人と同じ学籍簿に基づき一体的に就学状況を管理、把握することを求めています。  その上で、就学案内に当たっては、外国人が日常生活で使用する言語を用いるよう配慮すること、就学案内に対して回答が得られない子どもについては、個別に保護者に連絡を取ること等、具体の対処を求めていますが、後段の二つについて区教委の対応はなおざりで、改善の余地が大きく残されています。  本区が就学案内で用いている外国語は、英語、中国語、ハングルにフィリピンのタガログ語の四つだけ。文科省がサンプルを示す七か語にも足りず、区内では、フィリピン籍より在住者の多いベトナム人のベトナム語、在留外国人第九位のインドは、大卒でも英語を流暢に話せる割合は三割とされますが、その公用語であるヒンディー語、同じく近年在住者が急増している人口第十位のネパールのネパール語にも対応がないままです。  そこでまず、就学状況未把握の子どもの国籍分布について説明を求めます。  あわせて、区の多文化共生条例は、その基本的施策で情報の多言語化等によるコミュニケーション支援を明記しています。ならば、同状況に見合った多言語化の努力は当然の責務であるはずです。実践を求めますが、いかがか、区教委の見解を問います。  また、前出の国通知が求めた就学案内に対し、回答が得られない子どもについての個別の保護者への連絡も、私が一昨年、議会事務局の協力を得て行った都内二十三区二十六市の調査では、日野市、国立市、清瀬市、武蔵村山市の四市で、連絡のつかない方、言葉の通じない方等への訪問調査が実施をされ、それぞれ不就学ゼロがしっかり確認されておりました。  一人の子どもも置き去りにしないが区教委のモットーならば、同様の徹底した調査をし、不就学ゼロを確認するべきではないですか。区教委の見解を問います。  この質問の最後に、区教委は既に、昨年九月の決算特別委員会の他会派の質疑に対し、全ての外国籍のお子さんの就学状況の確認を行う方向で、それぞれ関係所管と調整してまいりますとお答えになっていたはずです。ところが、今年度になっても答弁の履行はないままです。区教委は、議会での公式答弁を一体どのように捉えているのでしょうか。  本日の御答弁も単なる口約束に終わることを危惧するものですが、議会での約束をそもそも守るおつもりがあるのかどうか、区教委の基本姿勢を問います。  次に、罹災証明書発行業務の迅速化について伺います。  私がこの問題を取り上げるのは、昨年三月の質疑以来、一年半ぶりとなります。二〇一六年の熊本地震では、十六万件に上った罹災証明書の発行に四か月もの時間を要し、その発行が前提となる公的支援の提供まで遅れる事態となりました。その教訓から国は、罹災証明書の発行指針を改定し、一部損壊ならスマホの画像等で判定できる自己判定方式でも可としましたが、当区には対応がないままであることから、前回の質疑となりました。  当時の地域行政部長からは、答弁の冒頭、自己判定方式の有効性をお認めいただいた上で、今後は自己判定方式を導入している他自治体の事例も参考に課題を整理し、東京都をはじめ関係機関との調整を図りつつ、災害対策を担う関係所管と連携しながら、迅速かつ能率的な罹災証明書の発行体制について検討してまいりますとの御答弁をいただきましたが、こちらも一向に進展はないままです。  平時の発行体制の整理さえできない区に、災害時の迅速対応が期待できるとは思えません。罹災証明書の発行は、法律上も遅滞なく行う責務が区にあるのですから、これ以上時間をかけず、速やかな善処を求めます。改善の目途を含め、区の対応方針を問います。  続けて、本年六月の一般質問で私より提案をし、区から性的指向で差別をしない平等な処遇をお約束いただきました同性パートナーに対する新型コロナ傷病手当金の遺族支給についてです。  区は、新型コロナの感染者が死亡した場合に遺族が受け取ることのできる傷病手当金の遺族支給について、性的指向への差別を禁じる区条例の趣旨も踏まえ、同性パートナーにも申請できるようにすることを表明してくださいましたが、規定の整備は追いついていないと承知をしております。このところの新型コロナの感染者急増で、第三波の襲来が言われる中で、規定の整備にもスピードアップを改めて求めます。区の見解を問います。  最後に、区教委の児童生徒に対するハラスメント防止対策についてです。  私の一昨年九月の決算質疑、同じく本年三月の予算質疑を通して、区長部局の職場におけるハラスメント防止に関する基本方針が大幅改定され、新たに三つのハラスメント類型が追記をされました。  一つ目に、巧妙かつ陰湿に繰り返される言葉や態度で相手を傷つけるモラルハラスメント、二つ目に、LGBTに対するハラスメントであるソジハラスメント、三つ目に、民族・国籍差別等を抑止するレイシャルハラスメントです。  これに続き、先月の決算質疑では、区教委の教職員間のハラスメント防止の要綱にも同様の記述が必要でないかと改善を求め、教育政策部長より、区長部局に準じる形で要綱の改正を行う旨の御答弁をいただきました。しかし、同種の取組は、児童生徒に対するハラスメント防止の要綱にも取り入れられるべきものだと考えます。  現在、区教委の同要綱で抑止の対象とされているのはセクシュアルハラスメントの一つだけ。区立学校には、多様な民族、国籍の子どもたちが現に通う中、人種差別等を抑止するレイシャルハラスメントも規定をするべきですし、性的マイノリティーへの差別を抑止するソジハラスメントについても追記が必要だと考えますが、いかがか。区教委の見解を問います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎淺野 教育総務部長 私からは、外国籍の子どもに対する就学調査につきまして、三点御答弁申し上げます。  まず、就学状況を未把握の子どもたちの国籍分布と情報の多言語化についてです。  現在、就学先が把握できていない外国籍のお子さんの国籍の割合は、韓国、中国のお子さんが全体の約四割を占めており、次にアメリカやインド、イギリスが多い状況となっております。御指摘のその他のアジア諸国の国籍を持つお子さんも見られます。  昨年度、就学先を把握していない外国籍のお子さんを対象としたアンケートを実施するに当たり、外国籍のお子さんの人数が多い国籍を確認し、既に翻訳を添付している言語や英語圏の国を除くと、次にフィリピン国籍のお子さんが多かったため、新たにタガログ語の翻訳を追加することといたしました。  今後とも、さらに多言語化を推進し、外国籍の御家庭が安心して就学を検討できますよう努めてまいります。  次に、就学案内に対し回答が得られていない子どもについての個別の保護者への訪問調査等についてです。  区ではこれまでも、多言語による全家庭への就学案内の周知、就学先を確認するアンケート調査、出入国状況の確認、福祉所管との連携による訪問等、外国人の就学先の把握に取り組み、安否確認ができましたが、依然として就学先が不明なお子さんもいる状況です。  区といたしましては、外国籍のお子さんも含めて不就学のお子さんがゼロになることを目指し、文部科学省が昨年七月に示した外国人の子供の就学促進及び就学状況の把握等に関する指針を参考にしまして、就学先の確認に対し回答がない全ての家庭への電話連絡や訪問等、有効な確認の手法を関係所管と連携して検討、実施してまいります。このことにより、全ての子どもの学びの権利が保障されるよう努めてまいります。  最後に、就学調査の徹底についてです。  区では、昨年九月の議会での質疑を踏まえまして、翌月より就学先を教育委員会で把握していない外国籍のお子さんがいる全ての世帯を対象に、四か国語の翻訳をつけて就学先アンケートを実施しました。今年度も未回答者へ再度送付しております。あわせて、厚生労働省の乳幼児健診未受診者、未就園児、不就学児等の状況確認調査においては、福祉所管と連携し、就学先を把握できていない外国籍のお子さんの世帯への訪問調査の際に就学先の確認をするなど、就学先の把握に努めてまいりました。  先ほども申し上げましたが、電話連絡や訪問等あらゆる有効な方法を検討、実施し、不就学ゼロに向けて着実に取り組んでまいります。  以上です。 ◎清水 地域行政部長 私からは、罹災証明書について御答弁をいたします。  罹災証明書を早期に発行するため、被災者が自ら撮影した写真から判定する自己判定方式を活用することができるように、内閣府において被害認定基準運用指針が改定されています。自己判定方式は、瓦等の落下や窓ガラスの破損等、住家の損害割合が明らかに軽微であり、被災者が一部損壊という調査結果に同意できる場合、調査員による現地調査を行わず、被災者の方が撮影、提出した写真等により被害認定を行います。令和元年台風第十九号のように災害救助法の適用を受けるような大規模災害の場合には、生活再建支援策が追加、変更されることがあることから、前提条件が変わる可能性があり、その結果、同意の形成が難しくなることが課題として挙げられます。  自己判定方式の導入により、被害認定に係る調査人員や交付までの時間短縮につながることが期待されます。今年度中をめどに、自己判定方式に活用できるよう写真の撮り方などの案内を用意し周知することによって、大規模災害時に自己判定方式も取り入れることができるよう進めてまいります。あわせて、災害対策を担う関係所管と連携の上、職員体制や機材の確保も含めた環境整備に努めてまいります。  以上です。 ◎澁田 保健福祉政策部長 私からは、同性パートナーに対する新型コロナ傷病手当金の遺族支給についてお答えいたします。  区は、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、今年五月、区長専決処分により国民健康保険条例を改正し、国保被保険者が新型コロナウイルス感染症に感染したため労務に服することができない場合など、一定の要件を満たす者に対する傷病手当金の支給を開始いたしました。  お話にございました同性パートナーに対する傷病手当金につきましては、国保被保険者の遺族である配偶者に支給する場合と同等に支給できるよう、年内を目途に規定の整備に取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎池田 教育政策部長 教育委員会では、学校における教員間の様々なハラスメントを防止するため、区長部局に準ずる形で、国籍などに起因するレイシャルハラスメントなどについてもハラスメントの対象とする要綱改正の手続を進めているところです。  また、現在、教職員による児童生徒を対象としたハラスメントを防止するための要綱につきましても、必要な要綱改正を行うための検討を進めております。  現在の世田谷区立学校等における児童生徒等に関するセクシュアルハラスメントの防止に関する要綱は、その名称のとおり、セクシュアルハラスメントのみをハラスメントの範囲としておりますが、国籍などに起因するレイシャルハラスメント、性的指向、性自認に係るソジハラスメントなどについても対象範囲に含める必要があると考えております。  子どもたちの人権が損なわれることはあってはならないことであり、早急に要綱改正を行うとともに、教員への啓発や研修の充実に向けて取り組んでまいります。  以上でございます。 ◆六番(上川あや 議員) それぞれ前向きな御答弁はいただいたんですが、御答弁の後、しっかり実施していただくかどうかが大変重要だと思うんです。  渡部教育長に二点伺いたいと思います。  まず、就学案内に用いる言語をさらに多言語化する方向での御答弁をいただきましたが、以前もこの同様趣旨での質問をしております。その際、区教委がしたことは、タガログ語たった一言語を増やしただけだったんです。小出しに改善するのではなくて、必要性に照らして、しっかりこれは改善をするべきだと思っています。小出しにすることを危惧いたしますけれども、果たして、きめ細かな対応をするのかどうか伺います。  あともう一点。もう一つは区教委の議会答弁、いわば区民に対する約束に対する基本姿勢です。今回の御答弁も、前回同様、ほごにされるのではないかと私は危惧いたします。本日の御答弁は守っていただけるのかどうか、いま一度の御答弁を求めます。    〔渡部教育長登壇〕 ◎渡部 教育長 再質問にお答えします。  一点目の多言語化につきましては、区における外国人の国籍の分布、さらには把握できていない子どもたちの国籍等を基にして必要な言語を把握し、早急に整備を進めることとし、子どもたちが迷うことなく学びが得られるよう取り組んでまいります。  二点目の子どもの就学先についてです。  所管部長より答弁をさせたことについては、今後間違いなく取り組んでまいりますが、今回のことにつき、議会より御指摘をいただきながらできていなかった就学先の確認につきましては、把握できていなかった子どもたちに誠に申し訳ないことと思います。このようなことがないよう、教育長として責任を持って組織運営を行ってまいります。  以上でございます。 ◆六番(上川あや 議員) 有言実行を期待し、その結果を見守ってまいります。  以上で私の質問を終わります。 ○和田ひでとし 議長 以上で上川あや議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 次に、十五番加藤たいき議員。    〔十五番加藤たいき議員登壇〕(拍手) ◆十五番(加藤たいき 議員) 初めに、不妊治療費助成についてです。  この件は代表でもありました。同年代の方々から深刻な悩みもいただいており、平成三十年度にも質問しましたが、区の取組の改善が全くなく、改めてもう一度伺います。  この少子化の現在では、育てやすい等の子どもが生まれてからの子育て施策は拡充傾向ではありますが、根幹である産みやすいが、国のほうでも省庁間で抜け落ちている気がこの間してなりません。ようやく菅首相の口から保険適用の話が出ました。令和三年度予算に組み込む可能性が一部報道から出ましたが、先行きが不透明な中で待っていられない施策の一つであり、来年度保険適用されるのであれば、その波に乗ればよく、たとえ単独でも早急に始めるべきことだと思い伺っていきます。  都は、助成を受けられる方の世帯年収を七百三十万円から昨年度九百五万円に引き上げられ、多少は拡充しましたが、根底である不妊治療をされている方たちの世帯収入の壁という課題にリーチしているかというと、甚だ疑問です。  精神的負担が計り知れないと言われている不妊治療ですが、体外受精には一周期約三十万円かかるように、金銭的負担も大きい中で、現状の不妊治療の課題を見ないで少子化を憂うような発言が他方で出てしまうこと、金銭的事情で子どもを諦めざるを得ない現状を容認してしまっていることは、私は健全な世の中とは言えないと思っております。  世帯年収引上げになった昨年度の区の実績を見ると一千二百八十七件、約一億円、仮に所得制限を撤廃した場合の所得別の人数分布をシミュレーションすると、百九十三件増の一千九百三十万円という数字が出てきました。金銭面でははかれないものですので、これは過去にも言いましたが、港区のように壁の撤廃をすべきです。  前述したように、国の動きの中でも収入の上限撤廃も出てきてはいますが、どちらになろうが利用者には恩恵があるわけで、世田谷区の気概を見せていただきたいと思います。伺います。  次に、現況、後申請ですが前倒しにできないかです。  個人的な心情論が多分に入ってしまいますが、子どもを諦めるという結論の最後でしか申請できない夫婦、申請をした夫婦を想像してみてください。金銭的負担が大きいと先ほど述べましたが、何百万円と使いながら治療をやめる決断に至った御家庭もあります。  平等に子どもを持てる環境を構築するためにも、中途決済等の考えを行政も持つべきです。伺います。  この件の最後は、男性不妊治療費助成の創設です。  この件も平成三十年度に聞きましたが、この数年で特別区でも助成を始めている区が多くなっている中で、世田谷区は何も動いてきませんでした。全く同じ発言をあえて少しさせていただきます。男性側の要因で子どもができないケースを聞くようになっています。ブライダルチェックでは、男性の三人に一人はトラブルを抱えているとも言われております。  世田谷区でも、男性不妊治療費助成を創設すべきです。見解を伺います。  次に、災害対策についてです。  昨年、関東地方や東北地方などで記録的な大雨となり甚大な被害をもたらした通称令和元年東日本台風は、世田谷区内においても大規模な浸水被害をもたらしました。台風被害当日は様々な混乱が生じ、議会でもこの間、多くの議論がありました。今年度も、コロナ禍で再び大きな台風による水害が起きることを大変憂慮しておりましたが、杞憂になり大変安堵をしております。しかしながら、今般いつ起きるか分からない集中豪雨は喫緊の課題にもなっていますし、毎年起き得る台風に備えて、これまで以上に手厚い施策を打っていくべきという観点から伺います。  昨年の十月十二日から未明にかけて、この世田谷区に台風十九号が直撃し、豪雨被害や多摩川の氾濫等がありました。夜間から避難所では混乱を来たしていたと、後に世田谷区でも公式に認めているわけですが、その際に大きく問題になったのは、避難所の状況が見えなかったことです。当初の予定では開いているはずの避難所が開いていない、ゆえにたらい回しのケース、避難所にかなりの人数が入ってしまい入れない等です。  本庁に設置した本部でも状況を把握できていなかった上に、ホームページも落ちてしまい情報が錯綜してしまいました。同じような過ちを犯さないためにも、区民向けの情報の可視化というのは必要ではないでしょうか。  今年の十一月二日に株式会社バカンが豊島区と災害発生時における避難所の混雑情報配信に関する協定を締結するとのプレスリリースがありました。豊島区が災害発生時に避難所を開設する際、バカンが避難所のリアルタイム混雑情報配信を行うインターネットサービスを提供し、配信。リアルタイム空き情報配信プラットフォームを利用して行われ、マップ上で近くの施設等の空き・混雑状況を一覧できる機能があり、避難される方はPCやスマートフォンでアクセスすることで、各避難所の位置や混み具合を確認することができます。混み具合の情報は、各避難所の職員がインターネット上の管理画面から操作することで更新できるそうです。  世田谷区でも豊島区のようにこういった仕組みを導入すべきではないでしょうか伺います。  次に、具体的な浸水被害に対応するための施策です。
     区では、前述した台風被害を契機に、水害に関わる情報を整理し、事前の備えに役立ててもらうために洪水ハザードマップを改定しました。これまでよりも詳細に浸水の深さを表示して区民への周知を図りましたが、これにより新たに浸水が予想される区域となった方からも戸惑いの声が届いています。  区では、浸水が予想される区域内に建築する際など、浸水予防対策の届出をお願いしており、その手法として、地下を計画する際には排水ポンプを設置することや、建物の床を高床とすること、また、止水板の設置などを例示していると聞いています。  規制とまでは言いませんが、浸水予防対策を区からお願いしており、対策に当たっては何らかの負担が生じると思います。区民の財産に関わることについてお願いをするのであれば、それに対して施策の強化は必要かと思います。絶対高さが用途地域や高度地区に基づき決まっている中で、高床にするのであれば、床面積が十分に取れず、なかなか施主にとっては受け入れれにくいのが事実です。  とすれば、時限的に高さ制限を緩和できないかという考え方も出てきますが、用途地域の変更となると世田谷区全域に及び、また、日影などの周囲への影響を考えると、やはり難点が多分にあると理解しています。であるならば、止水板の設置など、建物を建てる際などに何かしら区の支援が必要ではないかと考えます。区では、豪雨対策として雨水流出抑制施設の設置助成をしていますが、既存の建物にお住まいの方々の活用も難しいのが現実です。  その上で、調布市は昨年の被害を受けて今年九月より、市のハザードマップ浸水予想区域内の建物所有者などを対象に、止水板やポンプ設置等に助成制度を設けました。区でも考えられないか伺います。  次に、せたがやPayについてです。  代表質問の答弁において、一過性ではなく恒久的なインフラとして構築すると認識しました。ただ、これまでも世田谷区内共通商品券がありましたが、商店街の方々の御尽力もなかなか難しく、お世辞にも区内貨幣として流通したとは言えず、同じ轍を踏むおそれがあります。電子マネーは、ペイペイ等の大手の一日の長があり、新規参入をしても勝負にならないのではないでしょうか。  現実問題、プレミアムがつかない時期においてはアプリを開かない、削除すらされてしまう懸念も。とすると、決済機能だけではない付加価値が必要です。例えば、先ほど述べた避難所混雑情報だったり、GPSを使い近場の商店街に誘導したり、イベント情報等を。また、マップアプリと連動し、AEDの設置場所のピン刺しも可能ではないでしょうか。AEDに関しては過去に何度も指摘していますが、区の所管が点在化しており、必要なときに一刻を争うものなのに、一括で設置場所を区は把握していません。  経済産業部の予算ではありますが、所管を横に結び、複合的なアプリにすべきと考えます。このアプリは、利用者がいて初めて経済対策の側面が出ます。事業者側だけを見るのではなく、利用者の利便性を整えるべきです。見解を伺います。  最後に、犯罪被害者支援条例についてです。  この件も過去に質問しました。その際に、世田谷区民誰もが明日にでも犯罪被害者になり得る中で、当事者になった場合にその気持ちを酌むことで心を軽くすることができるのであれば、行政もその一端を担う策を考えるべきだと発言しております。加害者は服役等によって更生の時間が与えられますが、被害者はどこに行こうと精神的しこりは一生涯付きまとう可能性すらあります。  平成三十年に犯罪被害者条例の制定を求める陳情が区議会に提出され、十二月、第四定例会で全会派が趣旨採択に至りました。その上で、後に世田谷区は条例化に向けて進んでいくとの発言がこの間ありました。そこで私が懸念していることが、ただの理念条例になってしまうのではということです。近頃、区の条例制定や策定中のものの幾つかは、条例をつくるまでが目的となっている嫌いがあります。条例は言わずもがなですがゴールではなくスタート地点であり、運用されて初めて真価が問われるわけです。  この犯罪被害者支援条例の策定に当たっては、しっかりと守るべき方々が守られる、実効性が担保されて初めて条例ができ上がったと言えるのではないでしょうか。ですので、区の姿勢だけがフォーカスされるものではなく、現実的な相談体制等の構築をまずは求め、その後で条例化にすべきだと思いますが、見解を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎辻 世田谷保健所長 私からは、不妊治療費助成について、まず、所得制限の撤廃についてお答えいたします。  区の特定不妊治療費の助成につきましては、東京都特定不妊治療費助成制度の上乗せ助成として実施をしております。昨年度、都の所得制限緩和を受け、区においても夫婦の合算所得の上限額を七百三十万円以下から九百五万円以下に緩和した結果、令和元年度の助成件数は千二百八十七件となり、平成三十年度の千九十件と比べ一八%上昇いたしました。  現在、国においては、不妊治療の保険適用や既存の補助制度の拡充の議論をはじめ、所得制限を撤廃し幅広い世帯を対象とする方針を打ち出したことが報道されており、区としても制度への影響等を注視しております。このような状況に鑑み、今後の財政的な持続可能性なども勘案して、区の特定不妊治療費助成制度の在り方等を検証してまいります。  次に、治療代の中途決済についてお答えいたします。  区の特定不妊治療費助成は、東京都特定不妊治療費助成制度の上乗せ助成として実施をしており、治療費が都の助成額を超えた分を限度額の範囲で区が助成する制度でございます。  都は、不妊治療をする方の主治医の治療終了や一時的な中断の判断をもって助成対象とし、治療前や治療の途中での対応を行っておりません。また、区はその都の決定を確認し申請を受け付けております。そのため、議員御指摘の治療前や治療の途中に申請を受け付けることは難しく、時には治療の成果が思いどおりに至らず、不妊治療が中止となった方の申請を受け付けることもございました。  なお、各総合支所のネウボラチームでは、妊娠に関する様々な悩みや相談に対応しており、今後とも、不妊治療に悩む方々も含め本人の気持ちに寄り添い、対応するように努めてまいります。  最後に、男性不妊治療の創設についてでございます。  区では、現在、東京都特定不妊治療費助成制度の承認決定を受けている区民を対象に、特定不妊治療の体外受精及び顕微授精にかかった費用の一部を助成しております。お話しの男性不妊治療につきましては、都が費用助成の対象とする一方で、区では不妊の原因が女性のみならず男女双方にあることを認識しつつも、これまで区民のニーズ等を十分に把握できていないことなどから、費用の助成を見合わせてまいりました。現在、二十三区中十一区が都の男性の不妊治療費助成の上乗せ助成を実施するなど、以前に比べ増えつつあります。  区といたしましても、他の自治体の動向を踏まえ、区民の男性不妊治療の実態を把握しつつ、制度導入の効果等について検証してまいります。  私からは以上です。 ◎菅井 危機管理部長 私からは、避難所の混雑状況をリアルタイムに発信する仕組みの導入について御答弁申し上げます。  昨年の台風第十九号を踏まえ、風水害対策総点検を実施し、具体的な取組として、管理職のスマートフォンにラインワークスを導入することで、各避難所の避難者数や受入れ状況などを迅速に把握し、その情報を速やかに区のホームページやツイッターなどにより情報発信できる体制を構築しております。  議員お話しの豊島区の事例につきましては、インターネットを活用して避難所の混雑状況をリアルタイムに分かりやすく区民に伝達することができる点で、大変効果的であると考えております。今後、関係所管と調整しながら導入に向けまして具体的に検討し、コロナ禍における避難所の密集対策や区民の適切な避難行動に寄与できるよう全力で取り組んでまいります。  以上です。 ◎桐山 豪雨対策推進担当参事 私からは、新たに止水板設置などの助成制度を設けることについてお答えいたします。  区では、豪雨時における建物の浸水被害の軽減や防止を図る対策としまして、土のうの備えをはじめ、止水板や排水ポンプの設置などの事例を区の広報紙やホームページ等で周知しております。さらに、洪水・内水氾濫ハザードマップの浸水想定区域内に建築する際には、建築主から浸水予防対策を区へ届けていただき、必要に応じて助言するなど、浸水被害に備えた家づくり、まちづくりを推進しております。また、浸水対策の自助の取組への支援としまして、土のうステーションの整備に力を入れ、台風接近前には多くの土のうを活用いただいており、増設要望もあることから、今後も増設していく考えでございます。  止水板の設置助成の創設につきましては、公的補助としての是非をはじめまして、助成の在り方などを現在検討中でございます。  区といたしましては、引き続き豪雨対策としてグリーンインフラの整備に力を入れるとともに、浸水被害に備えた家づくり、まちづくりの取組に努めてまいります。  以上でございます。 ◎田中 経済産業部長 私からは、せたがやPayについて二点答弁いたします。  まず、大手事業者との違いです。  せたがやPayは、既存の大手電子決済サービスのような全国的な大型店やチェーン店がPR、キャンペーンを実施しやすい仕組みとは異なり、世田谷の商店街や個店が地域の方に電子クーポンやセール情報などをお知らせすることが気軽にでき、新規顧客やお店のファンをつくっていくことができる仕組みを目指しております。  次に、アプリの利便性についてです。  御指摘のとおり、地域の情報をせたがやPayアプリに載せることで、地域の方に、より一層使っていただける可能性があると考えております。せたがやPayが区民に選ばれるアプリとなるよう、ユーザーの声や興味、関心のある事業者から意見を聞き、せたがやPayを運営する関係者で活発に意見交換をしてまいります。  私からは以上です。 ◎松本 生活文化政策部長 私からは、犯罪被害者支援条例についてお答えをいたします。  平成三十年第四回区議会定例会での趣旨採択を受け、区では学識経験者、警察、犯罪被害者支援機関などの御協力をいただき、犯罪被害者等支援検討委員会を設置し、犯罪被害者等支援の方向性などの検討結果を取りまとめ、本年九月の区民生活常任委員会へ報告したところでございます。  検討委員会では、東京都や警察、支援機関との連携が極めて重要であり、身近な自治体に支援の窓口を設けることが大切であるとの観点から、まずは、区の中に関係機関との連携と相談を行う窓口を設けることが提言されました。また、条例については、区の姿勢を示す上で制定することは望まれるが、相談窓口で被害者の声を直接聞き、相談事例や具体的な対応を蓄積しながら、区としての支援策を盛り込んだ条例とすべきとの御意見を頂戴しております。  こうしたことから、区では、相談窓口の設置に向け関係機関や庁内調整を進めておりますが、条例につきましては、検討委員会の御意見や先行自治体の取組を踏まえ、事例対応を行う中で具体的な支援策とともに検討してまいります。  以上でございます。 ◆十五番(加藤たいき 議員) 男性不妊治療の件なんですけれども、先ほど答弁で、把握していなかったから見合わせたということで、平成三十年度に質問しているわけです。だったら、把握に向けて動いてくれないと、やっぱりおかしいと思いますよ。  そう言っても、ほかの時間がなくなっているので、違うのに行きますけれども、依命通達で一律一〇%の減額予算で、多分、職員の方々は今大変御苦労されていると思うんですけれども、一般会計予算の比率で見ると、人口が多くて福祉枠が多くなるというのは理解できるんですけれども、それを鑑みても、都市整備に対して予算が薄くて、学校建て替え等のハードの切りやすいものを切るというのは到底理解できないので、こういったところ、生命と財産を守るという観点からも都市整備にしっかり力を入れてください。 ○和田ひでとし 議長 以上で加藤たいき議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後三時十七分休憩    ──────────────────     午後三時三十分開議 ○和田ひでとし 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 この際、議事の都合により本日の会議時間をあらかじめ延長いたします。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 一般質問を続けます。  三十番高久則男議員。    〔三十番高久則男議員登壇〕(拍手) ◆三十番(高久則男 議員) 質問通告に基づき順次質問いたします。  最初に、保険者努力支援制度について伺います。  二〇一五年に成立した医療保険制度改革関連法により、保険者努力支援制度が創設されました。この制度は、国保保険者による医療費適正化への取組など、保険者機能の強化を促す観点から、適正かつ客観的な指標に基づき、都道府県や区市町村ごとに保険者としての取組状況や実績を点数化。それに応じて国から交付金を交付するもので、国保の財政基盤を強化する目的で施行されました。  今年度の交付金は、都道府県分五百億円、区市町村分五百億円で合計一千億円の予算額となっております。直近の保険者努力支援制度における当区の実績では、九百九十五点満点で三百二十三点。全国千七百四十一自治体中千六百七十六位、東京都六十二自治体中四十九位で、それに対する令和二年度交付額は二億一千三百万円になっております。  最初に、保険者努力支援制度における当区の順位は、なぜこのような下位になっているのか、区の認識をお聞きいたします。  この制度では、特定健診受診率や糖尿病の重症化予防、個人インセンティブ、後発医薬品の取組などが主な評価項目となっております。今日は、点数が低く、今後点数アップを図ることが必要とされる三項目について順次質問いたします。  一点目に、特定健診受診率、特定保健指導実施率等の実績ですが、百九十点満点でマイナス三十五点となっております。当区として、この点数を引き上げるための取組をどのように進めていくのかお聞きいたします。  二点目に、後発医薬品の促進の取組、使用割合についてです。当区では、ジェネリック医薬品の希望シール配布や差額通知案内を実施しているとのことでありますが、ジェネリック医薬品利用率について、平成三十年度は全国平均で七八%であるのに対し、世田谷区では六七%にとどまっており、百三十点中十点と極めて低い水準になっております。例えば、ナッジ理論におけるオプトアウト方式を活用し、処方箋に医師が先発品を指定しない限り、ジェネリックを使用するような取組は検討できないでしょうか。見解を伺います。  三点目に、区民の予防、健康づくりの取組や成果に対しポイントを付与し、そのポイント数に応じて報奨を設けるなどの個人インセンティブ、分かりやすい情報提供についての実績は百十点中二十点であります。例えば、大阪府では特定健診を受けた人に三千円相当の電子マネーを付与する事業を昨年度からスタート。医療費を抑えて国民健康保険の負担減を目指すために、健康に努める人にキャッシュバックを行うものであります。代表質問でも取り上げましたが、当区においても健康ポイント制度を導入し、特定健診やがん検診を受診した際のポイントの付与や運動機能向上の取組へのポイント付与など、個人インセンティブの取組を本格的に導入することを求めます。見解を伺います。  次に、不育症について伺います。  私は以前、不育症の方から御相談をいただき、平成二十二年に不育症について質問をいたしました。不育症とは、妊娠はするものの流産や死産、早期新生児死亡などを繰り返す状態を言い、厚生労働省によりますと、患者数は全国で約百四十万人に上るとのことです。現在、不育症の症状があっても適切な治療をすることにより、八割以上の人が出産に結びついているとの研究結果もあります。子どもを授かりたいと願う夫婦の経済的負担を少しでも軽減し、出生率の向上につなげていくことは、子どもを持ちたい人に希望を与えることになります。その意味からも、不育症に対する支援は極めて重要なことと認識いたします。  現在、国でも不育症対策に関するプロジェクトチームを立ち上げ、支援に当たる関係団体への聞き取りを実施し、早ければ年内にも支援策を取りまとめ、来年度予算に反映させることを目指すとしております。しかし、不育症の検査や治療は一部を除き保険適用されず、高額な自己負担がかかっております。各自治体では不育症に対する支援を進めており、現在、多くの自治体で何らかの助成事業を行っております。  例えば、東京都では、不育症検査助成事業を今年度よりスタート。夫婦一組で検査費用一回五万円を上限に支援しております。現在、三か月間で二百六十七件の申請が来ているとのことです。また、神奈川県大和市では、三十万円の検査・治療費の助成を行っております。同市では、平成二十三年十月から平成二十七年の三月までの三年半の間、延べ二十七件の補助金を拠出し、そのうち八五%は出産に至ったとの報告がありました。  ここで質問いたします。不育症について、まずは国において全国一律の助成制度を目指すべきと考えますが、国の助成制度ができるまで、当区としても少子化対策の上から、また、子どもを授かりたい人に希望を与えていく上からも、不育症の検査・治療費に対する区独自の支援策を早急に検討すべきと考えます。見解を伺います。  最後に、暮らしの保健室について伺います。  身近な場所で、誰もが予約なしで医療や介護、健康など、暮らし全般の相談が無料で受けられる施設として有意義に活動しているのが暮らしの保健室です。  以前、会派で視察に伺った新宿区の都営戸山ハイツに開設された暮らしの保健室では、高齢化率五〇%を超える団地の中で、医療相談に対応できる看護師が常駐し、気軽に立ち寄れるスペースとして、高齢者の孤立、孤独化の防止にも大きな役割を担っておりました。  我が会派では、身近な場所で看護師などの専門家に医療や介護、生活に関する悩み事をいつでも気軽に相談できるだけではなく、ふらっと立ち寄りお話しできる場として、暮らしの保健室を特に高齢化率が高く、単身者高齢者が多く暮らす都営・区営住宅や公社など公的集合住宅に整備すべきと求めてまいりましたが、区では、あんしんすこやかセンター、まちづくりセンター、社会福祉協議会の三者連携による身近な福祉の相談窓口で様々な相談を受けていること、また、区民からの相談ニーズに対しては、アウトリーチをして対応しているとのことなどの理由で、整備には否定的な見解でした。  しかし、二十八か所の地区には高齢者人口の地域偏在もあり、福祉の相談窓口まで出向いて相談に行くのには困難な高齢者もおります。さらに、あんしんすこやかセンターの職員が多くの業務を抱えながら訪問活動を行うのにも限界があります。その意味からも、身近な場所で気軽に相談できる常設の暮らしの保健室の整備は必要であると考えます。  また、暮らしの保健室に関する調査報告によりますと、暮らしの保健室の運営母体は、病院、診療所と訪問看護を併せ持っている医療法人や学校法人等の民間事業者が主な運営事業者となっているようです。例えば、医療系大学が運営している愛知県内の事業所では、学生が暮らしの保健室のスタッフとなり、多世代の人との交流を築き上げ、大学が地域包括ケアシステムの一つの資源として、地域共生社会に向けて大きな役割を担っているとのことです。また、区内においては現在、医療法人が暮らしの保健室を運営し、民間主導による新たな取組も始まっております。当区としても、このような医療法人や学校法人などの民間事業者が、区内で新たな取組を推進していくよう支援していくことが必要と考えます。  ここで二点質問いたします。  一点目に、暮らしの保健室の必要性について区の認識を伺います。  二点目に、あんしんすこやかセンターなどと連携しながら、暮らしの保健室で区民が医療や介護、健康など暮らし全般の相談を無料で受けられるよう、例えば、民間事業者にプロポーザルで提案をしていただき、区の施設を貸し出すなど、区として民間事業者による新たな取組を積極的に推進していくことを求めます。見解を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎澁田 保健福祉政策部長 私からは、保険者努力支援制度について四点お答えいたします。  まず一点目、実績に対する認識についてでございます。  保険者努力支援制度は、保険者の収納率向上や医療費適正化など、国保が抱えている課題への取組に対し、国の定める評価指標に基づき得点が加点され、その合計点と被保険者数により交付金が算定される仕組みとなっております。  評価指標ごとの区の得点を見ますと、重症化予防の取組や重複服薬者に対する取組、データヘルス計画策定状況など四項目については満点を獲得しております。一方で、特定健診等の受診率、後発医薬品の使用率、個人へのインセンティブの提供などの項目では得点が低い状況となっております。中でも特定健診の受診率の項目は、区の特定健診の受診率が伸び悩んでおりまして、得点が得られなかったこと、特定保健指導の受診率が一〇%未満であったことなどにより、さらに減点がされたことによるものです。  今後、得点を増やしていくためには、特定健診受診勧奨等の既存の取組を着実に進めていくとともに、新たな事業にも取り組んでいく必要があると考えております。  二点目でございます。特定健診や特定保健指導の実施率等の向上の取組についてでございます。  区では、特定健診受診率の向上に向け、過去の受診履歴から対象者をタイプ別に分類して、受診勧奨通知を送付しておりますが、新たに今年度から両医師会の協力を得まして、対象者が医療機関を受診した際に、医師から患者へ健診の受診を促す受診勧奨カードを配付しております。また、メタボ該当者及び予備軍を減らすためには、特定保健指導の受診率を上げて対象者の生活習慣を改善する必要があることから、これまでの電話による利用勧奨に加え、新たにスマートフォンのショートメッセージによる勧奨なども検討をしております。  今後につきましても、勧奨効果を上げている他自治体の取組を積極的に取り入れ、様々なアプローチを通じまして、特定健診及び特定保健指導の受診率向上を目指してまいります。  三点目でございます。ナッジ理論やオプトアウト方式を活用したジェネリック医薬品の利用促進についてお答えいたします。  ジェネリック医薬品の利用促進は、被保険者の負担軽減や医療保険財政の健全化の観点から、各保険者の積極的な取組が求められているところでございます。  区では、国民健康保険証やお薬手帳に貼りつけるジェネリック医薬品希望シールをくみん窓口や出張所等の窓口で希望者に配布するとともに、二年に一度の保険証更新時にもこのシールを同封し、発送しております。また、先発医薬品による投薬治療を受けた被保険者で、ジェネリック医薬品に変更した場合の薬剤削減額が百円以上の人を対象に、ジェネリック医薬品差額通知を年二回、合計約四万件発送しており、利用率向上に向けた取組を実施しております。  御提案いただきました処方箋に関する取組でございますが、被保険者だけでなく医師や医療機関、薬局など多方面に影響が及ぶため、世田谷区単独での導入にはハードルが高いと考えますが、区内の医師会、歯科医師会、薬剤師会の委員で構成いたします保険事業検討会を活用しまして、引き続きジェネリック医薬品利用率アップにつながる施策を検討してまいります。  最後に、世田谷版健康ポイント制度を導入し、個人へのインセンティブ提供を導入すべきという御質問にお答えいたします。  保険者努力支援制度におきましては、区市町村が住民の予防、健康づくりの取組や成果に対しまして、ポイント等を付与し、ポイント数に応じて報奨を設けるなどの事業を実施した場合、個人へのインセンティブの提供として特典が得られます。配点や一点当たりの交付金額などの基準は年度により異なりますが、令和二年度の基準に照らしますと、個人へのインセンティブの提供事業を実施した場合、交付金は約二千万円の増となります。  区といたしましては、個人へのインセンティブ提供事業、具体的には健康ポイント事業の実施に向けた検討を進め、区民の健康の保持増進を図るとともに、さらなる財源の確保に努めてまいります。  以上でございます。 ◎辻 世田谷保健所長 私からは、不育症の区の支援についてお答えいたします。
     不育症の検査や治療費につきましては、現在、一部は健康保険の適用があるものの、その多くが自己負担によることは認識をしております。  令和二年一月より、東京都は東京都不育症検査助成事業を開始したほか、都内では、奥多摩町と清瀬市で不育症の治療費の助成を行っております。また、国が不育症の治療支援、作業チームをつくり検討を開始したと報道されております。  区といたしましては、議員お話しのありました先行する他自治体の動向や国の動きなどを注視しつつ、新たな財政負担も生じますことから、国や都との役割なども踏まえ、不育症の区の支援について検証してまいります。  以上です。 ◎長岡 高齢福祉部長 私からは、暮らしの保健室につきまして、二点の質問に併せてお答えいたします。  お話しの暮らしの保健室は、訪問看護ステーションなどの民間事業者が主体となって、高齢者施設などにおいて気楽に立ち寄れる医療相談等をしており、区といたしましても、そのような活動が有意義であると認識しておるところでございます。  区では、区内二十八か所の徒歩でも通える生活圏域内におきまして、あんしんすこやかセンター、まちづくりセンター、社会福祉協議会の三者が連携した福祉の相談窓口を開設し、様々な相談を受け付けております。あんしんすこやかセンターは、保健師か看護師、社会福祉士、主任ケアマネジャーなどの専門職員が常駐し、医療、介護、健康などの暮らし全般の相談を受けております。御要望があれば、地域の中に出向き戸別訪問も行い、様々な相談に応じております。  区内におきましても、都営下馬二丁目団地周辺では、あんしんすこやかセンター職員と地域の医療機関の訪問看護師が協力し、出張暮らしの保健室を実施しておる等、同様の事例がございます。  今後も、民間事業者が実施しています暮らしの保健室から相談等の御要望があれば、あんしんすこやかセンターが出向くなど、連携して柔軟に対応してまいります。  以上でございます。 ◆三十番(高久則男 議員) 御答弁ありがとうございます。  時間がないので、一点だけ再質問したいんですが、保険者努力支援制度、これはコロナ感染症の影響で世帯分の税収が大幅に減少する中で、このような保険者努力制度による取組は、自治体の頑張りによって区に直接交付金が入るということで、非常に有効な手段と思います。特にこの個人インセンティブは、実施しただけで二千万が入ってくるということですが、しっかり制度として整えていきたいということをお願いします。  それで、いつまで、どのようなスケジュールで行うか、一点お聞きいたします。 ◎澁田 保健福祉政策部長 再質問にお答えいたします。  健康ポイント事業の実施時期でございますが、所管部といたしましては、令和三年度前半までに事業内容や規模などを整理いたしまして、その後、議会への御報告、また御意見をいただいた上で、令和四年度の実施を目指しまして、検討、調整を進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○和田ひでとし 議長 以上で高久則男議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 次に、二十八番菅沼つとむ議員。    〔二十八番菅沼つとむ議員登壇〕(拍手) ◆二十八番(菅沼つとむ 議員) 質問します。  最初に、高齢者に冷たい世田谷区についてお聞きします。  第一に、ふじみ荘は高齢者の生きがいの居場所が廃止になります。代わりに大蔵第二運動場、千歳温水プール、民間スポーツクラブを考えていますが、ふじみ荘の代わりになるのか、後期高齢者が行ける場所なのかお聞きします。  第二に、ふれんどバスを一台分予算を増やして増便しても、大蔵運動場、千歳温水プールに高齢者が行きたがる施設か聞きます。  第三に、敬老の日の長寿のお祝いの慶祝品は八十八歳も廃止、百歳のお礼も半額になります。また、老人性白内障特殊眼鏡事業も廃止、また、高齢者配食サービスも廃止、また、コロナ対策で高齢者クラブがほとんど活動していません。せめて高齢者の活動の拠点である地区会館を廃止にしないでいただきたい。お聞きします。  次に、東急バスによる都立大学駅北口より成城学園前駅までのバスの廃止についてお聞きします。  第一に、都立大学駅から成城学園まで、学校は目黒区で三校、世田谷区では聖ドミニコ学園、駒大高校など十一校あります。東急バスは各学校にバスの廃止を説明したのかお聞きします。  第二に、世田谷区は高齢者時代で、交通不便地域をなくそうと努力しています。バスが廃止になれば不便地域が増えます。バスを廃止する前に地域、学校がバスに乗るようにお願いし、乗客を増やす努力をするべきです。東急電鉄の一〇〇%子会社が東急バスです。世田谷区として一年間廃止を延ばすことを東急バス、東急電鉄にお願いしに行くべきです。お聞きします。  第三に、都立大駅から成城学園前の路線で東名道路を渡る公園橋の手前の道路が一番狭いです。大型バスが駄目なら中型バスを世田谷区はお願いするべきです。お聞きします。  第四に、玉川地域でタマリバーバスを走らすために実証実験のとき、町会、地域、商店街が一体となってバスに乗ることを推進しました。商店街ではバスの回数券を景品に出したりしてバスの乗客を増やして、結果、高齢者の国分寺崖線への搬送、交通不便地域の解消になっています。世田谷区は地域、学校と一緒にバスを利用することを進めるべきです。利用者が増えれば廃止がなくなります。お聞きします。  次に、無駄なものづくり学校についてお聞きします。  第一に、ものづくり学校は世田谷区から世界に羽ばたく起業家を育てるという目的でつくったものです。ものづくり学校は世田谷区内で創業する条件になっていますが、十六年間で区内で創業者は三十名、年間一・八名です。ものづくり学校は無駄な事業です。すぐにやめるべきです。お聞きします。  ものづくり学校の建物は約二億六千万円かけて耐震補強工事を行います。耐震補強工事を行うと二十年間は無駄なものづくり学校を続けることになります。また、新しいものづくり学校の企画はあまり代わり映えしない事業です。思い切ってものづくり学校を解体し、有効活用するべきです。ちなみに、解体費用は二億円です。お聞きします。  第三に、元池尻中学校の跡地の全体の敷地面積は一万七百三十七平米あります。民間ベースの試算では大体百二十八億円です。ものづくり学校校庭を含めて世田谷区は有効利用していませんでした。教育委員会の枠を外し、ものづくり学校を解体し、世田谷公園と一体化したスポーツ公園、駐車場を整備するべきです。お聞きします。  次に、新型コロナ対策(社会的検査)についてお聞きします。  自民党の代表質問で社会的検査についてお聞きしました。具体的にお聞きします。第一に、社会的検査は第一段階の二千人のPCR検査は十月に終わらず、十一月まで延びました。十一月もあと三日です。検査が終わるのか、二千人のPCR検査が終わるまで再々延長してやるのか、お聞きします。  第二に、社会的検査の第二弾で民間事業者は一月三十一日までに二万一千人のPCR検査を行うと言っています。一日に三百五十件を六十日間で行います。一日三百五十件のPCR検査をやるには無理があります。一つには、社会的検査は基本的介護施設、障害者施設、保育園など、施設ごとにPCR検査を行います。大きい施設から小さい施設もあり、能率が悪いです。二つ目は、区内の施設がばらばらでPCR検査が動き回ることです。三つ目は、社会的検査が三グループで動いています。一日一グループでPCR検査を百二十件しなければなりません。せめて五グループに増やさないと難しいと思います。四つ目は、六十日間でPCR検査をできるのか。年末から正月は七日間の連休です。PCR検査ができるのは月曜日から金曜日、隔週の土曜日だけです。ちなみに、保健所の一日のPCR検査は一グループで能率よく並んで五時間で八十人です。世田谷区の社会的検査は計画に無理があると思います。お聞きします。  第三に、社会的検査の民間事業者は、陽性反応の追跡調査は今は保健福祉政策部がやっています。いつから民間事業者が行うのか、お聞きします。  第四に、社会的検査の二万一千件のPCRが終わったらやめるのか、また、補正予算を組んで社会的検査を続けるのか、お聞きします。  壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎松本 生活文化政策部長 私からは、二点の御質問にお答えをいたします。  まず、ふじみ荘利用者の他施設利用についてでございます。  老人休養ホームふじみ荘につきましては、さきの第三回区議会定例会で来年三月末の廃止を決定いただきましたが、その際、他施設の利用支援などについて御意見、御要望を頂戴したところでございます。  区では、ふじみ荘の廃止とともに、高齢者の孤立防止や健康長寿などに向け、民間スポーツクラブと連携した取組、AIを活用した地域活動支援などの検討を進めるとともに、千歳温水プールや大蔵第二運動場などの他施設利用についても御案内していくこととしております。千歳温水プールの健康運動室はふじみ荘に類似した施設となっておりますので、年齢の高い方でも居場所、くつろぎの場として御利用いただけるものと考えております。  民間スポーツクラブにつきましては、七十歳以上の方の御利用も多く、くつろぎや集いの場として利用されている方もおいでになると聞いております。今後、千歳温水プールや大蔵第二運動場などの施設見学を予定しておりますので、そうした機会を通じ、施設を知っていただきつつ、利用に当たっての御意見も頂戴しながら、高齢者の皆さんのニーズに対応した場づくりについて、施設関係所管と連携し取り組んでまいります。  続きまして、ふれんどバスの活用についてでございます。  区では、ふじみ荘利用者の利便性確保に当たり、障害者施設を巡回するふれんどバスの巡回ルートにふじみ荘を加え運行するとともに、運転手の休憩とバスを留め置く場としてふじみ荘を活用しているところでございます。  この間、ふじみ荘廃止に伴う千歳温水プールや大蔵第二運動場の利用支援に当たっては、送迎バスの運行に関する御要望があることから、ふれんどバスの運行ルートに両施設を加えることや、運転手の休憩とバスを留め置く場の確保の点から、バスを運行しております障害福祉部等と調整を進めております。具体的には、障害福祉部において、障害者施設への利用者送迎バスの充実を検討しておりますので、その運用の中で、千歳温水プール等への巡回についても検討を進めているものでございます。  千歳温水プールや大蔵第二運動場等の利用促進に向けては、見学会を予定しておりますが、既にふじみ荘利用者から参加したい旨の申出がございます。今後、見学会での利用者の声などを踏まえまして、検討を急いでまいります。  以上でございます。 ◎加賀谷 政策経営部長 私からは、二点御答弁いたします。  初めに、事務事業見直しの中で地区会館の廃止をしないでいただきたいということについて御答弁いたします。  区の税収等の見通しでは、新型コロナウイルスの影響により、これまで経験したことのない大幅な収入減が想定され、今後、複数年にわたりコロナ前の水準への回復は見込めない状況でございます。しかしながら、この危機的状況におきましても、区民生活の安全及び区民の健康と生命を守り抜くことを基本とし、感染症防止対策と区民や事業者の社会経済活動の維持、活性化の両立に取り組む必要がございます。  非常に厳しい財政状況の中でございますが、必要な施策を確実に実行するため、現在、御指摘の事業を含めまして、全庁を挙げた全事業について、事業継続の可否、事業の必要性、優先性、代替手段の有無、効果とコストとのバランスなどを含め検証し、見直しを行っているところでございます。  お話しの地区会館などにつきましては、仲間づくりや社会参加の場である高齢者クラブの活動場所などに利用されており、高齢者にとっては身近で大切な活動の場の一つであると認識しております。地区会館を含めた区民利用施設につきましては、公共施設等総合管理計画との整合を図りながら、一層の施設有効活用を図ってまいります。  次に、ものづくり学校につきまして、解体して有効活用を図るべきとの、跡地活用担当所管として御答弁させていただきます。  世田谷ものづくり学校につきましては、今現在、最も古い校舎棟でも耐震補強工事などを行うことで、改築の目安としている築六十五年まであと二十年程度活用が可能な建物であり、校庭や体育館を含めた既存の建物、土地を最大限活用することで、より区民に開かれた魅力ある施設として有効活用できるものと認識しております。  今年度中には、旧池尻中学校跡地を活用した基本コンセプトを策定し、議会へお示しするとともに、今後、民間事業者へのサウンディング調査も行い、地域住民説明会を通して、世田谷公園をはじめとしました周辺環境との連続性も意識しながら、具体的な活用策をさらに検討してまいります。  以上でございます。 ◎田中 道路・交通計画部長 私からは、バス路線の廃止について四点御答弁申し上げます。  まず、学校関係者への説明についてです。  今回の路線の廃止は、東急バスが桜新町〜岡本地区の路線について、採算上厳しい状況が続いていることから、一部の路線の延伸と併せて実施されるものです。バス路線の廃止は、御指摘のとおり、通学利用者に大きな影響を与える可能性があることから、東急バスに対しては、早期に学校への説明を行うよう働きかけてまいりました。その後、一定の影響があると考えられる廃止路線沿いにある聖ドミニコ学園など四校については、東急バスが事前に学校へ廃止理由などの説明を行ったとの報告を受けております。また、学校との協議により、保護者や生徒へは学校から説明を行っていると聞いております。東急バスに対しては、今後も必要に応じ、その他の学校も含め、説明を丁寧に行うよう要請してまいります。  次に、廃止を一年延期できないかの点についてです。  区内のバス路線については、コミュニティバスも含め、全てバス事業者の自主運行により行われております。今回の路線の廃止については、区から存続に関する働きかけはしたものの、最終的には運行する東急バスの経営判断に基づくものであることから、区としても受け入れざるを得ない状況でございます。また、バス事業者の自主運行のため、当該路線において事業運営上厳しい状況が続いていることや、区は路線運行継続の補助金を交付していないことなどから、議員お話しの廃止を一年間延期する対応は難しいと考えておりますが、存続の可能性を再度確認するとともに、バス路線維持に向けた対策の検討を東急バスに対して求めてまいります。  次に、中型バスで運行できないかの点についてです。  東急バスによると、今回廃止となる路線は長大路線であり、定時性の確保が大きな課題となっていたとのことでございます。その対応のための経費負担の増により、長年、相当な欠損額を出してきたことが最大の理由であり、それに加え、コロナ禍での利用客数の減少や、これまで使用してきた車幅の狭い大型バスの生産が中止となったことなども理由の一つであると聞いております。仮に中型バスで運行したとしても、それだけでは収支を改善することは困難であり、路線の運行継続にはつながらないとのことです。  最後に、バス路線存続に向けた取組についてです。  今般のコロナ禍においては、バスの乗降客数もいまだ回復しておらず、路線バスを含む公共交通を取り巻く厳しい環境は当面続くものと認識しております。このような状況下においては、交通事業者はより効率的な運行の取組を進めており、当該路線に関しても、長大路線等の理由により採算性が悪化し、廃止せざるを得なかったと承知しております。一方、他の自治体において、需要に見合った効率的、効果的な運行に向けて、幹線バス路線と支線バス路線の役割を明確化する取組により効率化を図る事例もあり、これらの取組が区内の公共交通における課題解決策の一つになる可能性もあると考えております。  区といたしましては、当該路線も含め、バスを利用される地域の方々の意向や需要等も見極めつつ、交通事業者とも連携して、今後の公共交通の適正なサービス水準の維持向上に向けた研究を進めてまいります。  以上です。 ◎田中 経済産業部長 私からは、世田谷ものづくり学校関連について答弁いたします。  世田谷ものづくり学校での創業支援ブースの退去者が区内で事業を継続することができない理由は、事業の拡大など様々ですが、現在、運営事業者と分析を行っているところです。新たな旧池尻中学校活用の方針として、校舎、校庭、体育館を全て活用した事業展開を図る予定です。様々な分野の専門家や事業参入に関心のある事業者などと意見交換を重ね、世田谷の新たな産業、学びの拠点に向けた方向性を整理し、七月三十日の区民生活常任委員会に報告をしたところです。  三軒茶屋周辺のまちづくりやアフターコロナの地域社会の変容を見据え、新たな産業の拠点として、デジタルトランスフォーメーションによる社会課題解決や新しい様々なコンセプトを策定し、今後の事業を展開してまいります。  私からは以上です。 ◎有馬 保健福祉政策部次長 私からは、社会的検査について三点答弁いたします。  初めに、第一段階は二千件で再延長についてでございます。  社会的検査の第一段階につきましては、十月より区内医療機関に委託し、延べ二千件を予定数として開始しましたが、事業の構築及び周知に時間を要したことから、当初の計画を一か月延長し、十一月末までとしております。その後、介護事業所への検査の希望調査等を行った結果、事業所の申込みも増加し、現時点で第一段階の区内医療機関の検査数は千五百件程度となっておりまして、来週には予定数に達する予定でございます。  契約期間につきましては、日程調整の結果、十二月の初めに検査を希望する事業者があることや、当該事業所の検査により陽性が発生した場合、追加検査を迅速に行う必要があることから、契約期間を短期間ではございますが十二月中旬まで延長する方向で区内医療機関と調整し、予定数をもって終了する予定でございます。なお、単価契約としておりますので、期間を延長することによる契約金額の増加はございません。  次に、第二段階の計画についてでございます。  第二段階以降につきましては、十一月中旬より新たに三班体制で事業所を訪問することで、一日当たり三百五十検体程度を採取できる体制を整え、一月末までに二万一千件の検査を実施する計画としております。検査申込みを着実に増やすため、社会的検査に関する全般的な周知と、陽性者が発生した場合の随時検査の御案内については、全ての対象施設に施設所管部より御案内し、定期検査の対象施設に対しましても、さらに委託業者のコールセンターより検査申込みに関する御案内を順次行っております。  来年一月末までに予定しております延べ二万一千件を達成するため、実施状況を確認し、様々な手段を講じながら取り組んでまいります。  三点目に、二月以降の事業継続についてでございます。  来年の二月、三月の検査体制や手法につきましては、十二月中旬をめどに、これまでに検査を受けた施設の意見や実施状況を整理、分析を行った上で、社会的検査の実施手法や体制等について議会に報告してまいります。  私からは以上です。 ◎澁田 保健福祉政策部長 私からは、社会的検査に伴う陽性者の調査の民間委託についてお答えいたします。  社会的検査の結果につきましては、感染症法に基づき陽性者を判定した病院からHER―SYSにより保健所に発生届が届きます。陽性者が判明した場合は、保健福祉政策部で委託事業者とともに積極的疫学調査を行った上で、陽性者の方の療養方針や濃厚接触者の判定に必要な情報をそろえ、保健所に取り次ぐ流れになっております。  疫学調査の流れでございますが、まず、社会的検査の委託事業者が陽性者本人に対して健康状態や直近の行動履歴、接触した方などの基本的な聞き取り調査を行います。その後、保健福祉政策部の専門職職員が、施設に対して勤務シフトや介護記録のほか、施設の間取りや動線、休憩時の行動などを伺いまして、特に濃厚接触者の判定に必要となる詳細の情報をそろえ、保健所へ引き継ぎます。  本人からの聞き取りにつきましては、既に委託内容に含めまして、検査と同時に受けられる体制とはしておりますが、今後、社会的検査の実施件数の増加や感染拡大に備え、課題等を整理し、委託事業者による調査可能な範囲を広げるなど、さらなる体制の強化については十二月中旬に議会にも御報告をさせていただきます。  以上でございます。 ◆二十八番(菅沼つとむ 議員) 質問します。  確認というか、社会的検査二万一千人、PCR検査は間違いなく一月三十一日まで終わるのか確認します。  それから、社会的検査の陽性者の追跡調査、これは民間事業者がやるということになっているんですけれども、いつから民間事業者がやるのかお聞きします。  それからもう一点、東急バスの廃止について、これは本当にバス事業者というのはぎりぎりで運営をしているわけです。だから、世田谷のバス全部に言えることですけれども、みんながきちんとバスを利用して乗らないと、黒字にしないとみんなこれからなくなっていくということをやっぱり考えて、区としても乗って少しでも黒字にするように努力していただきたいことを要望しておきます。 ◎有馬 保健福祉政策部次長 再質問にお答えいたします。  まず、二万一千件について確実に実行できるかという点です。こちらにつきましては、十一月中旬に委託を行いまして、二万一千件を取れる体制を組んでおりますので、この二万一千件の検査実行に向けて確実に動いていきたいと思っております。  二点目の社会的検査における追跡調査の件ですが、現在、十一月の中旬に検査の事業委託をした中で、既に陽性になった本人へのコンタクトトレースについては委託を行っているところでございます。ただ、この委託の範囲がまだ拡充すべき点がございますので、これについて十二月中旬までに方針を定めて議会に御報告、お諮りしたいと考えております。  以上でございます。 ◆二十八番(菅沼つとむ 議員) それから、世田谷区の社会的検査、これを言っていますけれども、実際には国の行政検査です。予算も国から全部出ています。PCR検査をやるのは民間事業者です。だから、当然ながら行政検査というか社会的検査は十二月ぐらいにまでに方向を示すと言っていますけれども、やめる理由がないというふうに思います。これが一点。  それから、今ちょっと心配しているのは、新型コロナウイルスは、検査やなんかは休みになりますけれども、コロナは休みがありませんので、年末の体制、連休の体制についてお聞きします。  二点。
    ◎有馬 保健福祉政策部次長 まず、社会的検査の今後の継続についてでございます。  今、議員お話のありましたとおり、現在の社会的検査というのは、国に認められ、行政検査の位置づけでございます。今回の感染状況を踏まえますと、こうした行政検査、社会的検査というのは引き続き重要であると考えておりますので、ただ、具体的な方策につきましては十二月の中旬にお示しをさせていただければと考えております。  以上でございます。 ◎辻 世田谷保健所長 感染症対策の年末年始の体制についてお答えいたします。  感染症は、お話しのとおり、休むということがございませんので、年末年始も引き続き行ってまいります。  以上です。 ○和田ひでとし 議長 以上で菅沼つとむ議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 次に、十二番金井えり子議員。    〔十二番金井えり子議員登壇〕(拍手) ◆十二番(金井えり子 議員) 初めに、世田谷の文化、芸術に対する支援について伺います。  密集する、換気ができない場、不要不急の代表のように言われたライブハウスや小劇場。やっと少しずつ再開し始めたところですが、また感染者数が激増し、とても心配です。  第三十一回世田谷区新型コロナウイルス感染症対策本部会議、新型コロナウイルス感染症対策に係る有識者との意見交換の中で、昭和信用金庫神保和彦会長が、演劇、音楽、これは休業要請があった頃には壊滅的な状況でありました。非常に苦慮しているような状況は今も続いていますとおっしゃっていました。もう既に経験の浅いアーティストや若手のスタッフの中では辞めてしまった人も多いと聞きます。小さな事業者も廃業に追い込まれています。この業種に限らず、持続化給付金やフリーランスの個人への生活面での支援などはありますが、今回は文化、芸術の視点からの支援について伺ってまいります。  国も、文化庁が文化・芸術活動の継続支援事業の募集を行いました。しかし、これは分かりにくい上、これからの公演に対する助成金のため、新たな公演を立てる余力もない、助成金が七、八割出ても残りの二、三割すら出せないという声も聞きました。実際、活用は進まず申請期間が延ばされています。  世田谷区では、新型コロナウイルス感染症の影響を受けたアーティスト及び民間文化・芸術施設の支援として、せたがやArtsプログラムを行っています。様々なジャンルからのエントリーがあり、区民へも文化、芸術に親しむ機会の提供ということで、これからの動画配信に期待するところです。ライブハウスなどの動画視聴はもう始まっています。  せたがやArtsプログラムの現状について伺います。  ほかに経済産業部と世田谷区産業振興公社、せたがや文化財団が行ったクラウドファンディング、がんばろう世田谷の演劇人!がありました。募集期間が終了しましたが、現状について伺います。  こういった支援が、文化、芸術に携わる業界の復活につながることを期待します。ただ、これだけでは十分とは言えません。参加も限られています。やはり劇場、ライブハウスなどでの生の演奏、演劇、舞踏などと短い動画とは別物です。また、舞台監督をはじめ照明、音響などのスタッフの技術は特別で、一朝一夕で成るものではありません。それを目指す若い人材が諦めざるを得ない現状から、将来、舞台などを支える技術者がいなくなってしまうことも危惧されます。  これから検討が行われる世田谷区第三期文化・芸術振興計画(調整計画)には、文化の視点からの新たな生活様式の発信なども盛り込まれています。大切な視点だと思います。と同時に、これまで区民の心を潤してきた文化、芸術も守っていくべきです。持続可能な世田谷区の文化、芸術のためには、今後も新たな支援が必要です。区の見解を伺います。  次に、子どもの遊び場や公園、緑地の確保について伺います。  コロナ禍で、子どもの体力低下やストレスなど、子どもの外遊びの重要性について再確認されました。子どもの遊ぶ権利の具体的・物理的保障として、その環境をつくること、遊び場としての公園整備は大人の役割です。これまでも団地建て替えなどの際にボール遊びができるような広場や公園が減ってしまった印象があります。土地に対して既定の空地や緑地のパーセンテージは満たしていても、配置によってはまとまった遊べるスペースになるとは限りません。身近な遊び場がなくなること、これは子どもの育ちにも影響することではないでしょうか。  烏山北住宅、烏山松葉通住宅建て替え計画があると聞き、行ってみました。現在は広場や公園が幾つもあります。小さい子が遊べる公園や球技を楽しむことができるスペース、今の時期はイチョウ並木がとてもきれいで、写真を撮っている方、ベンチでゆったりひなたぼっこをする方もいました。地域コミュニティーが見直されている今、こういうゆとりのある共有スペースは本当に大切だと感じます。この住宅にお住まいの方だけでなく、近隣の方々もこれからどのようになっていくのか注目しています。農地保全重点地区として農業公園の都市計画案もある北烏山、緑の保護という意味でも公園や広場の確保は重要です。  烏山北住宅、烏山松葉通住宅建て替えについて、今、意見交換会などが行われていますが、その中でも特に公園や広場の確保に向けて現状を伺います。  公園、緑地は、子どもの遊び場としても大変必要ですけれども、防災対策、地域の憩いの場、大人の体力づくり、自然を感じる場などとしても求められています。一方で、大規模敷地での用地変更時などに大きな木が切られてしまうこともあります。区有地に限らず、大規模開発などの際に、公園、緑地を増やすためにどのようにしていくのか区の見解を伺います。  続いて、香害について伺います。  空気中の公害、香りの害については私もずっと質問していますが、周知が進んでいません。柔軟剤、除菌消臭剤などの強い香りによって頭痛、吐き気、思考力の低下、せき、疲労感、目まいなど様々な症状の健康被害が出ています。これが化学物質過敏症です。  マナー、エチケットと思い、香りの強いものを選ぶ方もいらっしゃるようです。香りは慣れてしまうと、自分の使っている香料が強いのか弱いのかも分からなくなる場合があります。知らないうちに自分の香りが他の人の健康被害を引き起こしている、また、誰もが化学物質過敏症になる可能性があることはしっかりと伝えていかなければなりません。  日本消費者連盟が二〇一九年十二月から二〇二〇年三月まで行った香害アンケート結果では、香りで体調を崩す原因となるものとして、一位が柔軟剤八六%、二位が香り付合成洗剤七三・七%と上位を占めました。隣の家の洗濯物、乗り物、学校、公共施設など、自分ではどうにもならないところでの被害。メーカーへの販売・開発禁止とともに、強い香りの使用自粛を求める声が多く伝えられました。  ドラッグストアやスーパーなどに入れない。乗り物のシートにも香りが残り座れない。配達された荷物に香りが移って取れない。お隣の洗濯物の香料から体調を崩してしまう。御近所トラブルに発展するケースもあるそうです。気のせい、わがままなどと言われ、理解が広がらず困っているといった切実なお話を聞いています。そもそもこれはどこに相談したらいいのか、そこが分からないというのがまず悩みなんです。区の保健所へはこのような声は届いていますか。  区民からの香害についての御相談の現状、また、どのような対応をされているのか伺います。  香害については、保健所では二種類のチラシを作成しています。決算特別委員会では、学校への黄色の子ども用チラシの活用について確認しましたが、ブルーの大人用チラシはどのような活用をされているのでしょうか。多くのイベントなどが中止になり、配布も難しいことと思います。先日、地域のまちづくりセンターに伺ったところ、香害の啓発チラシはありませんでした。一番区民に近い場所であるまちづくりセンターには、ぜひ置いていただきたいところです。ほかに図書館などの公共施設に置くことはできないのでしょうか。いろいろな方の目にとまるよう、多くの場所に置いて周知啓発を進めるべきと考えます。  香害チラシはどのようなところに置いてあるのか、配布方法などの現状と今後の展開について伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎松本 生活文化政策部長 私からは、文化・芸術活動の支援について二点の御質問にお答えをいたします。  まず、せたがや元気出せArtsプログラムについてでございます。  せたがや元気出せArtsプログラムは、新型コロナウイルス感染症の影響により活動に支障を受けたアーティストの活動やライブハウス等の文化施設の事業継続に向け、区の文化振興基金を活用し支援を行っているものでございます。  具体的には、アーティスト支援として、動画による発表機会を提供するとともに、出演者には一人十万円、グループには最大三十万円を支援するものでございます。また、ライブハウス等に対しては、映像配信事業に関わる経費として一施設五十万円を上限に助成するものでございます。アーティスト支援事業では、二つの募集部門を合わせ百人の募集に対し六百人を超える応募があり、今月下旬から動画の作成と提出を求め、来月から順次公開してまいります。  また、ライブハウス等については、四十施設の予定に対し、これまで三十五施設から申請をいただいております。文化・芸術活動は徐々に再開しておりますが、コロナ禍にあって、厳しい活動環境が続いていると認識しております。  今後の感染症の状況を踏まえつつ、文化・芸術活動が後退することがないよう、今後のアーティスト活動や文化・芸術施設の運営状況を注視してまいります。  次に、舞台公演に関わりますスタッフへの支援についてでございます。  新型コロナウイルス感染症により、文化施設の休館や各種の文化・芸術活動が中止となりましたが、その影響は、アーティストのみならず脚本や演出などの制作スタッフ、舞台設備などの技術スタッフなど、幅広い関係者に影響が出ているものと受け止めております。国では、文化・芸術活動の継続支援として、アーティストだけでなくフリーランスの技術スタッフ等も対象とした補助事業を実施してきております。  また、区においても、ただいま申し上げましたせたがや元気出せArtsプログラムでは、技術スタッフも加えたグループでの応募を可としてまいりました。文化施設の再開により、演劇や音楽等の文化・芸術事業が徐々に実施されるようになりましたが、文化、芸術を取り巻く状況は依然厳しい環境下にあると認識しております。  今後も、コロナ禍における文化・芸術活動の状況等を注視しながら、アーティストや技術スタッフの活動と、区民が文化、芸術に親しむ機会の創出、その双方の観点から、国の施策も踏まえながら、持続可能な世田谷区の文化、芸術の取組を進めてまいります。  以上でございます。 ◎田中 経済産業部長 私からは、クラウドファンディングの状況について御答弁いたします。  新型コロナウイルス感染症の拡大により、営業の休止や時間短縮、座席数を減らした活動など、困難な状況にある区内の劇場や劇団、ライブハウス、アーティストなどの活動を後押しするため、クラウドファンディングを活用した支援を実施しました。  具体的には、劇場や劇団、劇団員の活動資金について寄附を募るせたがや舞台芸術応援クラウドファンディングや、新たな生活様式に対応した鑑賞体制の構築などに取り組む事業者のクラウドファンディング費用支援などを行いました。  せたがや舞台芸術応援クラウドファンディングについては、期限としていた今月十六日までに百九名の方から百二十二万八千五百十円の寄附をいただいたところです。集まった寄附金は、賛同いただいた劇場を通して、いまだ困難な状況にある劇団や劇団員、音響や照明スタッフなどの舞台を支える方々の制作活動の支援として届けてまいります。  私からは以上です。 ◎皆川 烏山総合支所長 私からは、烏山北住宅建て替え時の公園や広場の確保に向けての現状について御答弁いたします。  烏山北住宅と烏山松葉通住宅は、地域の町並みに溶け込んだ緑豊かな居住環境を形成しておりますが、建設後五十年以上が経過し、建物の老朽化やバリアフリー未対応などの課題も多く、建て替えの検討が進められております。  烏山総合支所では、建て替えによって良好な居住環境を確保するとともに、周辺環境と調和した住宅団地に移行できるよう、地区計画等の策定に取り組んでおります。現在、団地の区域内にある公園や広場は、それぞれ木の公園などの愛称で親しまれ、地域の多くの人が利用する子どもの遊び場や地域コミュニティーの空間として利用されております。  こうした現状を踏まえ、地区計画等のたたき台では、既存の公園や広場、それ以上の面積確保や団地中央への公園集約、それから、既存広場を尊重した広場の分散配置など、地域住民の憩いの空間の形成や防災性の向上を目指した公園等の整備の考え方をまとめております。  今後も、段階に応じて地域住民の皆様と意見交換を行いながら、周辺環境と調和した団地建て替えを誘導し、道路や公園等の整備による快適なまちづくりを推進してまいります。  以上でございます。 ◎笠原 みどり33推進担当部長 私からは、開発等における公園緑地の確保について御答弁申し上げます。  コロナ禍において、外出自粛やテレワークなどにより自宅周辺で過ごす時間が増えたことで、公園緑地の重要性は高まってきております。その一方で、世田谷区の区民一人当たりの公園面積は本年四月現在で二・九二平米と、世田谷区立公園条例で定められている標準面積六平米に対して、まだまだ不足している状況でございます。  そのため区では、公園緑地の計画的な用地取得に加え、開発行為の際には法令に基づく基準により、事業者に対して公園や緑地の整備、帰属を求めております。特に、議員お話しの大規模な敷地においては、土地の改変の機会をいち早く捉え、関係所管と連携の下、事前の情報収集を行い、必要に応じまちづくり誘導指針を定めるなど、緑の保全や必要な公園緑地の整備を事業者に働きかけております。  今後も引き続き、いまだ不足しております世田谷区の公園緑地の確保に取り組むことで、区民一人一人が緑豊かな世田谷で暮らしていると実感できるよう努めてまいります。  私から以上です。 ◎辻 世田谷保健所長 私からは、化学物質過敏症、いわゆる香害について、まず、区民からの相談についてお答えいたします。  世田谷保健所では、平成三十年度より化学物質過敏症に関する相談窓口を設け、区民からの様々な相談に対応しております。香りに関する相談は、昨年度は五件、今年度もこれまでに五件寄せられています。その内容は、今年度につきましては、柔軟剤に関するものが二件、芳香剤に関するものが二件、また、衣服の防虫剤に関するものが一件あり、全て匂いを嗅ぐと体調が悪くなるという御相談でした。  保健所では、こうした相談に対し、相談者御自身がこれら化学物質を使用しないことはもちろんのこと、使用者が友人や隣人の場合は、相談者がその方に使用の量や頻度を減らしていただくよう話をすることなど、具体的にアドバイスをしております。今後も相談者に寄り添いながら、適切な助言をするように努めてまいります。  次に、化学物質過敏症のチラシについてお答えいたします。  世田谷保健所では、平成二十九年度に化学物質に頼り過ぎない生活を送るための情報を誰でも分かりやすくまとめたチラシを作成し、これまで各種イベントや区政PRコーナー、保育園や小学校で配布するとともに、区内の広報掲示板に一定期間貼り出すなど、家の中の化学物質を見直すことの大切さを広く区民に周知し、啓発をしております。また、このチラシを、世田谷保健所に香りに関する相談のため来庁した方に配布するとともに、具体的なアドバイスの際に活用しており、加えて、区のホームページにも掲載をしております。  今後は、これまで同様にイベント等でのチラシの配布に加え、多くの区民が訪れるまちづくりセンターや図書館での配布、SNSを活用した情報発信を検討するなど、さらなる普及啓発に努めてまいります。  私からは以上です。 ◆十二番(金井えり子 議員) SNSの活用をぜひぜひ進めてください。お願いいたします。本当に、この香りの害の問題は知らない人が多過ぎると感じています。そして、御自分に被害が出たときに、例えば、お隣に住んでいる方に、私はあなたの匂いが気に入らないから何とかしてくださいと自分で言わなければいけないんです。そういったときに本当にこのチラシがあればきちっと説明ができると思いますし、それから、周りの方が香りの害ということを、こういうことが、化学物質過敏症ということがあるということが分かっていれば、本当にスムーズに、御近所のトラブルもなくいくと思いますので、ぜひぜひこの香害の周知をよろしくお願いいたします。  以上で質問を終わります。 ○和田ひでとし 議長 以上で金井えり子議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後四時三十七分休憩    ──────────────────     午後四時五十分開議 ○和田ひでとし 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  一般質問を続けます。  三十二番桜井純子議員。    〔三十二番桜井純子議員登壇〕(拍手) ◆三十二番(桜井純子 議員) 通告に従い、順次質問いたします。  まず初めに、尊厳ある障害者の自立した生活の実現に向けてお聞きします。  これまで障害を持つ方のサービス等利用計画作成の在り方について、相談支援専門員が作成する計画と同様に、障害者自身や家族、支援者などが作成するセルフプランの提出が可能であること、また、セルフプランは、障害者本人の力を引き出すエンパワーメントの観点から大切なものと認識しているという区の見解を確認してまいりました。  ところが、現場では、区の見解とは違ったことが起きています。昨年十一月、もう少し相談ができる支援者が欲しいと話したセルフプランの障害者に対し、砧総合支所保健福祉課のケースワーカーが、利用者と初対面である相談支援専門員を伴い訪問し、その日のうちに計画相談の契約書に署名捺印、契約する一件がありました。後日、長年その方のセルフプランを作成している支援団体に対し本人から、何が何だか分からなかったが、その場での押印を迫られたので、よく分からないまま押印したという訴えがあり、支援団体には無断で計画相談の契約が交わされた事実が明らかになりました。  予算特別委員会で、セルフプランを軽視するような区ケースワーカーの対応があることを指摘し、障害者御本人の意向確認ができないまま、相談支援専門員を同席させたり、計画作成の手続を進めるようなことは改めるべきだと考えるとの区の見解を得ています。結果的に契約は白紙撤回されましたが、それで解決されたわけではありません。これまでの話合いでも、現場ではこの問題の本質を理解しているのか疑問に思うような対応が続いています。  障害福祉部として、セルフプランはサービス利用当事者のエンパワーメントにとって重要という認識を示しているにもかかわらず、障害福祉の実践の場である各総合支所の保健福祉課には理解がされていない最たる出来事ではないでしょうか。これまでも、セルフプランはだめだと言われたという事例なども指摘してきましたが、砧総合支所で起きたことは、手続上の問題だけではなく、世田谷区の障害福祉の現場における障害当事者の意思、権利、人権を踏みにじることであることから、区の認識を問うものです。  なぜこのようなことが起きるのか、世田谷区の障害福祉はどこに向かうのか、徹底した検証とともに改善に向けた取組を求めます。本件をどのように認識するのか、二度と起こさないためにどのようにするのか、考えをお聞きします。  また、現在、再発防止のために指針になるものを策定中と聞いていますが、何を重点と考えているのかお聞きします。また、指針をつくっただけでは意味はありません。その徹底が重要です。どのように徹底していく考えなのかお聞きいたします。  九月に、世田谷区内で二十四時間の訪問介助を利用し一人暮らしをする重度身体障害者、上田要さんの半生を書いた本、「ひらけ!モトム」が出版されました。著者は、大学生のときに介助者だった現在大学院生の方です。例えば、地域で自立生活を送りながら、バスの乗車拒否撤回運動や、北欧までノンステップバスの視察に出かけ、導入運動を展開していく姿など、介助者の視点で生き生きと書かれています。上田さんの運動によって導入されたノンステップバスは、障害者だけではなく、多様な人々、私たちのバリアをなくしました。  障害は社会がつくると言います。障害は医学モデルから社会モデルに転換し、障害者差別解消法で合理的配慮が義務づけられました。障害者が地域で生活するために、個々のニーズに合わせた公的介護が保障されることは不可欠であり、権利です。しかし、世田谷区では、二十四時間のサービス給付があれば自分らしく自立した社会生活が送れる方に対し、申請以前に、もらえるわけがないとケースワーカーなどが水際で止める給付抑制が起きています。また、以前も指摘しましたが、二十四時間支給決定には、地域によって差があります。二十四時間介助が必要な障害者が区内に偏在していると考えるのか、それとも地域によって支給決定に偏りがあると考えるのか、私は後者だと思います。  世田谷区は、二十四時間介助が必要な方に対し、合理的配慮として徹底した生活保障をするために、二十四時間支給を認めるべきです。地域間の偏りの是正を求めます。見解をお聞きします。  次に、災害時の移動支援の在り方についてお聞きします。  昨年十月の台風十九号の水害による甚大な被害により、災害は予想不可能であり、災害への備えは緊急課題であることを改めて認識しました。例えば、障害者や高齢者のために福祉避難所の増設が求められていますが、一方で、障害者や高齢者はどうやって避難所にたどり着くことができるのか、移動手段が課題です。  昨年の水害時には、高齢者や障害者が嵐の中、自力で避難所へ行ったという例も聞いていますが、玉川地域ではタクシー会社との協定が締結されていて、災害時の移動支援体制ができているはずです。しかし、その仕組みは十分に活用されませんでした。災害が起きたときに、どのような方法で避難所へ移動することができるのか、日頃から移動プランについて当事者が認識していることが大切です。そのために、障害者や高齢者などの災害時の移動支援を明確にした個別支援計画を策定することが必要です。  災害への備えは待ったなしの状況です。移動支援を円滑に行うためにも、個別支援計画の早急の策定を求めます。見解をお聞きします。  また、災害発生時には環七などは交通規制がかかり、一般車両は通行できなくなります。交通規制は一律ではなく、警視庁に緊急通行車両事前届出が受理されれば、災害時の交通規制から除外されます。この申請には区との協定締結が必要です。  障害者など移動困難者への災害時の移動手段の確保のために、区内の移動サービス団体と早急な協定締結を求めます。区の見解をお聞きします。  次に、世田谷区教育ビジョン・行動計画等の改定に向けてお聞きします。  二〇二二年に世田谷区教育ビジョン・第二期行動計画を含め、幾つかの計画が改定の時期を迎えます。この改定は、教育環境を取り巻く変化や新たな方針などを位置づけるよいチャンスと考えます。  区は、子どもの頃から障害があるかないかで分ける分離教育ではなく、同じ教室で一緒に学ぶインクルーシブ教育を目指すと明言しています。今後改定される計画では、特別支援教育の推進という視点から、インクルーシブ教育の推進へと転換し、さらに関連計画にも位置づけることにより、障害があっても、なくても、世田谷の子どもは一緒に学び、育つ教育を実現することに期待します。  また、会派の代表質問では教育の構造改革について触れましたが、実際、コロナの影響によって教育現場の変化がいや応なしに求められています。例えば、ICT教育の推進では、オンラインによる授業の要請が高まり、学校現場では取り組まざるを得なくなりました。また、分散登校をすることによって少人数による学級運営が行われるなど、意図しないものではあったかもしれませんが、教育現場では今までどおりでは経験できなかったことを多く経験しました。そのことによって変化もありました。  例えば、オンライン授業や分散登校などによって、不登校の子どもが授業に参加し、実際に登校しています。これは世田谷区に限ったことではなく、他自治体でも同じようなことが起きています。では、このような変化があったのはなぜなのか、分析し、改定に生かすことも重要です。
     各計画改定にどのような姿勢で臨むのか、これまでの議論も踏まえ、何を重要ポイントとするのかが問われます。区の見解をお聞きします。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔中村副区長登壇〕 ◎中村 副区長 私からは、砧保健福祉センターの事例について御答弁いたします。  障害者への相談援助や個別支援サービスの実施に当たっては、御本人が望む生活の実現に向け、寄り添いながら支援を行っていくことが重要です。このたびの砧保健福祉センターの事例については、御本人の障害特性等に配慮しながら、意思決定を尊重し、関係機関とともに支援していく視点が不足していたことは反省すべきところです。御本人には大変申し訳ありませんでした。  今後に向けましては、こうしたことを繰り返すことがないよう、障害者の権利擁護や障害特性等に応じた意思決定支援の在り方などを改めて検討した上で見直しを図り、実践をしてまいりたいと考えております。  以上です。 ◎片桐 障害福祉部長 私からは、三点お答えいたします。  初めに、障害者の意思決定に係る支援をどのように徹底していくのかについてお答えいたします。  障害者総合支援法では、障害者等が障害福祉サービスの利用を希望する場合、サービス等利用計画案を区市町村に提出する必要があります。区では現在、この計画案の提出を求める際に留意すべき事項について、改めて検討を始めているところです。  内容としましては、障害者の権利擁護を基本として、障害特性に応じた意思決定支援、本人や支援機関が作成するセルフプランの意義、関係機関との連絡調整などを重点的に見直してまいる予定です。今後、見直し内容を関係所管とともに共有し、各保健福祉センター、ケースワーカーの力量向上のための研修やセルフプランの支援に反映させた上で、障害者の自立や生活の支援充実に取り組んでまいります。  次に、二十四時間介助サービスについてです。  常時介護を必要とする障害者の重度訪問介護サービスについては、各障害支援区分の基準時間を著しく超えて決定する場合、専門家で構成する認定審査会で意見を聞くこととしております。年二回の審査会での意見を踏まえ、各総合支所で支給決定を行ってまいりますが、二十四時間の支給決定をした件数は、令和二年十月現在で、世田谷地域七件、北沢地域三件、玉川地域ゼロ件、砧地域二件、烏山地域三件の合計十五件となっており、徐々に増加している状況です。  これまでも各総合支所との情報共有や連携に努めてまいりましたが、今後も、より一層の連携強化を図り、障害当事者が地域や障害種別にかかわらず、いつまでも安心して暮らし続けられるよう取組を進めてまいります。  次に、災害時における移動困難者の避難に向けた協定締結についてです。  災害時における障害者や高齢者などの移動困難者の移送の手段の確保については重要であり、災害時に円滑に移送を行うためには、福祉車両運行事業者との協定は有効であると認識しております。  福祉車両運行事業者からは、協定締結の御提案をいただいており、区でも事業者への災害時の移送に関するアンケート調査や世田谷区福祉移動支援センターの連絡会に参加する事業者との意見交換などを行ってまいりました。現在、協定の締結に向けて、関係所管との調整や補償などの諸条件、対象の事業者の整理などを行いながら、協定案の作成に取り組んでいるところです。  区といたしましては、事業者に協定案をお示ししながら、協定締結に向けた条件や課題、スケジュールを共有し、締結に向けてスピード感を持って取り組んでまいります。  以上です。 ◎有馬 保健福祉政策部次長 私からは、障害者や高齢者の方の災害時の個別支援計画について答弁いたします。  区の避難行動要支援者避難支援プランでは、避難行動要支援者に対する災害発生直後の初動期からの支援を円滑に実施するため、区が要支援者のうち、同意を得た方の名簿を作成し、協定締結の下、各町会・自治会に提供し、地域での助け合い活動の推進を目指しております。各総合支所において、町会・自治会に対して避難行動要支援者との平時からの顔合わせや個別支援計画の作成などについて案内をしており、個別支援計画を作成しているケースもございますが、全ての町会・自治会で作成している状況ではございません。  避難行動要支援者御自身のため、また、支援者の方にとってもあらかじめ支援計画が作成されていることは避難の際の迅速な支援や行動につながるものと認識しております。災害時の安全を確保するためには、要支援者一人一人の実態等を踏まえた個別支援計画の作成を、移動支援の方策も含めて早急に具体化を検討していく必要がございます。  九月には、町会・自治会に対し、現在の活動内容や協力体制などについてアンケートを行い、現状把握を改めて実施し、その取りまとめを今年度中に行います。各地域により異なる特徴を踏まえた支援策について、庁内関係所管による検討部会において引き続き検討してまいります。  私からは以上です。 ◎淺野 教育総務部長 私からは、教育ビジョン・行動計画等の改定につきまして御答弁申し上げます。  第二次世田谷区教育ビジョン・第二期行動計画などは、令和四年度から二年間を計画期間とする調整計画の改定に向けて検討を始めたところです。改定に当たりましては、PTAや学校運営委員をはじめとする学校関係者など、保護者や地域の方々の意見を伺うとともに、パブリックコメントやホームページの活用等において幅広く区民意見を取り入れながら進めてまいります。調整計画では、コロナ禍などによる変化への対応という観点も踏まえた上で、ICTを活用した新しい学びの実現、全ての子どもたちの個を重視したインクルーシブ教育の推進や不登校への取組の充実など、より一層の教育施策の推進を図ってまいります。  また、計画策定に当たりましては、教育の情報化推進計画・調整計画や世田谷区特別支援教育推進計画、また世田谷区不登校対策アクションプランなどと整合性を取りながら進めてまいります。  今後、子ども・若者部等、庁内の関係所管と連携を取りまして、新たな時代を見据えた豊かな人間性と生きる力の育成に向けて取り組んでまいります。  以上です。 ◆三十二番(桜井純子 議員) 砧総合支所の件に関しては、副区長から丁寧な、そして心を込めた答弁をいただいたと思っています。ここからが始まりだと私は思います。各地域の保健福祉課がどのような思いで障害者の方と障害者の生活をつくっていくのか、支援をしていくのか、そして一緒に支援団体と連携していくのか、そこのところで、どうも少し違った状況になっているのではないかと思っています。ここからスタートして改善をしていただければと思います。  そして、これから指針に当たるものをつくっていくと思いますけれども、そこには、地域で活動している方々や当事者の方にもしっかりと関わっていただいて、この指針を一つつくったら大丈夫というものをつくっていただきたいと思います。  徹底を求めて質問を終わります。 ○和田ひでとし 議長 以上で桜井純子議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 次に、四番青空こうじ議員。    〔四番青空こうじ議員登壇〕(拍手) ◆四番(青空こうじ 議員) 子どもたちの個性を育む教育について。  先月下旬、大阪梅田駅の近くの商業施設の屋上から十七歳の男子高校生が飛び降り、下を歩いていた十九歳の女子大学生を巻き添えにして、二人とも亡くなるという大変痛ましい事件が起こりました。男子高校生の遺書は見つかっていないものの、警察は飛び降り自殺を図ったと見ているそうです。未来ある若者が自ら死を選び、もう一人の若い命まで奪ってしまったという何ともやり切れない出来事に、胸が張り裂けそうな思いがしました。お二人の御冥福をお祈りいたします。  先月、文部科学省が発表した調査結果によれば、小学校、中学校、高校生の自殺は、二年連続して三百人を超えるという深刻な状況となっています。自殺の要因は、不明が百八十八名で最も多くなっていますが、次に、家庭の不和が三十三人、進路の問題が三十二名、父母などの叱責が三十一人となっていて、家庭や進路の問題で悩んだ末に命を絶ってしまうという、今どきの子どもたちの追い詰められた姿が浮き彫りとなっていました。  思えば、今の子どもたちは暮らしこそ豊かになり、エアコンの効いた教室や便利なタブレットなど、快適な学習環境を与えられ、ゲームやネットの娯楽に事欠かず、食べるものには何不自由しないという恵まれた生活を送っているようですが、一方で、親の教育意識の高まりや中学受験の広がりなどに伴い、多くの子どもたちが小学校の頃から遊ぶ時間を削って進学塾に通い、テストの点数に一喜一憂するということを余儀なくされ、親からは大きな期待を寄せられると同時に、成績が振るわなければ厳しく叱られるなど、多くのストレスやプレッシャーを感じながら過ごしているのではないでしょうか。  先日、朝の立ち番をしているときに、小学校の低学年の子が浮かない顔をしているので、ちょっと理由を聞いてみると、僕、今度塾に通うようになったんだと言っていました。こんな小さいときから塾に通うのかと思うと、驚くとともに今の子どもたちは大変だなとつくづく思いました。もちろん勉強することは大切です。今、芸人だって高学歴の時代です。私は違いますが。子どもたちが一人前の自立した大人になるために、小さな頃から地道な勉強を積み重ね、必要な学力を身につけることは、その子の成長にとって欠かせない経験であることは言うまでもありません。  しかしながら、得意分野は違います。勉強が得意な子もいれば、スポーツの得意な子、音楽が得意な子、昆虫に物すごく詳しい子もいれば、お菓子作りが大好き子もいて、十人十色の個性があるのが現実です。テストの点数や受験のための勉強に追い詰められるような、自分の長所や才能に気がつく機会もなく、それを伸ばす時間も与えられず、十分な自己肯定感を育めないまま進路の問題などを抱え込み、追い詰められてしまうという子どもたちが少なからずいるのではないかと思います。  世田谷区の教育ビジョンでは、子どもたち一人一人の多様な個性、能力を伸ばし、社会をたくましく生き抜く力を、学校、家庭、地域が連携して育むことを基本的な考えにしています。すばらしい考えだと思いますが、私の近所の中学校でも、月に二回ほど好きな私服を着て登校する日を設けていますが、子どもたちはみんな生き生きとした顔で中学校に通っていきます。たかが服装かもしれませんが、自分の個性を表現できる機会を楽しんでいるのです。  子どもは可能性の塊です。この可能性を育むために、基礎となる学力の学習に加え、その子の持つ長所や才能を伸ばし、その子らしい個性を発揮していき、生きていける力を身につけさせることが大切だと考えております。  そこでお伺いしますが、区は、子どもたち一人一人の多様な個性を育むために、どのような教育プログラムを、そして学習環境の整備、また地域や家庭の連携に取り組んでいるのでしょうか。現状と今後の展望についてお伺いします。  次に、認知症の方の見守りついてお伺いします。  この十月に、世田谷区認知症とともに生きる希望条例が施行されました。認知症になっても安心して暮らせる町になるよう条例で定めていますが、区内の高齢者の中で、認知症として要支援・要介護認定を受けている方だけでも約二万四千人で、その六割の方が自宅で暮らしていると聞いています。  我が家でも認知症のおばあちゃんと十年間一緒に暮らし、長年介護をしてきました。おばあちゃんがだんだんと物忘れが多くなり、認知症かなと家族が思い始めたころには、まだ体は元気で、つえをついて散歩や買物にも出かけていました。家族としては心配なので、おばあちゃんが外出するときには一緒に出かけるようにしていました。それで、念のため、おばあちゃんの使っていたつえに名前と連絡先を書いたシールを貼っておきました。  ある日、いつものように一緒に買物に行ったときに、ちょっと目を離したときにおばあちゃんを見失いました。おばあちゃんは、つえをついて歩いていたのですが、そういうときにはすたすたと歩いて速いのです。ほんのちょっとした目を離した間にはぐれてしまいました。その辺りを随分探したのですが、なかなか見つかりません。迷子になっていないか警察にも相談し、とても心配しました。しばらくすると、烏山のある病院から連絡が入り、おばあちゃんが転んでけがをして救急車で運ばれたという連絡が入りました。誰かに助けられ救急車を呼んでもらったようで、おばあちゃんのつえに名前と連絡先を貼っていたので、連絡をもらうことができました。このときは手をけがしただけで大事に至りませんでしたが、とても心配したことをいまだに覚えております。  区では、認知症などで外出から帰らないなど不安がある方の見守り支援についてどのように進めているのかお伺いします。  認知症の方を介護する家族の方は、持ち物や洋服に名前と電話番号を書いておけば、警察に保護されても安心です。先日新聞で、認知症になって迷子や行方不明になる方が増えて、昨年一万七千五百人の方が自宅に帰れず、警察に行方不明の届けを出し、七年連続で過去最多を更新したという記事を読みました。世田谷区においても高齢化が進み、認知症の方が増えています。区内では、認知症の方がどれぐらい外出先から帰れなくなって警察に行方不明の届けが出ているのか教えてください。  もし小さなお子さんが行方不明になったときには、テレビとか新聞で名前や写真を公開して探していることを目にしますが、高齢者や認知症の方が行方不明になったからといって、テレビなどで放送しているのを見たことがありません。世田谷区認知症とともに生きる希望条例では、住み慣れた地域の中で安心して暮らし続けることができるよう、認知症の方を見守る活動を推進するとしていますが、数が多いのですから、地域の中でちょっと心配そうな方を見かけたときには、誰もが気軽に声かけができ、認知症の方を優しく見守る世田谷区となることを願って、壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎池田 教育政策部長 私からは、子どもたちの個性を育む教育について御答弁いたします。  今、学校教育は変革の時期を迎えており、講義型の授業で知識を一律に習得させることを重視する教育から、子どもたちの興味や関心を引き出し、自らの意思でより深く学びを導いたり、子どもたち一人一人に合わせた学習を実現したりする教育へと変わっていかなければならないものと考えております。  教育委員会ではこれまで、子どもたち一人一人の個性を育むため、例えば、理数系の分野に興味がある子どもには身近な疑問を研究発表するガリレオコンテスト、読書好きの子どもにはお勧めの本を紹介するビブリオバトルなど、様々な場面で子どもたちが活躍できる場を提供してまいりました。  また、現在、一人一台のタブレット端末を配備し、子どもたちがいつでも、どこでも自分の興味、関心に応じた学習が実現できる環境整備に取り組んでいるところです。学校の変革には、地域や家庭の理解が不可欠であり、個性や主体性を磨くことや多様性を尊重すること、勉強以外にも様々な経験をすることが子どもたちにとって重要であることを理解していただき、学校の取組に協力していただけるよう取り組んでまいります。  以上でございます。 ◎長岡 高齢福祉部長 私からは、認知症の方の見守りについて二点御答弁いたします。  まず、具体的な見守りの支援内容についてです。  認知症になって住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるためには、認知症を正しく理解していただき、地域全体で支えていくことが大変重要と考えております。区では、認知症サポーター養成講座の中で、認知症の方が道に迷われている際の声かけを行うロールプレイ等を実施し、実際に地域の中で実践できるよう働きかけております。  同様に社会福祉協議会で実施していますせたがやはいかいSOSネットワークと協力し、まちづくりセンター、あんしんすこやかセンターが三者連携で協力し、地域の中で行方不明高齢者の捜索模擬訓練を実施し、認知症の方が安全に早期に御自宅へ帰れるよう声かけ訓練に取り組んでいる地域もございます。  また、認知症により、外出先から帰れないなどの不安がある六十五歳以上の高齢者の方へ、氏名や住所のほか、連絡先などを区へ事前に登録していただき、登録番号と高齢者安心コールの連絡先を記載した安心見守りステッカーを配付し、警察や消防に保護されたときに、二十四時間三百六十五日つながる高齢者安心コールを活用して、ステッカーの登録番号から緊急連絡先に連絡できる体制を整えております。  そのほか、区内の事業所との高齢者見守り協定や高齢者を地域全体で見守る高齢者見守りネットワークなどを推進し、今後とも、認知症の方を地域全体で見守る地域づくりに一層取り組んでまいります。  次に、どれぐらいの方が外出先から帰れなくなっているかについてです。  警視庁が本年七月に公表した令和元年度における行方不明者の状況の報告書によりますと、東京都内の令和元年の行方不明者の届出受理数は約八万六千九百件で、そのうち七十歳以上が約二万二千七百件、二一・六%を占めております。原因別では、認知症またはその疑いによるものは約一万七千五百件で、二〇・一%となっております。五年前の平成二十七年と比べますと、認知症が原因で行方不明の届出をした件数は約一万二千二百件から約一万七千五百件と増えており、都内だけでも単純に五年間で割りますと、毎年千件増えているということになります。  各警察署では、行方不明者の届出の原因を個別に公表しておりませんので、区内で認知症の方がどのくらい外出から帰れなくなり、警察に行方不明の届出をしているかは詳しい状況を把握できてはおりません。  今後も認知症の方が増え続けることが予測される中、認知症の方が外出したときに安全に、早期に御自宅へ戻れるよう、警察と連携を密に取るとともに、世田谷区認知症とともに生きる希望条例に基づきまして、住み慣れた地域で安心して暮らし続けられる地域づくりを一層推進してまいります。  以上です。 ◆四番(青空こうじ 議員) ありがとうございます。  確かに、駅とか公園なんかでおじいちゃんとかおばあちゃんがちょっとおかしいなと思ったら、本当に恥ずかしがらずに声かけをしてほしいなと思っています。自分のおばあちゃんも本当に救急車で運んでもらったときに、ちょうど下北沢のほうの美容院の方がシールを見て電話してくれたもので、世田谷にはそういう優しい人がいっぱいいるなと思って安心していますけれども、ぜひ議員の方も、もし年寄りがちょっとおかしいなと思ったら、ちょっと声かけをするようにしていただきたいなと思っております。  以上で質問を終わります。 ○和田ひでとし 議長 以上で青空こうじ議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 次に、一番つるみけんご議員。    〔一番つるみけんご議員登壇〕(拍手) ◆一番(つるみけんご 議員) 通告に基づき質問いたします。  まず、地域行政制度について伺います。  今般の新型コロナウイルス感染症の拡大、長期化は、地域において地域の活力、個人の活力の低下、さらには個人個人の孤立化や孤独化など深刻な事態を引き起こしています。一方、偶然にも、現在、区では、今後の地域の在り方、まちづくりの方向性を大きく左右する地域行政制度の推進条例の制定に向けた検討が行われています。地域がどうあるべきか、区がどうあるべきか、区民とともに、あらゆる困難を乗り越える世田谷区を築いていくために、地域行政の検討に当たって、いま一度その原点に立ち戻るべきです。  地域行政制度の導入を控えた昭和五十六年発行の地域行政のあり方という報告書は、本所への機能集中が区民と区政の間の地理的距離の拡大のみならず、心理的距離の拡大をもたらしていることを指摘していました。その上で、こうした遠隔の行政の弊害を排除し、地域に密着した総合的サービスと地域の実態に即したまちづくりを展開することで、区政への区民参加を図り、真の住民自治を確立することが地域行政の当初の基本理念でした。世田谷区は、こうした基本理念の下、約三十年前、区役所が住む人の近くに来るという画期的な発想に基づき、全区的な課題は本庁で、地域の課題は地域の総合支所で、区民に最も身近な地区の課題は地区の出張所で解決するための三層制の地域行政ネットワークを整備しました。  時が流れ、三層制の地域行政ネットワークにおける区民に最も身近な地区の課題解決を担う行政拠点は、まちづくりセンターとなりました。そのまちづくりセンターは、地区の中で一定の役割を果たしています。しかし、本年の区民意識調査によると、まちづくりセンターを利用したことがある区民の割合は二〇・一%と非常に低い水準にあることも事実であり、今後、身近な行政拠点としてさらなる機能を発揮していくには、当初の理念と区民目線でまちづくりセンターの在り方を見直していくことが必要です。  さらに、同調査には、区民がまちづくりセンターに期待することとの項目があり、一番多い回答は、災害、防災に関することです。しかし、注目すべきは、これとほぼ同じ割合で、約二割もの区民の方々が行政手続に関する窓口サービスの拡充と回答されていることです。区民は、明確にまちづくりセンターに行政手続に関する窓口サービスの拡充を求めています。  区は、今後、地域行政の推進に向けて、この区民の声をどう受け止め、今後の区の窓口の在り方にどのように生かしていくのか、見解を伺います。  さきの地域行政検討委員会で、区より地域行政推進条例骨子案たたき台が提示されました。この中で、総合支所、出張所の役割として、区民に身近な行政サービスを提供することが明記されていますが、一方で、身近な行政拠点であるはずのまちづくりセンターには、この役割が記されておりません。非常に疑問です。区民に最も身近な地区の課題解決を担うはずのまちづくりセンターが、身近な行政サービスを提供する役割を担わないとすれば、地域行政制度の理念にそぐわないばかりか、先ほど申し上げた区民の声を全く無視することになります。  地域行政制度の中で、まちづくりセンターが身近な行政拠点として区民の求める形で発展していくためには、区民に身近な行政サービスを提供することは大前提であると考えますが、区の見解を伺います。  今般の新型コロナウイルス感染症への対応は、給付金の支払いの遅れや保健所と医療機関のファクス問題、子どもたちの学びを支えるオンライン授業への対応の遅れなど、ICT環境の整備、行政におけるデジタルトランスフォーメーション、DXの必要性を改めて顕在化させました。時代の変遷によるデジタル化の波は、これを機にますます加速し、行政職員の働き方改革、業務効率の向上などにも大きな変化をもたらし、行政におけるDXが自治体の在り方、そして区民と行政の関係に多大な影響を与えることとなります。  私たちは、変化の時代にあっても行政におけるDXの目的を見誤ってはなりません。冒頭に申し上げた地域行政の報告書では、区民と区政の間の心理的距離による遠隔の行政の弊害が様々指摘されていたのです。デジタル化が区民と区の触れ合う機会を減少させ、区民と区を心理的に分断することになっては本末転倒です。  区は、現場を持つ基礎的自治体として、デジタル化による行政の変化のその先に、全てが簡素化され、区民と行政が心理的に分断された社会ではなく、デジタル化を駆使し、これまで以上に区民と行政が密につながる地域社会を描き、その目指すべき方向性を明確に示すべきです。世田谷区のDXがどのように区民のためになるのか、区の見解をお聞かせください。  次に、高齢者の居場所について伺います。  先日開かれた地域保健福祉審議会で提示された資料、計画の答申案において、新たな項目として、高齢者の多様な居場所づくりが打ち出され、高齢者の孤立を防ぐため、身近に出かけていくことができる、くつろぎの場を広げていくことを盛り込む方向性が示されました。区が高齢者に身近なくつろぎの場が必要であることを改めて認識されたという点は評価いたしますが、ここで大切なことは、区が高齢者の生活実態と本当のニーズを的確に捉え、政策を組み立て、展開していけるかどうかです。  そこでまず、区はどのような手法で多様化する高齢者の生活実態と要望を捉えておられるのか伺います。またあわせて、このたびの計画案の作成に当たり、区がくつろぎの場の必要性を認識された根拠は何か伺います。  このたびの計画の答申案に示されている、身近に出かけていくことができるくつろぎの場において、例えば、移動手段をお持ちでない場合や足腰が不自由な場合、さらには、より多くの方にくつろぎの場を創出していくという観点からも、身近な範囲という点は非常に重要な視点であると考えます。今後、区は、高齢者が求めるくつろぎの場、通いの場を身近な範囲の中でどのように創出されていかれるのか見解を伺います。  次に、これからの認知症施策について伺います。  世田谷区は、これまでも様々な認知症施策を展開してこられたわけですが、本年十月に新たに世田谷区認知症とともに生きる希望条例が施行されました。当然、これまでの取組の単なる延長ではなく、世田谷区において、区と区民の認知症に対する向き合い方が大きく変わっていくものと期待いたします。  現在、条例の施行に伴い世田谷区認知症とともに生きる希望計画を策定されているわけですが、残念ながら、この計画を推進することで世田谷の地域社会がどう変わっていくことを目指しておられるのかが、現在提示されている計画の骨子案からは読み取ることができません。計画づくりの最終段階を前に、世田谷区認知症とともに生きる希望条例の意味、つまりはその存在意義に対する区のお考えを改めてお聞かせください。  また、区と区民が認知症に対しどう向き合うかという視点から、これまで認知症に伴う踏切事故などを想定した損害賠償の補償について質問で取り上げてまいりました。しかし、区は、さきの決算特別委員会でも従来どおり検討するとの答弁を繰り返されているのです。一方では、希望計画の案の作成はいよいよ大詰めに来ていると伺っております。その具体的な検討状況について明確な答弁を求めます。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎清水 地域行政部長 私からは、三点について御答弁いたします。  初めに、区民意識調査において行政手続に関する窓口サービスを求めていることについて、区の認識と、どう生かしていくのかについてです。  区民意識調査において、約二割の方が行政手続に関する窓口サービスの拡充をまちづくりセンターに期待しており、特に六十歳代の男性と四十歳代の女性が比較的割合が高い結果となっております。同調査では、具体的にどのような行政手続を期待しているか、また、距離、時間の短縮といった利便性への期待など、どのような効果を期待しているかについては、引き続き研究が必要であると思われます。  一方、行政手続のデジタル化の動向を踏まえると、マイナンバーカード等を利用した電子申請届出や証明書交付の促進など、区民の利便性の向上や窓口業務の効率化を進めることを基本に、窓口の在り方を構築する必要があると考えております。
     こうした動きの中で、例えば、まちづくりセンターと本庁や総合支所の所管とリモートでつながる仕組みを利用して、ICT利用が困難な方でもまちづくりセンター職員の支援の下に、専門的な相談や手続ができることなど窓口の在り方について検討し、さらに、ICT利用が困難な方に限らず、より身近な施設で手続を望む方へのサービス拡充にもつなげてまいりたいと考えております。このような観点を踏まえ、行政手続に関する窓口サービスの拡充について検討し、取り組んでまいります。  次に、まちづくりセンターが区民の求める形で発展していくためには、区民に身近な行政サービスを提供することが大前提となるのではについて御答弁をいたします。  まちづくりセンターでは、行政全般にわたる問合せや福祉の相談窓口における相談など、令和元度においては二十八か所全体で年間七万五千件以上の対応を行っております。このような窓口での対応は、区民に身近な行政サービスとして区民に最も身近な行政拠点の重要な役割であり、今後、情報発信の強化などによるまちづくりセンターの認知度向上や区民の関心事や重要施策など、本庁、総合支所との情報共有を強化し、窓口対応の充実を図っていきたいと考えております。  また、地域の実態に即したまちづくりや災害対策を進めるため、住民同士が顔の見える関係を築き、多様な分野の活動がつながるよう、まちづくりセンターにおいては、活動団体や人材の紹介、活動の場所や助成制度の相談などに重点を置いた窓口機能を強化し、区民の身近な行政サービスとしてその充実を図ってまいります。  (仮称)地域行政の推進に関する条例の検討においては、区民の身近な行政サービスについて適切に整理し、検討してまいります。  最後に、世田谷区のDXがどのように区民のためになるのかについて御答弁いたします。  行政におけるDXの推進においては、電子申請・届出など、行政手続のオンライン化による手続の簡素化、迅速化や窓口の混雑緩和、業務の効率化などが期待されます。一方で、複合的で複雑化する生活課題に対応する相談業務やICTの利用が困難な方への対応など、現在の福祉の相談窓口や総合支所での区民とのきめ細かい対面業務の充実も重要であると認識しております。  行政のDX対応を区民と行政との情報交流まで広げて考えた場合、例えば、SNSを利用した行政情報の提供や区民との双方向の情報交流は、多世代による住民参加のきっかけづくりになることや、また、それらビッグデータやAIの活用により、地域社会や区民意識の変化、施策に対する評価を迅速に把握することで、予防型の行政につながることも期待されます。DXによる業務改革を進めることにより生み出された資源を、対面によるきめ細かい相談業務や地域コミュニティー、まちづくりなど、人との交流が土台となる業務に充てることにより、結果として、区民とのより強い信頼関係を築くことができるよう、全庁的なDXの取組を地域行政の検討にも生かしていきたいと考えております。  以上です。 ◎長岡 高齢福祉部長 私からは、三点お答えいたします。  まず、高齢者の身近な居場所づくりについて、高齢者の生活実態の把握とくつろぎの場の必要性の認識についてです。  三年ごとの高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の策定に当たっては、策定の前年度に無作為抽出でアンケート調査を郵送する手法により、高齢者ニーズ調査を実施しております。国の介護予防・日常生活圏域ニーズ調査をベースに区独自の設問を加え、三年前の調査結果と比較できるよう、できるだけ同じ設問で行い、介護予防事業や施設整備の検討の基礎資料としております。  調査結果では、三年前に比べ外出頻度の多い人や収入のある仕事をしている人の割合が増えています。一方、近所づきあいがない人の割合が増え、その理由としましては、知り合うきっかけがないが多く、つき合う機会がない、関わりたくないは減っています。また、まちづくりセンター、あんしんすこやかセンター、社会福祉協議会の三者連携により、相談への対応や課題解決を図る地域包括ケアの地区展開の取組の中でも、高齢者の生活実態を把握しており、地区の課題の一つとして、高齢者の孤立防止が上がっております。このような課題認識から、計画目標の一つに高齢者の活動と参加の促進を掲げたところです。  さらに、高齢・介護計画の検討の中で区民や区議会からの御意見を踏まえまして、必ずしも地域の活動に参加しなくても、一人で通い、穏やかな時間を過ごすことのできる場など、多様な居場所の創出も必要であるとの考えから、くつろぎの場という表現で記載をしたところでございます。  次に、これからの認知症施策について、世田谷区認知症とともに生きる希望条例の意義についてです。  本条例の前文には、今日、認知症に対する見方が大きく変わってきています。認知症になると何も分からなくなってしまうという考え方が一般的でしたが、認知症になってからも、暮らしていく上で全ての記憶を失うわけではなく、本人の意思や感情は豊かに備わっていることが明らかになってきており、尊厳と希望を持って自分らしく生きることが可能ですとうたっております。  御質問の本条例の意義は、この前文にあるとおり、区はこれまでの悲観的な認知症観を改め、広く区民に希望のある認知症観を御理解いただくとともに、認知症の本人はもとより、全ての区民が安心して自分らしく共に暮らすことができる地域共生社会の実現に向けて、区が区民とともに将来にわたって取り組むことを宣言したことにある、そのように捉えております。  最後に、認知症損害賠償補償制度についてです。  認知症損害賠償補償制度につきましては、先行する自治体の取組状況について研究するとともに、既に認知症を対象とした民間保険がある中で、保険料や対象者、補償の範囲など、どのように公平な制度設計を構築できるか検討しているところでございます。  一方で、制度を導入すれば、認知症の人や介護する家族にとって賠償に対する不安を軽減することができますが、認知症の人は事故を起こす可能性があるといった今までの認知症のマイナスイメージを助長するのではないかと危惧する声もいただいているところでございます。条例にも規定しているとおり、賠償保険制度を含めて認知症施策の実施に当たりましては、認知症の本人や家族の意見を丁寧に聞きながら、慎重に検討することと考えております。  今後、認知症の本人と家族が参加する認知症施策評価委員会におきまして、条例の目指す地域づくりの取組と併せて、賠償保険制度の議論も深め、区の検討に生かしてまいります。  以上です。 ◎松本 生活文化政策部長 私からは、高齢者の居場所づくりについてお答えをいたします。  身近な地域での高齢者のくつろぎの場などの居場所づくりについては、さきの本会議及び決算特別委員会で御指摘をいただいております。区では、高齢者の健康づくりや地域参加、地域貢献、団体活動支援などに加え、居場所づくりも加えた高齢者の地域参加促進施策を推進することとし、生活文化政策部と高齢福祉部の連携はもとより、総合支所、地域行政部、保健福祉政策部等の関係各部とともに、社会福祉協議会等にも協力を求め、検討を始めております。  この間の検討では、社会福祉協議会によるふれあい・いきいきサロンや世田谷トラストまちづくりによる地域共生のいえ、地域包括ケアの地区展開などにより、様々な形の交流の場や居場所づくりが数多く行われており、それら全体の整理を進めているところでございます。こうした活動や地域資源が高齢者の生活実態やニーズに合致しているかを丁寧に確認しながら、コロナ禍や一人暮らし高齢者が増加する中で、身近な地域で高齢者が安心して過ごせるくつろぎの場などの居場所づくりについて、関係部門が連携して充実に取り組んでまいります。  以上でございます。 ◆一番(つるみけんご 議員) 認知症施策について再質問いたします。  条例の意義への答弁で、希望のある認知症観の理解を広めると言いながら、一方で、補償制度を導入すれば認知症の人は事故を起こす可能性があるといったマイナスイメージを助長する危惧があるということを言われました。全くの勘違いです。今の御答弁と区の考え方こそが認知症に対するマイナスイメージを助長しています。認知症の人が事故を起こすのではなく、認知症の人が事故に巻き込まれる可能性があるのです。  そして、認知症は誰もがなり得るもので、誰もがこの当事者です。補償は紛れもなく負担を軽減します。まさにこの保険料や賠償金という負担が、最悪の場合に御家族に重くのしかかるばかりか、その支払い能力の有無により格差を助長しかねないことが問題なのです。  区長が先頭に立ってこの検討を進めると言われてから二年が経っております。ぜひ区長の御見解をお聞かせください。    〔保坂区長登壇〕 ◎保坂 区長 つるみ議員の再質問にお答えをいたします。  この認知症とともに生きる希望条例については、私自身も昨年来、たびたび検討委員会、そのほか話合いにもできる限り参加し、当事者の方からの声もお聞きをしてまいりました。掲げているビジョンなり、理念については大きな期待と評価を得たものと受け止めています。ただ、これから、この旗が本当に具体的に何をつくるのか、これが希望計画でありまして、この希望計画こそ条例の具現化、実施に当たっての指針になるものというふうに思っております。  この間、認知症とともに生きる希望条例の議論を相当詳細に詰めてまいりました。その中で、先ほど部長がお答えしたように、議員御指摘の賠償保険制度の在り方についても、近く検討委員会がございますので、この中で、これから打ち出していく希望計画とともにしっかりバランスよく、また、認知症のご本人、ご家族の声も実際に聞きながら判断をさせていただきたい。そこを間もなく、そういう機会を持つ予定です。 ◆一番(つるみけんご 議員) 間もなく今、そういう機会を持つということをおっしゃっていただいたわけですけれども、繰り返しになりますが、区長が先頭に立って検討を進めると言ってから既に二年がたっておりますので、スピード感を持ってきちんと対応していただくようにお願いいたします。  以上で終わります。 ○和田ひでとし 議長 以上でつるみけんご議員の質問は終わりました。  これで本日の一般質問は終了いたします。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 ここで日程の追加についてお諮りいたします。  お手元に配付してあります追加日程第一から第三に至る三件を本日の日程に追加し、ここで議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○和田ひでとし 議長 御異議なしと認めます。よって、本三件は本日の日程に追加し、ここで議題とすることに決定いたしました。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 これより、 △追加日程第一から △第三に至る三件を一括上程いたします。  〔井上次長朗読〕  追加日程第一 議案第百十号 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例外議案二件 ○和田ひでとし 議長 本三件に関し、提案理由の説明を求めます。宮崎副区長。    〔宮崎副区長登壇〕 ◎宮崎 副区長 ただいま上程になりました議案第百十号「職員の給与に関する条例の一部を改正する条例」、議案第百十一号「幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例」、議案第百十二号「会計年度任用職員の給与及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例」の三件につきまして御説明申し上げます。  本三件は、いずれも職員の給与を改定する必要が生じましたので、御提案申し上げた次第でございます。  よろしく御審議のほどお願い申し上げます。 ○和田ひでとし 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。  なお、本三件については、地方公務員法第五条第二項の規定により、あらかじめ人事委員会の意見を聴取しております。お手元に配付の資料のとおりであります。  本三件を企画総務委員会に付託いたします。     ──────────────────── ○和田ひでとし 議長 以上をもちまして本日の日程は終了いたしました。  なお、明二十七日は午前十時から本会議を開催いたしますので、御参集願います。  本日はこれにて散会いたします。     午後五時五十分散会...